どうもこんにちは、飯野です。
本日は、Job.comの記事から、「インド-米国間の貿易が急増、調達先が徐々に中国から移行中」についてお話していきたいと思います。
2022年9月26日イーノさんの物流ラジオ
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インド米国、貿易量急増
インドと米国のコンテナ貿易は、2021年の通年で23.5%急増した後、2022年上半期に8.3%増加しました。
北米の消費財需要の増加と、コロナの大流行時に中国からの調達シフトが加速したことにより、米国とインドの貿易は過去最高を記録しました。
中国を抜いて一位に
マースクの西・中央アジア地域担当者は、米国の輸入業者の「チャイナプラスワン」調達戦略でインドのメーカーを使い続けるだろうと述べています。
インド商務省のデータによると、2021-2022会計年度のインドと米国の商品貿易総額は、48.3%増の1,194億ドルと過去最高となり、米国は中国を抜いてインドの最大の貿易相手国に押し上げられました。
これまではインドの最大の貿易相手国は中国でした。
アメリカと中国間状況
中国は引き続き世界最大の生産拠点ですが、アメリカとの関税の対立、ゼロコロナ政策による経済圧力、人件費の高騰により中国市場の支配的地位が徐々に損なわれていると、米国に拠点を置く工業包装メーカーの担当者は述べています。
「中国江蘇省の工場労働者の賃金はインド グジャラートの労働者の平均額の4倍を稼ぐかもしれない。それもあってか、労働集約的な製造品目(特に繊維、衣服、クリスマスの飾り)は、中国から調達するよりもインドで約30%安い」という声もあります。
インドの台頭
ムンバイに拠点を置くECU Worldwideの親会社であるAllcargo Logisticsの広報担当者は、今年初めに上海とその周辺で見られたようなロックダウンに対する懸念と、ロシア・ウクライナ戦争に関する地政学的敵対関係が、米国の輸入業者がすでにサプライチェーンの混乱の影響を軽減するために注文を前倒ししていたときに、世界の調達状況をインドに有利に変えていると語っています。
「インドと米国の貿易は、Walmart、JCPenney、Target、Amazonなどの大手小売業者やオンラインマーケットプレイスによる大量発注により、2022年の最初の5カ月間に加速度的に成長した」とのことです。
ムンバイに拠点を置くアパレルメーカーの幹部は、米国の輸入業者はコロナによる米国消費者需要の急増のずっと以前から、中国製への依存を減らすことを検討してきたと指摘しています。
米国が中国におけるウィグル地区の強制労働やその他の違法な貿易慣行を取り締まる中、この傾向は続くだろうとしています。
「中国の対米アパレル輸出額は2022年1月に2019年の1月に対して24.2%減少しましたが、これに対して米国のインドからの輸入額は53.4%急増した」と、情報筋は述べています。
船社大手、インドとの航路追加
輸送業界では、大手海運会社は需要の増加に対応し、主にジャワハルラール・ネルー港やムンドラ港への新サービスや追加運航により、米国-インド間の輸送能力を増強しています。
船社大手のMSCは、8月末に西インドと米国東海岸を結ぶ航路に3本目の週刊便を追加し、ハパッグロイドとCMA CGMは、2021年10月に2本目の週刊便を追加。
取扱量では、インド-米国航路ではMSCとマースクが最も伸びています。
チャイナプラスワン
やはりアメリカと中国との対立や中国のゼロコロナ政策、ウィグル問題もあり、生産拠点がインドに流れていっています。
チャイナプラスワンというのは以前からありましたが、今回のコロナで更に加速したようです。
生産拠点はインドに?
インドの人口が約14.1億人、中国は14.3億人ちょっとです。中国も少子高齢化が進んでいるため、確実にインドの人口が中国を抜くでしょう。
インドというとITな印象ですが、ここで消費材の製造に注目が集まっています。記事でも紹介した繊維・アパレルなどで、工業品というイメージはまだありません。
こういった流れから生産国として変わっていくかもしれません。
マクロな視点で貿易・海運を見ていくと面白いと思う記事でした。
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