DHLが5.9%値上げ!物流業の値上げについて。日本は?

どうもこんにちは、飯野です。

今日はウォール・ストリートジャーナルのロジスティクスレポートに「DHL、米国内の荷主への料金を5.9%値上げ」というニュースがありましたので、それについて考察していきたいと思います。

FedExも同じくらい値上げを発表し、それにDHLが続いている形です。

2021年10月20日イーノさんの物流ラジオ

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アメリカ物価上昇

現在、アメリカの物価は上がっており、10月13日時点でアメリカの消費者物価指数(CPI)が前年同月比 5.4%アップしています。

FRBが物価上昇の目安を2%程度としているので、5%越えが5ヶ月連続している状態は、かなり物価が上がっているとわかります。

昨年との物価比較

ツイッターで流れてきた情報によると、2020年9月と比較した2021年9月は

中古車:24%
新車:9%
ステーキ:22%
ホテル:20%
卵:13%
鶏肉:7.6%
りんご:7.8%

それぞれ物価が上がっています。アメリカは景気回復し、消費が上がっています。

物流面で言えば、コロナの影響もありますが、サプライチェーンの乱れにより、海上運賃が高騰しています。

またクリスマス需要に向けて、アメリカの倉庫オペレーションなどのサプライチェーンでは、人件費を上げて人材確保に乗り出しています。

DHLの値上げ

DHLに話を戻しましょう。

先月、急増するeコマースのボリュームに対応するために、アメリカでの施設のアップグレード、施設の追加、貨物船の増強に3億6000万ドルを投資すると発表しました。

このため、今回の5.9%の値上げに踏み切ったようです。

物流費用の値上げ

日本はむしろデフレの状態ですが、業界のトップが値段を上げることにとても意味があると個人的には考えています。

これまでは物流費用は下げてなんぼという雰囲気があったんですね。

弊社も創業当初は値段で勝負してきました。

企業努力でオペレーションコストを下げて、まずはコストメリットを提示し、サービスを体験してもらって、そこから継続していただいています。

けれど、これからは値段だけで勝負はできません。

実際、弊社は現在、リーズナブルではありますが、最安値ではありません。価格を叩いてくる会社さんとは取引しない姿勢でいます。

ここで大切なのは企業の特徴、差別化になってきます。

弊社ならタイからのスペース確保の強さ、また、物流ノウハウの発信などのコンテンツです。

物流コストのイメージ

以前、日本で「送料は無料じゃない」というキャンペーンありました。

日本の消費者さん、企業さんの中では送料に対して、きわめて低いものというイメージが根付いてしまっている気がします。

値下げは、利益を削って行えるものなので簡単ですが、値上げは先ほどお伝えしたように、企業の差別化を図っていかなければならず、簡単ではありません。

事実、値下げしたら仕事は取りやすいですが、とはいえ、値段だけで勝負していくのは難しいところだと思います。

業界である程度の値段を保つということは個人的に大切なことだと思っています。

まとめ

これまでは物流コスト削減という風潮がやっぱり強く、コスト削減には、まず先に物流コストが出てきてしまいます。

物流業者さんは、無理な値下げはしない方がよいと思います。確かに仕事はとりやすくなりますが、経営がシュリンクしていってしまっては意味がありません。

アメリカは今インフレなので、値上げも可能ですが、そこではコストが上がったら、売値も上げるという健全な経営ができています。

なかなか売値を上げるのが難しい日本の風潮を考えると、見習うものがあると思いました。