主に輸入貨物を取り扱うときにお客様によっては倉庫の手配を希望される事があります。倉庫は単に商品を在庫保管するだけでなく、積み下ろしや軽作業にも使われます。
弊社のHPからは日本語でタイの倉庫に関する問い合わせが多く、それだけ日系企業のお客様からの需要が高いのか or 単に情報がないのかが良く分かりませんが筆者の知っているタイの倉庫事情についてご説明をしていきたいと思います。
現在のタイの倉庫事情
倉庫選びで重要な要素に立地が挙げられます。港・空港と配送先・仕入れ先などの場所から最適な場所に貨物をストックする。
いくら倉庫費用が安いと言っても配送先などから距離が離れていると輸送費用が高くなり効率的ではありません。
人気の倉庫立地
筆者が知る限りでは貨物が集まりやすい立地はタイではスワナプーム空港・バンコク港・レムチャバン港の近く。
そして日系企業が多く入っている工業団地としてチョンブリ県のアマタナコーン工業団地やサムットプラカーン地域にある工業団地に近いBangNa Tradが人気のエリアかなと思います。
ウチの協力業者がアマタナコーン内に倉庫を建てたら、すぐに埋まったて言うてたで。
割と空いている倉庫立地
一方でガラガラの倉庫もあります。2011年にタイの起きた洪水でタイのアユタヤ地域周辺は水没しました。その影響で東部のレムチャバン地域に倉庫が多く建てられました。
しかし供給過多でその地域の倉庫はまだガラガラに空いていると言う印象です。
不動産と同じで人気のある場所はすぐに埋まるけど、そうじゃない場所は集客力が必要だよね。
倉庫の種類
倉庫では様々な貨物が保管・作業をされますので、それに適した倉庫が必要となります。
以下に各種倉庫について説明をしてきましょう。
一般倉庫 / General Warehouse
一般の貨物(General Cargo)が保管される倉庫です。樹脂、木材、自動車パーツなどなど。一般貨物の場合は他の倉庫に比べて機能がないので他社と差をつけるにはサービス、立地、価格になります。
検品や梱包サービスで差をつけている倉庫もあるよ!
またコンテナからの積み下ろしが出来ないお客様の場合、一般倉庫でコンテナを開梱してトラックに載せ替えてお届けする事があります。
プラットフォームがないお客さんはコンテナから荷物降ろせへんからな。
冷凍・冷蔵倉庫 / Cold Warehouse
タイでは冷凍・冷蔵倉庫の需要が高くなってきたように感じます。
2018年ごろから屋台の撤去が進みコンビニやスーパーの冷蔵・冷凍食品の需要が増えていくと予想されています。
でもまだまだ路面店や屋台は結構あるけどな。今後はどうかな?
弊社では冷凍のシーフードや温度管理が必要な工業品のリクエストもあり日系・タイ系の冷蔵/冷凍倉庫を状況に応じて使い分けています。
冷凍・冷蔵倉庫の温度設定ルーム
・-25度
・3度〜5度
・5度〜10度
・15度〜18度
・25度
など。
-25度の冷凍室の下見は辛かった。。
タイでは日中の気温は一般的に30度を超えますので温度管理が必要な貨物は冷蔵・冷凍倉庫を使います。
危険品倉庫 / DG Warehouse
化学品などで危険品とされる貨物は危険品倉庫に保管しなければいけません。また危険品の輸入登録をする時にもDIW(タイの工業省)に保管する予定の危険品倉庫の資料を提出する必要があります。
危険品倉庫というくらいですので、本当に危険です。船や倉庫でも危険品が燃えたというニュースはよくあります。
タイの危険品倉庫でクラス4(可燃性物質), クラス5(酸化性物質)を取り扱っている所は私は知りません。
でも日本のお客様からたまにこれらのクラスの危険品の取り扱い依頼を頂きます。
丁重にお断りをさせてもらっております。
弊社で取り扱い可能なのは
・クラス3:引火性液体
・クラス6:毒物
・クラス8:腐食性物質
・クラス9:その他
これらのクラス以外の危険品につきましてはMSDSを頂き、確認した上で判断をさせて頂いております。
保税倉庫 / Bonded Warehouse
一般的に貨物を輸入すると関税やVATが発生します。しかし輸入した貨物を加工して再輸出をするという場合などに使う倉庫が保税倉庫です。
ラベル貼り、梱包作業、簡単な組み立てなどを行ったり、他国との貨物を合わせて第三国に送るためにコンテナ積めをしたりもします。
基本的に再輸出を前提としていますので主に空港の近くや港の近くにあります。
タイだと加工貿易が多いから保税倉庫を使う機会も多いんですよ。
他国との貨物をまとめてコンテナにバン積めする際は保税倉庫以外にもCFSを使ったりする事があります。お客様のご要望を聞いてどうしたら最も効率が良い物流手配になるのかを提案させて頂いております。
B2C 向けの倉庫 / E-Commerce Warehouse
近頃ではタイもオンラインショッピングの利用が盛んになってきました。タイではLazadaやShopeeが有名です。筆者も「どこで買ったらいいの?」という商品をLazadaで購入する事があります。
ちょっと調べましたら、2013年〜2017年までLazadaやShopee(2015年創業)まで赤字だったそうです。確かにタイの通販は物を買ってお金払ったけれども送られてこないや詐欺のような事がよくあったと聞きます。
本当にちょっと昔はネットショップ使うの不安しかなかったよね。。
2016年に楽天がタイから撤退したのもマーケットがまだ出来ていなかったからでしょう。
しかし昨今ではアプリを使った注文はGrabTaxi/Food, Panda Foodなど便利なものが増えておりますのでオンラインショッピングも一般的になっている印象です。※筆者の主観です。
余談だけど一度 Lazadaにトラックの提案をしに行ったけど、恐ろしく安い価格を言われたから断ったよ。
弊社グループ会社でもE-Commerceの波にのって倉庫を始める計画があります。
やはり米・水などの重たい物を運ぶのは大変ですし、外出しないで買い物できる利便性は大きいので今後伸びていくマーケットなのは間違い無いでしょう。
アリババやAmazonのようなロボットが働く倉庫はまだタイでは人件費の面で導入されないかもしれません(安いから)。しかしこれも時間の問題だと筆者は思っております。
まとめ
今回はタイの倉庫に関して一般的な情報をお伝えさせて頂きました。弊社ではまだまだB2Bのビジネスが多いので、一般倉庫・冷蔵倉庫・危険品倉庫・保税倉庫の利用が多いのですが、いずれはB2C用の倉庫も主要倉庫の一つになると思います。
倉庫はとにかくロケーションが大切です。まだまだタイの倉庫情報は多く無いかもしれませんので、もし各種倉庫でお探しでしたらお問い合わせください。
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