どうもこんにちは、飯野です。
本日はJoc.comの記事から、「米国荷主が燃料費上昇に備えて、マーケットが変わるかもしれない」というお話をしていきたいと思います。
2022年3月29日イーノさんの物流ラジオ
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燃料費の高騰
別の放送でもお伝えしましたが、現在、原油高で船やトラックの燃料費が上がっています。
石油価格報告機関によると世界のコンテナ船船隊の約70%を動かす、低硫黄燃料油(VLSFO)の価格が上昇しています。
3月14日時点で、895ドル/トン。ウクライナ侵攻前の2月23日の726ドル/トンから約160ドルの値上がり、また、2021年の高値617ドル/トンに比べると約280ドルの値上がりをみせています。
また高硫黄燃料油は3月14日時点で623ドル/トンで、侵攻前の2月23日の534ドル/トンから約90ドルの値上がり、2021年の高値、504ドル/トンに比べると約120ドルの値上がりとなりました。
よって、現在は排ガス洗浄装置のスクラバーに投資をする会社も出てきています。
荷主への影響
荷主はロシア・ウクライナ戦争が続く中、新たな燃料コストと輸送への影響を懸念しています。
すでに海上、陸上、航空運賃が高騰している中、荷主は燃油サーチャージの引き上げに備える必要があります。
これがどのように影響するかというと、米国のサプライチェーンにおいて、「配送スピード」から「コストへと重点を移す」ことになる可能性があるとのことです。
コロナ以来、スピードに集中してきた荷主にとっては大きなリセットとなり、これがどの程度になるかは、原油や燃料の価格がどの程度まで上昇するかにかかっています。
高止まりする原油価格
トラックのガソリン価格ですが、米国エネルギー情報局(EIA)によると、米国のディーゼル燃料の平均コストは依然として高いままとのことです。
ディーゼル燃料の価格の約半分は原油価格によりますが、旺盛な貨物需要とそれに伴うサプライチェーンの混乱により、ディーゼルおよびガソリンの価格は、高止まりする可能性が高いとしています。
3月14日現在、トラック輸送や鉄道燃料サーチャージのベースとして使用されるEIA米国ディーゼル小売価格の平均は1ガロン当たり5.25ドルでした。
これは、米国荷主が2022年の予算化していた2021年10月と11月の平均3.68ドルから1.57ドル上昇しています。
西岸発のトラック主要路線のレートは、港の混雑が緩和され需要が軟化したため下落しましたが、もしかしたら今後数週間のうちにコストが上昇することになるだろうと記事は報じています。
輸送形態の変化
ある北米のメーカーは輸送頻度を減らすと述べています。
一部の顧客には、毎週小口で貨物を配送するよりも、月に1回でトラック積載量を増やして届ける方が良いケースもあるということです。
インターモーダルへの移行
特に長距離輸送の場合、荷主はインターモーダル鉄道を利用する傾向が強まるかもしれません。インターモーダルの燃料サーチャージは、トラック輸送の約半分です。
例えば、米国で最も輸送量の多いルートの一つ、ロサンゼルスからシカゴまでの輸送での燃料サーチャージは、
・長距離トラック輸送の場合:約1,700ドル
・インターモーダルの場合:約1,050ドル
とはいえ、内陸部のインターモーダル鉄道ヤードキャパ不足や、シャーシ不足もあるため、切り替えはそれほど簡単なものではないとしています。
今後は鉄道が混雑する可能性があります。
輸送能力の縮小懸念
北米のアナリストは燃料費の高騰は、「小規模輸送業者の数」と「輸送距離」を減らすことになるため、さらに輸送能力を縮小させるだろうとしています。
「スポットで荷物を運ぶ経営者が破産するか、少なくともどの荷物を運ぶかを考え直すきっかけになるのではないか」と続けています。
「スピーディな配送」と「燃料費高騰のトレードオフ」が、顧客と荷主の交渉の鍵となるようです。
週に1回以上注文している顧客が、迅速な配送を望むのであれば、顧客はその費用を支払わなければならず、その場合、荷主はコスト上昇を吸収できるのかが問題となります。
今後の影響
これまでは物流のネットワークの混乱により、荷主の平均トラック積載重量は過去1年間で10~20%減少しました。スピード重視の対応のため、トラックに余分スペースがありましたが、今後はトラックの積載をMaxにして輸送する必要があります。
今後どうなるかの個人的な予想ですが、
・北米の小売店の棚がスカスカに
・北米の倉庫のキャパが逼迫
・北米の鉄道に目詰まり発生
また、鉄道を選びたい荷主が、トラックの使用を控えることになるから、港が混雑する可能性もあると考えます。燃料費の高騰がこういう形で影響してくるかもしれません。
引き続き、情報をアップデートしていきます。
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