2021年9月の海運市況の予測。北米向けピークで運賃上昇、スペース逼迫。

どうもこんにちは飯野です。今日も飯野さんの物流ラジオを始めていきたいと思います。

 

今日のテーマは9月の海運市況の予測です。上海港運交易所(SSE)が上海からの海上輸送の指標をこの様に発表しています。

9月の上海-北米向け海上運賃

上海 – 北米東海岸:USD 11,138/40’
上海 – 北米西岸:USD 5,949/40’

現在は東海岸向けの運賃の値上がりが大きいです。

その理由としては、北米の西海経由での内陸への鉄道輸送がパンク状態にあるからです。その為、海上輸送で東海岸まで海上輸送し、東から内陸には運ぶ流れになっています。

弊社でも8月は北米向けのスペースが割と取れていた方なのですが、9月はスペースが取りにくくなってきました。現在船会社と交渉中ですが、何とか頑張ってスペース確保をしていきたいと思っています。

中国-北米向けピークシーズン

中国から北米向けへの輸送は 通常9月〜10月1日の国慶節前まで、クリスマス商戦物流が本格的になります。

中国のサプライヤーとしても国慶節前に貨物を出し切りたい、クリスマス商戦に間に合わせたいので、9月の物量はとても多く、国際物流もヤマ場を迎えると私は予想しています。

インド – カラチ港向けのスペースがない

その他にインドのカラチ向けへの海上輸送に変化が見られました。8月末からカラチ向けの問い合わせが増えてきており、海上運賃やスペースの確認したら、多くの船会社で9月の利用可能なスペースはゼロとのことでした。

普段使っている船会社で何とかスペース確保出来たとしても、海上運賃が倍の価格だったんです。

アフガニスタンの影響か?

なぜインドのカラチ向けでスペースがないのか?もしかしたらアフガニスタンが影響があるかもしれません。先日のラジオ放送でもアフガニスタンの物流についてお話をしましたが、インドからの輸送ルートとしては以下になります。

1. インド:カラチ港
2. イラン:Bandar-e ʿAbbās港
3. アフガニスタン:カブール

詳しくはこちらの音声をお聞きください。

今後どうなる!?アフガニスタンの物流について。

アフガニスタンの現状を考えると船会社も、カラチ港にコンテナを集めたくないのかもしれません。

まとめ

北米向けのクリスマス物流が本格化していきますので、9月には中国により多くのコンテナが集まっていくでしょう。その為、各地でコンテナ不足、スペース不足などが懸念されます。

この9月にピークを迎え、その後は混乱の調整をしていくことになると思います。その他、世界情勢も日々変化していきますので常に物流情報をアップデートしていく必要があります。