「フォワーダーの得意・不得意について」!
9分15秒の動画やで!
どうもこんにちは。飯野です。
今回はフォワーダーの得意・不得意というテーマでお話をしていきたいと思います。
世界のインフラとしてのフォワーダー
おかげさまでこのYouTubeチャンネルも沢山の人に見てもらえるようになり、国際物流のお仕事を各国から依頼頂けるようになりました。ありがとうございます!
コロナ禍であったとしても経済は動いていますので、貨物の動きは止まりません。私たちフォワーダーという仕事は世界のインフラとして機能していなければいけないと思っています。
弊社にくる問い合わせには本当に色んな種類のものがあります。
私も物流に関する色々なノウハウを発信しているので、何でも運べると思って頂いているようで、とてもありがたいのですが、実際の所は今回のテーマのように得意・不得意があります。
貨物の運び方が分かれる3つの要素
物を運ぶという単純な仕事のようですが、物の運び方は全て同じではありません。
主に
・貨物の内容
・配送する地域
・配送する量
によって変わります。
これらによって最適な物流方法を提案するのがフォワーダーの仕事ですが、実際には「これどうやって運ぶの?」という貨物はあったりします。
私としてもタイから色んな貨物を輸出入してきた経験があります。
例えば、自動車パーツ、エアコンパーツ、生鮮食品、加工食品、アルコール類、引越し貨物、金型、紙袋、化粧品、化学品、活性炭、革製品、スクラップ、電子部品、建築資材、家具、新品・中古機械、プラント設備などなど。
貨物内容について
一般的な貨物であれば運ぶのは簡単ですが、運んだ経験がないものは依頼をされた時に、運び方を即答出来ない場合があります。
例えば、弊社の場合では、ワクチン、有名な絵画、樹木とかですね。
絵画の国際輸送ってどうやるの?
絵画を例にもう少しお話ししましょう。オークションで出品されたり、美術館の展示用に輸送されるような有名絵画の価値は、そこら辺の一般貨物より遥かに高額です。
また破損もしやすく、取り扱いには細心の注意が必要な貨物です。
もし私が有名絵画の輸送を依頼されたら、ビビってしまいます。運んだ経験もないし、リスクも高いので、即答でやります!とは言いにくいものです。
樹木の国際輸送ってどうやるの?
また樹木に関してですが、物理的にはフラットラックコンテナを使ったり、在来船を使って運ぶことは出来ると思います。ですが輸入国での検疫が大変だろうなとも思っています。
植物の輸送では病害虫が他国に侵入しないように、水際でストップするために検疫があります。樹木の検疫はやったことがないので、依頼を受ける前に色々と調べないといけません。
配送地域によって違う
そして輸送する地域についてです。頻繁に貨物を送っている国であれば、慣れているのでフレキシブルなサービスのご提案可能です。
現地の代理店との連携もスムーズですし、色んな種類の貨物が運びやすいです。
送ったことがない地域への貨物輸送
しかし、貨物を送ったことがない地域だと、代理店すらない場合があります。
それでも貨物自体は運べるのですが、輸出先の港や空港までになり、到着してからの通関と配送は輸入者に対応をして頂くことになります。
また送ったことがない地域だと海上運賃などはタリフ、いわゆる定価でのご案内になります。
これが地域におけるフォワーダーの得意・不得意の大きなポイントです。例えば弊社であればタイから日本向けであれば、毎月100本以上のコンテナ輸送をしているので、割安な価格をご提案可能です。
しかし、南米のチリやコロンビア、アフリカのタンザニアとかには貨物を送ったことがありません。
一方で南米向けに沢山のコンテナを定期的に送っているフォワーダーもあるでしょう。そこに依頼する方がメリットのある価格を得たり、スペース確保がしやすくなる場合があります。
貨物の輸送量によっても違う
そして配送する貨物量も重要なポイントです。
弊社の問い合わせには個人の方からも貨物輸送の依頼があります。個人の場合、引っ越しを除いて、殆どの貨物の輸送量は段ボールが数箱という程度です。
また法人であったとしてもサンプルを送ったり、小さくて軽いものを輸送する場合もあります。
貨物量が少ない場合は一般的にクーリエやEMSを使用した方が価格メリットがあります。クーリエとはDHLやFedexなどが有名ですよね。EMSは各国の郵便の国際サービスなので、こちらも価格は安いです。
私たちフォワーダーが航空貨物で実重量か大きさが、45kg以下のものは、先ほど説明したようなタリフ(定価)でしかご提案出来ません。
一方でDHLやFedexのようなクーリエは自社の航空機で大量の小口貨物を運んでいるわけですから、割安の価格となります。
