日本郵船、経常利益邦船初の1兆円越え!商船三井・川崎汽船、邦船3社、過去最高益を達成

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、5月10日付の海事新聞の記事から、「日本郵船、邦船初の1兆円超。前期経常益が邦船3社そろって過去最高」についてお話していきたいと思います。

2022年5月10日イーノさんの物流ラジオ

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邦船3社、前期過去最高益

海運大手3社の前期決算が出そろいました。

空前のコンテナ運賃高騰を背景に、各3社の連結経常利益は、郵船が1兆31億円(前期比4・7倍)と邦船初の1兆円台を記録しました。

商船三井は7,217億円で前期比5.4倍、川崎汽船は6,575億円で前期比7.3倍と3社そろって過去最高益を更新です。

今期の見通しは2、3割減益

一方、今期の経常利益の見通しは3社とも前期比2、3割の減益を予想し、コロナ禍の段階的な収束や、世界経済の減速に伴うコンテナ船需給の一定の緩和を見込んでいます。

財務も大きく改善し、3月末時点の日本郵船の自己資本比率は56%となり、前期の29%から大きく上昇しています。 

他にも細かい数字が記事にありますので、興味のある方は、リンクをご確認ください。

船社の投資先

ここから何に投資をしていくのかが注目です。

2050年に向けての脱炭素(ゼロエミッション)は既定路線だと思います。また、物流業界はデジタル化が少し遅れているので、DX化ではないでしょうか。

あとは人材かな、と感じています。

海運の業界で人件費が上がってより優秀な人、若い人に働きたいと思ってほしいと個人的には考えています。

コロナ前までは経営が厳しかった船会社ですが、どの船会社も今回大きな利益をあげたから、ここでグッと業界が前に進むかもと期待しています。

今期の見込み利益

北米の需要について日本郵船の今期経常利益は前期比24%減の7,600億円を見込んでいます。

下期以降に世界経済の減速で北米の需要が落ち着くものの、引き続きコロナ禍前を上回る高水準の利益はあると記事は報じています。

今年は北米西岸港湾の労働協約の交渉があり、労働者のストライキで貨物が滞留することが予想されています。

需要が落ち着く見込みか

経常利益が2、3割減ということは、そもそもの需要が落ち着くのではないかという見込みです。

昨日の放送で大手荷主向けのSCで去年の2、3倍の運賃が確定したとお伝えしました。

船のスペースを中国から買い負けせず、船が日本に寄港するようになり、確定した高い運賃でスペースに貨物を積むことができるということです。

去年は日本からのスペースがなく、送りたくても送れない状況でしたが、過去最高益を叩き出しています。

今年は日本からの輸送でスペースがあり、高い運賃で売れるにも関わらず減益というのは、相当需要が落ち込むということを意味していると思います。

北米での買い控え

先日、FRBで0.5%の利上げが決められました。直近の住宅ローン金利(30年固定)は5.3%まで上昇しています。

また失業者1人当たり1.9人の求人があり、需要が極めて高水準にあります。

今後の会合で0.5%の利上げが2回くらい行われそうな見方もあります。北米の金利が高いと住宅・車のローンを控えようとする人が増えると、モノが動かず、北米にある企業も投資を控えるようになるでしょう。

極端に言えば貨物がないので、西岸港湾でストをやっていようが関係なく、減益するということになります。

貨物需要はどこまで落ち込むか

しかし、2、3倍の高い運賃が確定し、運べるスペースもあっても、収益が2、3割減というのは、貨物量が半分くらいになるということを見込んでいるのか、と個人的には考えています

船会社の関係者さんが聞いてらっしゃったら教えてください。

ツイッターなどでDMをお待ちしております。

明日の放送で、ウォール・ストリート・ジャーナルの西岸港湾の労働交渉の記事ついて話をして、もう少し考察していきたいと思います。