どうもこんにちは、飯野です。
本日は3月16日付の海事新聞の記事から、「ONE、1万3,700TEU型のコンテナ船を10隻発注」についてお話していきたいと思います。
2023年3月16日イーノさんの物流ラジオ
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ONE、自社保有船増加
オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)は15日、環境負荷低減技術を導入した1万3,700TEU超の大型コンテナ船10隻を発注したと発表しました。
昨年も環境対応型の最新鋭のコンテナ船10隻を発注しており、ONEは環境戦略にのっとった船舶投資に力を入れています。
環境負荷低減技術の導入
今回発注した10隻はメタノールやアンモニアなどの代替燃料に対応し、船首部には風圧抵抗を低減するバウカバーをはじめとする多様な環境負荷低減技術を導入しています。
加えて、造船所や機械メーカーなどとも協議し、船上CO2回収・貯留システム(OCCS)の竣工時の実装を目指す方針とのことです。
ONE、船舶分野への投資
ONEは昨年3月に公表した中期戦略で、2030年度までに船舶やターミナル、デジタル化に200億ドル以上(約2兆6千万円)の投資を行っていくことを明らかにしていました。
中でも、船舶分野には投資額の半分以上を充当する方針です。
今回の発注も同戦略に基づくもので、最新鋭の新造コンテナ船を安定的に投入していくことで、船隊の強化を図るとともに、効率的で信頼性の高いサプライチェーンの維持などのニーズに対応します。
グリーン戦略推進
環境に優しい資産・技術に対して継続的に投資を行うことで、経営の最重要課題として位置付けるグリーン戦略を推進していきます。
今回の新造発注により、ONEが発足してから自ら発注し保有する自社船舶は20隻になる模様です。
自社保有船と傭船
マーケットの好景気で2022年度が最も収益が高いタイミングです。
船腹数が増加してはいますが、最新の船で自社の船というのがポイントではないでしょうか。
これまでは船会社の多くは傭船をしていました。
以前は傭船率が70%ほどでしたが、昨今では50-60%までに下がり、自社保有率が増えてきました。
自社保有率の増加
自社船比率が上昇するということは、不況時に船会社自身が自社船を処分することで長期契約船のリスク回避することができます。
リーマン・ショック以降、割高な傭船料の船舶を解約できず、累積赤字が数百億円規模まで拡大し、複数の中堅の運航船社が倒産した経緯があります。
よって海運関係者の中には、「海運不況に直面しても、定期用船はすぐに解約できないが、自社保有船なら処分が可能。赤字幅もコントロールできる」という認識があります。
北米の景気後退による海運不況
船会社の財務状況もかなり改善してきており、自社保有率が増えてきているということから、北米の景気後退による海運不況もコントロールできるのかもしれません。
今回のONEの投資は、タイミングとしても投資しやすいタイミングではないかと思います。
ONEの方針は、Maerskとは違って総合輸送ではなく、船での輸送に重点を置いています。
その戦略が今回の船の投資に繋がっているのではないでしょうか。
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