どうもこんにちは、飯野です。
今日は、海事新聞に「飯野海運、三井物産向けにアンモニア船に再参入」というニュースがありましたので、それについて話をしていきたいと思います。
船舶燃料として低炭素のLNGだきの船が2023年以降に導入されていく予定です。
先ず、LNGが導入され、次世代燃料としてアンモニアが注目されています。
2021年10月19日イーノさんの物流ラジオ
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燃料としてのアンモニア
2021年2月、経済産業省で「燃料アンモニア導入官民協議会」が行われ、現在の需要はほぼゼロである燃料アンモニアを、2030年に300万トン、2050年に3,000万トン導入するロードマップを公表しました。
このアンモニア調達として注目すべきは三菱商事と三井物産です。
三井物産はアンモニアのトレーディングで有名で、日本への輸入の半分くらいを手がけています。
アンモニア原料は天然ガスを使っており、原料が安いインドネシアから大量に生産し、輸入しています。
LPG燃料
今回のニュースの飯野海運が作っている三井物産向けのアンモニア船は2023年12月に竣工予定とのことです。
この船の面白いところは、アンモニア運搬船としてだけではなく、将来的にアンモニアを燃料とした船に出来る設計となっているところです。
更にアンモニアのほか、LPG(液化石油ガス)も輸送可能な次世代船でもあります。
LPGは重油と比べてCO2排出量が少ない燃料で、この船は状況に応じてはLPG燃料を運んだり、LPGを燃料にしたりといった方向転換が可能な船となっています。
水素キャリアとしてのアンモニア
燃料としてのアンモニアもそうですが、水素キャリアとしてのアンモニアも注目されています。
水素キャリアとは、水素をアンモニアにして輸送・貯蔵することです。
ざっくりいうと、水素はH2、アンモニアNH3ですよね。
そこで、水素分子(H2)に窒素原子(N)と水素原子(H)を足したらアンモニア(NH3)になります。
つまり、水素をアンモニアに変えて、実際に使用するときにアンモニアから水素に変えての対応ができるようになるということです。
水素の液体化の必要性
アンモニアにするのは、水素を燃料として保管するために液体化する必要があるからです。
水素は、-253度まで下げないと液体になりません。更に、液体にした時の体積は重油の4.5倍にもなり、保管スペースがかなり取られてしまいます。
一方、アンモニアの液体化の条件は、普通の気圧で-33度、または常温で8.5気圧なので、水素に比べると比較的簡単で、液体化したときの体積は重油の2.7倍と、スペースの問題でも水素より扱いやすくなります。
アンモニアの懸念事項
アンモニアはすでに肥料で輸送・貯蔵のノウハウが確立されています。
アンモニアの毒性が懸念事項ではありますが、臭気と急性毒性については直接吸入や直接接触した場合に急性毒性はあるものの、空気中や水中で急速に分解するので、通常、人が臭気や急性毒性を直接吸入や直接接触する可能性は低いと考えられています。
注目の次世代燃料
次世代燃料として、まずはLNG。これはすでに実績があり、船舶もLNGだきのものが作られています。
次に来るのはアンモニアではないでしょうか。こちらは輸送と貯蔵のノウハウがありますが、エンジンはまだできていません。これから開発が進んでいくと思います。
そして水素キャリアとしてアンモニアを使うことができるので、まずアンモニアが燃料として普及して、インフラもアンモニアよりになると個人的に思っています。
水素が究極のクリーンエネルギーと言われておりますので、水素を燃料とするのが最終段階なのではと考えています。
船舶燃料はとても興味深く、まだ技術、インフラが追いついていないですが、次世代燃料としてアンモニアがかなり注目されているので、随時情報を発信していきたいと思います。
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