どうもこんにちは、飯野です。
本日は、1月5日付海事新聞の記事から、「市況正常化後のコンテナ物流、環境規制が大きく左右するか」についてお話していきたいと思います。
2023年1月5日イーノさんの物流ラジオ
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2023年の市況
新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに始まった世界的な海上コンテナ輸送の混乱と、コンテナ市況の歴史的な高騰がありました。
物流の目詰まりによって世界のサプライチェーンは大きく揺れたが、2022年後半にかけてその混乱も収束しつつあります。
そして2023年以降のコンテナ輸送を取り巻く環境がどのように影響をするのか見ていきましょう。
北米西岸、ようやく正常化へ
世界的なサプライチェーン混乱の象徴だった米国西岸ロサンゼルス・ロングビーチ両港のコンテナ滞船も、2021年末の100隻前後をピークにして2022年11月にはついにゼロ隻となり、混乱は完全に解消しました。
3年を経てようやく正常化に至ることになりました。
北米西岸向けなどは12月9日時点で40フィートコンテナ当たり1,430ドルと、こちらは完全にコロナ禍前の水準となっています。
需給バランスの軟化続く
コンテナ市況の高騰を支えていた物流混乱と巣ごもり需要の2大要素がすっかり剥落しました。
さらに世界的なインフレ懸念とこれまでの需要先食いによる過剰在庫もあり、需給バランスの軟化はしばらく続く見通しです。
2023年以降のコンテナ船腹供給は?
日本郵船調査グループによると、2022年末の供給船腹量は3・2%増の見込みでした。
解撤量は依然として歴史的低水準が続くものの、竣工量の伸び悩みが響きました。
中国のロックダウンの影響で上海周辺の造船所の稼働停止が長期化したほか、韓国造船所でのストライキなどが響いたとのことです。
2022年末時点ではあまり増えていません。
2022年の伸び悩みの影響
そして2023年末の供給船腹量は対前年比で4・5%増と予想しています。
前年に比べて伸び率は上回るものの、2022年の工期遅れの挽回が難しいことなども考慮し、竣工量は252隻・173万2,000TEUとしています。
2024年末には2023年からの先延ばし船の竣工も予想するものの、一方で解撤についても75隻85万TEUまで進むと見られています。
意外と増えないかもという感じです。
規制効果は?
供給船腹量が増加する一方、ウクライナ危機や世界的なインフレもあって景気後退が確実視されるなかで、荷動きも期待できず、コンテナ市況の環境としては悪条件がそろっています。
ただし、23年1月からスタートする環境規制、つまりEEXI(既存船の燃費性能規制)とCII(燃費実績格付け制度)がどの程度影響するのかで大きく変わってくるとみられています。
2分される見方
基本的にはEEXIとCIIの導入により、船腹量削減効果が発揮されて需給が引き締まる方向に行くとの見方が強く、先日退任を発表したマースクのソーレン・スコウCEOも環境対応と減速航行で投入船腹が減るとメディアのインタビューでコメントしています。
一方でこうした環境規制による船腹量削減効果は限定的との意見も根強く、見方は2つに分かれています。
2023年はこれまで以上に先行きの不透明感が強くなるなか、広い意味での環境ファクターがコンテナ輸送動向を大きく左右する可能性が高くなりそうです。
2023年の市況予想
全体的にはやはり伸びることはないと思います。世界的なインフレがやはり影響するでしょう。
スペースも非常に取りやすく、安定した状況が続くのではないかと見ています。
運賃水準が完全にコロナ前に戻っており、業界で働く立場からするとこれ以上下がらないでほしいと思います。
船の解鉄を含めても、船の供給量も増えます。
もしかしたらとんでもなく運賃が安くなるかもしれないと個人的には危惧しています。
また、EEXIとCII規制によって、船が減速して進む可能性があるので供給量のバランスが取れるかもしれませんが、これは蓋を開けてみないとわかりません。
今年も一年、情報発信を続けていきたいと思うのでよろしくお願いします。
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