どうもこんにちは、飯野です。
本日は5月29日付の海事新聞から、「円安加速、海運大手に追い風」についてお話していきたいと思います。
2023年5月30日イーノさんの物流ラジオ
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円安加速、1ドル=140円台に
5月25日のニューヨーク外国為替市場で円は対ドルで下落し、一時1ドル=140円台前半まで下落しました。
運賃や用船料収入など、売上高に占めるドル比率が8割前後と東証プライムで最もドル収入比率が高い海運業界にとっては追い風になっています。
海運業界に追い風
米政府の債務上限引き上げ問題を巡り円安観測が広がっていたものの、ここにきて、日米金利差の拡大などを手掛かりにした円売り・ドル買いが増しています。
円安が140円台まで進むのは、2022年11月以来、約半年ぶりです。
円安は日本のエネルギー輸入など貿易収支の赤字要因となりますが、輸出産業やドル収入が大半を占める海運業にとっては追い風になります。
海運大手各社画の影響
海運大手の今期の為替想定は日本郵船が1ドル=130円、商船三井が同125円、川崎汽船が同125円。
瞬間的に各社の為替前提を10―15円下回っており、2024年4―6月期の各社業績にプラス影響が出そうとのことです。
ドル収入が主体の海運各社
海運各社は決算期ごとにドルベースの売上高を円換算し、日本基準の決算短信として発表します。
海運業界は海運市場での用船料収入、海外荷主からの運賃収入など売上高全体の8割前後がドル収入とされています。
日本の体質、円安助長か
現在の円安の原因はアメリカFRBの継続的な利上げ、日銀の植田新総裁が引き続き金融緩和をすることによるもので、ドル円の金利差が広がり、円売りのドル買いが発生しています。
日本の貿易赤字体質も円安を助長しているとのことです。
日本は輸出より輸入の方が多いため、ドルで買う(ドルを買う)ことの方が多いのが特徴です。
これは日本の製造業が製造コストを下げるために諸外国に工場を作り、日本国内が「産業の空洞化」になってしまったため、日本で製造して輸出するというのは多くは見込めません。
グローバル企業へは追い風
今回のニュースにあったように、海運業界ではずっとドルが使われているので邦船3社にとっては追い風となるでしょう。
偏った見方になってしまいますが、グローバルに活動し、ドル建てで商売をしていない企業は大変ではないかと思います。
今後の展開
過去の1ドル80円のような円高にはおそらくならないような気がします。
円の価値が上がらないため、日本国内で、日本円だけで商売をしていても、海外から輸入をするとなった時に、円が安いため割高で取引をすることになります。
仕入れが高くなると販売価格も上がっていき、日本からの輸出は売りにくくなってしまいます。
マクロ経済の話で、将来どうなるかというのは分かりませんが、市場全体の流れをみて自分は、自社は、どのようなポジションをとっていくのかを考える必要はあると思います。
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