どうもこんにちは、飯野です。
今日はWSJ からのニュースで、「北米の小売で年末年始の休暇を控えた発注で抱えている問題」というテーマでお話していきたいと思います。
2021年12月21日イーノさんの物流ラジオ
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北米小売、在庫過多
北米では年末年始を控え、注文が殺到していますが、納期遅れにより、時期はずれの商品が余る可能性があると報じられています。
納期遅れはサプライチェーンの乱れが原因とわかりますが、余るというところがポイントです。
現在は、納期が見えないため、大量に発注をしています。これまでのように必要な分だけ発注をすると納期が遅れ、その次の発注も遅れる可能性もあり、在庫ゼロの期間が長くなる可能性があります。
ある小売業者は、「在庫がゼロになって販売の機会を失う方が危険であり、ホリデーシーズンの発注を3倍に増やした」、としていますが、「しかし、これが予定通りに着くかは不明」と続けています。
逆に、別の小売業者は、「在庫が足りないよりは、むしろ多すぎるくらい」と発言しており、デリバリーがうまくいった会社もあるようです。
勝負の第四四半期
現在、
・サプライチェーンの変動
・輸送のボトルネック
・Covid-19のオミクロン株
の問題があり、それが買い物客にどれほどの影響を与えるかが不透明な状況です。
小売業者にとっては第四四半期が一番売り上げと利益がピークになる時期なので、ここに賭けています。ここで在庫がないと大きな機会損失になります。
テネシー大学のサプライチェーンの教授は、「予算をオーバーすればみんなに怒られるが、月曜日にはまだ仕事がある。よって、在庫切れを起こさないようにする傾向がある。」述べています。
北米では人件費も上がっているため、作業員を遊ばしておくわけにはいきません。
よって、在庫が余り、新年には季節外れの商品が大量に出回る可能性があるとされています。
季節商品の過剰在庫リスク
ウォルマート、ターゲット、ホーム・デポなどの資金力のある企業は、クリスマス商戦に間に合うように早めに商品を積み込み、船をチャーターしてまで在庫を確保していました。
結果、在庫は十分な状態にあると述べています。
しかし、ファストファッションやクリスマスのセーターなど、品数の少ない商品や季節商品を扱う小売企業にとっては、過剰在庫は大きなリスクとなります。
モルガン・スタンレーによる調査によると、今年最初の第三四半期で小売業者を含む企業の50%以上が、それぞれ在庫を増やす予定であると回答していました。
マサチューセッツ工科大学の運輸・物流センターのエグゼクティブ・ディレクターは、「中堅小売業者であれば、5月頃にはクリスマスの需要を決定しなければいけない」としながら、「パンデミック時には、需要予測はまさにお手上げ状態だった」と述べています。
2022年の海運市況
来年の7月、8月でまだサプライチェーンが乱れているとしたら、小売業者の発注量が増える可能性が十分にあり、来年の第四 四半期もまた同じようなスペース不足、運賃の高騰などが予想できます。
余った在庫については、多くの商品は、ディスカウント・チェーンに流れ込み、安く売られるかもしれません。一方で、すべての小売企業が、古くなった在庫の大幅な値引きを考えているわけではない、とも記事は報じています。
倉庫費用を売値に転嫁して、保管していく可能性があります。
アウターウェアやブーツなどの季節商品であっても、1月には通常ディスカウントされるけれども、1月でもフルプライスに近い価格で販売されるかもしれない、と記事には書いてあります。
簡単に考えれば、多くの企業が安売りに走ると考えられますが、保管費用が上乗せされる分、高い価格で売られ、物価は高いままということもあり得ます。
ちょっとどうなるかが読めないですね。
海運の市況は北米の経済が大きく影響するので、引き続きWSJのニュースも含めて発信をしていきたいと思います。
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