どうもこんにちは、飯野です。
今日は海事新聞のニュースから、「LA、LB港で入港待ちの船は実質100隻以上」についてお話していきたいと思います。
2021年12月17日イーノさんの物流ラジオ
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LA、LB、両港沖待ち100隻以上
最近のラジオで、LA、LB両港の沖待ちは改善に向かっているとお伝えしてきました。
状況としては、12月14日時点でLA・LB港から40マイル(約64キロメートル)圏内にあるコンテナ船は約60隻あり、そのうち30隻が荷役中で、30隻が沖待ち中です。
しかし実際には、LA、LB港があるサンペドロ湾から離れたところで、71隻が減速運行などで入港待ちしていると報道されています。
これらを含めると、実質101隻が積み下ろし中、これから積み下ろす状況ということになります。
北米向け荷動き改善は?
ざっくり少なめに見積もって、コンテナサイズを5,000TEUとした場合、100隻で50万TEU、これは20feetコンテナ換算で50万本、40feetに換算しても25万本のコンテナ数です。
かなりショッキングな数字です。
記事では、マーケットでは旧正月(2022年2月1日)以降、貨物の流れが改善することを期待する向きも多くあるとしています。
一方、あるフォワーダー関係者の見方として、「今、このタイミングで北米向け荷動きは緩んでいない。旧正月を挟んで何か変わるという想定は楽観的過ぎる」もあると報じています。
私も全く同意見です。
私自身もこの状況や、ざっくりした数字をみて、旧正月でなんとかよくなるのでは?と思うのはかなり考えが甘いと感じます。このラジオでは何度も言っていますが、状況を知って、自分で考えて、対策を打つべきだと思います。
サンペドロ湾遠方での沖待ち増加原因
話を戻しますが、サンペドロ湾の遠方で減速運行していたのは、11月からの入港に関するルール変更が原因としてあります。
LA、LB港があるサンペドロ湾内で多くの船舶が停泊することで、排ガスなどによる環境悪化を懸念する声が出ていました。
そこで、船社団体PMSA、港湾使用者団体PMAなど関係者が協議を行い、入港に関するルールを11月中旬から改正し、新規則では両港から40マイル(約64km)圏内を、安全・大気品質エリアと位置づけ、船の停泊を減らすと決定しました。
入港待ちの船舶については、港から150マイル(約240km)離れたエリアでの待機を要請しており、中にはメキシコ近くで待機している船舶もあります。
よって、これまでお伝えしてきたようにLA・LB港による滞留貨物への罰金、大手荷主の貨物引き取りなどでヤード内の状況は良くなっていましたが、実際には待っている船がまだまだあった、ということです。
大幅な改善までは時間がかかりそうだ。と記事は締めています。
北米沿岸の排ガス規制
北米の沿岸は排ガス規制が厳しく、2020年1月にマルポール条約に沿ったSOx規制で、LSSの導入がありました。これは排ガスに関し、従来のC重油はPM2.5の発生が多いため、品質の良いA重油や、スクラバーを使っていこうという規制です。
特に北米沿岸やバルト海はECA(指定海域)としてこのSOx規制で決められた基準より、更に厳しい基準があります。
カリフォルニアでは環境意識が高い人たちが多く、ガソリンエンジンではなく普通にテスラが走っているような地域です。そんな中、沿岸で船が排ガスを出していれば、問題になるのは納得です。
待機コンテナの状況改善はまだまだ遠いというお話しでした。
これについて、引き続き関連情報を発信してきます。
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