北米のアジア輸入、9月以降更に落ち込む見込み。スポットレートも大きく下落

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、Job.comの記事から、「9月の米国におけるアジアからの輸入の落ち込みは、今後さらに減少」についてお話していきたいと思います。

2022年10月17日イーノさんの物流ラジオ

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北米ピークシーズン前倒し

アジアと米国の港湾におけるサプライチェーンのボトルネックが続いているため、今年は米国の小売業者は年末商戦向けの輸入品を数ヶ月早くアジアから出荷していました。

データによると、8月のアジア輸入は16.1%増、7月の輸入は10.1%増、6月の輸入はコロナ前の2019年の同じ月と比較して24.5%増でした。

現在の輸入量減少

9月の米国のアジアからの輸入量は、8月から10.4%減少し、昨年12月以来の低い月間輸入量となりました。

具体的には、9月のアジアの輸入量は、151万TEUで8月の168万TEUから約10%減少。

グローバル・ポート・トラッカー(GPT)が今後のデータを発表し、輸入は前年同月比で10月に9.4%減少、11月に4.9%減少、12月に6.1%減少すると予想されています。

輸入減少の要因

この秋の輸入減少には、いくつかの要因があります。

アジアの積出港や米国の港湾関連サプライチェーンでサプライチェーンのボトルネックが続いているため、小売業者は今年のホリデーシーズン商品を早めに出荷していました。

つまり、従来の8月から10月のピークシーズンが太平洋横断で夏場に発生していたのです。

また、倉庫の在庫過多や、インフレの進行により年明けの個人消費の落ち込みを懸念して、多くの小売業者が年末商戦の注文を一部キャンセルしました。

Sea-Intelligenceによると、アジアの積出港を出港する船舶の稼働率は春には90%を超えていたのが、ここ数週間は80%を下回っているとのことです。

船のスペースに結構な空きがあります。

海上運賃の動向

上海からロサンゼルスへのスポットレートは、7月は1FEUあたり7,199ドル、10月上旬では1FEUあたり2,995ドル。

上海からニューヨークへのスポットレートは、7月に1FEU当たり10,164ドル10月上旬に1FEU当たり6,887ドルと大きく下落しています。

見事に国慶節前のピークが数ヶ月前倒しになったという様子です。

続くキャンセル

更に、北米の国内サプライチェーンは倉庫がまだいっぱいのため、小売業者が注文をキャンセルしており、需要が落ちていました。

データによると、これが年末まで続くとのことです。

現在、西岸向けがUSD3,000/40’弱、コロナ前は安い時にはUSD 1,000/40’くらいでした。これは船社が潰れるレベルの安値です。

どれくらいまで船社が落としてくるか、がポイントです。

コスト削減以外の道へ行けるか

荷主もUSD10,000くらいまで払えていたので、叩きすぎないで欲しいと個人的には思います。

日本はデフレの時にコスト削減でしか価値を産めなかったため、今のような状態になってしまっています。

これから変わっていくのか、やっぱり変わらないのか、そんなふうに思いながら今後も運賃動向を見ていきたいと思います。