【WSJ】北米、2022年も物流運賃は更に上昇か?

どうもこんにちは、飯野です。

今日は、ウォール・ストリート・ジャーナルから、「2022年、海運・物流コストは上昇が予想される」という記事についてお話していきたいと思います。

2021年12月20日イーノさんの物流ラジオ

イーノさんイーノさん

チャンネル登録よろしくお願いします!

北米、2022年契約運賃大幅値上げ

北米で輸送・物流業者は、来年度の契約運賃の大幅な引き上げを求めており、インフレ圧力が持続するだろうという見通しがあります。

各企業(顧客)は来年の海運・物流価格の「さらなる高騰」に備えようとしている、と記事にありました。現在の高値で収まるかと思いましたが、まだ上がるかもしれません。

現時点で、宅配便、トラック輸送、海上輸送、倉庫など、貨物部門全体で価格が上昇しています。

2022年の契約運賃と価格上昇

貨物輸送とロジスティクスの市場では、長期契約運賃とスポット運賃があり、一般的に運賃は、安定した長期契約運賃と需要などの変化に敏感なスポット価格の間を行き来しています。

しかし、ご存知の通り海上輸送、トラック輸送、その他のロジスティクスサービスのスポットの市場価格は、今年に入り急激に上昇しています。北米の国内輸送料金は、全体で2020年から約23%の高騰を見せています。

トラック運送会社をはじめとする物流企業では、労働市場で「働き手」がいなく、労働力確保のために、給与のコスト上昇もあります。

そして、記事内では2022年の契約運賃は上昇するが、輸送需要が緩和され、企業が枯渇した在庫の補充を終えるにつれ価格上昇は緩やかになる、という予測をしています。

「2022年中はインフレ圧力があるが、2023年までは予想していない」と、とあるトラック会社の社長の意見もあります。

それぞれの物流業の値上げ

それぞれの物流業の値上げについて記事によると、消費者に最も近い宅配の価格は、運送業者に価格決定権をシフトさせるため、過去10年近くで最も速いペースで上昇しています。

フェデックスとユナイテッド・パーセル・サービスは、来年のほとんどのサービスで平均5.9%の値上げになると発表しました。

海上コンテナ輸送の料金は、年初に交渉される年間契約があり、これが記録的に上昇する可能性が高いとのことです。

北米では一般的に年初に交渉しますが、既に始まっていると記事で報じられています。

アジアから米国西海岸への40feetの契約料金は、来年は今年の2倍の6,500ドルから7000ドルになる可能性があります。2019年(2年前)は約1,500ドルであり、記録的な値上がりです。

トラック輸送でも、11月の平均契約運賃が過去最高を記録しています。

入札を避け、既存契約の延長

一部の小売業者やメーカーは、適度な値上げと引き換えに2022年の輸送業者との既存契約の延長を行っています。

入札になると、料金は平均して10%から15%高くなることが予想されているので、既存の会社の値上げをのみ、契約延長する方が良いと判断したようです。

倉庫でも人件費が上昇し、契約が切れるテナントに対して倉庫オーナーは値上げを求めています。そうすると、商品の保管コストもより急速に上昇することになります。

サードパーティロジスティクス事業者も、倉庫労働者の獲得競争によって賃金が上昇し、人件費の上昇を商品に転嫁しています。

このように北米の輸送全体的に値上がりしています。

輸送コストに比例し、商品価格上昇

専門家によると、企業はコストを吸収するか、顧客に転嫁する以外にはほとんど選択肢がないとしており、あるコンサル会社の社長は、「全体として、輸送費が商品コストの7%を超えることはほとんどない」と発言しています。

「ほとんどの企業にとって、輸送コストのわずかな上昇よりも、販売している製品の価値やその重要性の方がはるかに大きい」とし、「より安く輸送する方法を探したために、売上を失うとなると本末転倒だ」と続けています。

ウォール・ストリート・ジャーナルが報じているように、北米内は2022年では物流費用は軒並み上昇し、それを売価に転嫁する気がします。

そういう意味で輸送費用の値上げも商品の値上げに影響するため、2022年はインフレ圧力があるということです。

以前の放送でもお伝えしましたが、2022年度は確実に高い運賃がデフォルトだと再認識できるお話しでした。

今後も、随時情報を発信していきます。