また小口貨物では少額の場合も多いので、簡易通関というスピーディーな通関方式を取るために、荷主が通関手配に必要な書類などを手配する手間が省ける場合が多いのです。
個人的な経験からですが、航空貨物であれば100kgを超えるボリュームだとフォワーダーを使うと良いでしょう。依頼する貨物内容、地域、フォワーダーにもよりますが、メリットが出る場合が多いです。
海上輸送の混載便(LCL)を使用する場合は、最低でも 1m3の量はあった方が良いです。これは1m3が海上運賃や港の諸経費のミニマムボリュームだからです。
LCLについては別の動画で詳しく解説していますので、概要欄にリンクを貼っておきます。
特殊コンテナによっても違う
先に説明した貨物内容にも関連しますが、特殊コンテナの取り扱いも得意・不得意が関係します。特殊コンテナにはリーファーコンテナ、オープントップコンテナ、フラットラックコンテナなどがあります。
リーファーコンテナが得意なフォワーダー
冷蔵・冷凍貨物を扱う場合にはリーファーコンテナが必要となります。主に食品の輸送で使われますが、食品専門で活動しているようなフォワーダーはリーファーコンテナの取扱い量が多いです。
そうなるとリーファーが必要な時には、これを得意としているフォワーダーに依頼をする方がコンテナ手配も より確実ですし、価格メリットもあるでしょう。
大型貨物が得意なフォワーダー
次にフラットラックやオープントップなどのコンテナ。
主に機械など大型の貨物を輸送する時に使用するコンテナですが、先ほどのリーファーコンテナと同様に、大型機械の取り扱いをメインにしているフォワーダーはこれらのコンテナ手配でメリットがあります。
このような貨物をオーバーゲージカーゴと言いまして、以前に解説動画を作りましたので、概要欄にリンクを貼っておきます。
大手フォワーダーは全てが得意か?
大手のフォワーダーについても触れておかなければいけません。大手フォワーダーは各国に支店を持ち、倉庫やトラックなどのアセットを自社で持っています。
人材も豊富なので色んな輸送ケースの経験が会社単位であるでしょう。そういう意味で、特殊な貨物を輸送する際に大手フォワーダーが選ばれるのには理解できます。
ですが中小フォワーダーとして抵抗をさせて下さい。大手と言えど、担当するのは営業マンです。大きい案件の場合だとチームで動くかもしれませんが、一般的に窓口になるのは1人の営業マンになります。
この営業マンが全ての物流を理解しているかというと、そうではありません。社内でノウハウ共有出来ていなかったり、社内の経験者からの情報共有がなければ、私たち中小企業とさほど変わりません。
また大手だから運賃が安いというのも幻想です。営業マンの匙加減によると覚えておきましょう。
イーノさんの得意の国際輸送
最後に弊社の得意をご紹介させて下さい。弊社はタイのフォワーダーで、法人様を対象とした、タイからの海上輸出を最も得意としています。
貨物については冒頭で説明したように、工業品、食品、日用品など色んなものをタイから運んできた実績があります。
また私は現時点で、タイでフォワーダーをやって8年目です。3年〜5年で帰国する駐在員とは違い、この8年もの間に、多岐に渡る貨物輸送をしてきましたので、海上輸出以外でも、航空輸送や、近隣諸国へのクロスボーダートラック、機械設備の据え付け、通関対応のノウハウがあります。
そういう意味で、最も得意としているのは海上輸出ですが、タイ関連の貨物輸送においては全般的に、他の日系フォワーダーの日本人営業マンより得意だと思っております。
まとめ
それでは今回の内容をまとめましょう。貨物を世界中にお届けするフォワーダーには、実は得意・不得意があるとお伝えしました。主に貨物の内容、輸送地域、貨物ボリュームによって、各フォワーダーの得意が異なります。
特定の貨物・地域に貨物を定期的に輸送している業者は、安全に運ぶノウハウもあり、また船会社・航空会社からも良いレートを得ている場合があります。そういう意味で得意と表せます。
反対に取り扱いしたことがない貨物や地域への輸送は、ノウハウもなく、運賃もタリフ(定価)になってしまいます。
また個人と法人でも違います。輸送量が法人に比べて少ない個人は、クーリエやEMSのサービスを使う方がメリットがある場合が多いです。
そして特殊コンテナでの取り扱いにも同じく得意・不得意があります。
あなたがこれから運ぼうとしている貨物は、現在 取り引きのあるフォワーダーの得意の範疇なのかをしっかり確認しましょう。別により良い提案が出来るフォワーダーもいるとも思います。
今回のお話が良いフォワーダー選びの参考になれば幸いです。それでは、以上になります!ありがとうございました!
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