旧正月明けのコンテナ不足の影響の現状
ネコ先輩ネコ先輩

旧正月明けのコンテナ不足の影響の現状について!!

旧正月明けのコンテナ不足の影響の現状について動画で解説

カモメ先輩カモメ先輩

9分13秒の動画やで!

どうもこんにちは飯野です。

今回は中国の旧正月明けの、コンテナ不足の現状についてお話をしていこうと思います。

2月中旬以降に旧正月が明けて、まだ1ヶ月も立っていないので 統計的なデータがまだ出ていません。

なので あくまで私の主観が強い内容になりますが、参考になれば幸いです。

ではいってみましょう!

コンテナ不足の現状

昨年の11月頃にコンテナが足りないと、問題になり始めた時ですが
その時のコンテナ不足の問題解消は、中国の旧正月明けくらいかもと一部では言われていました。

その理由の一つとしては、中国のコンテナ製造会社に発注していたコンテナが納品されるのが、大体 旧正月明けと言われていたからです。

では実際のところはどうなのでしょうか?

残念ながら現状は全く改善していません。

相変わらずアジアではコンテナが足りない、船のスペースが取れないといった問題が継続して発生しています。

じゃあ、いったいコンテナはどこにあるのよ?と思う人も多いでしょう。

以前の、コンテナ不足に関する動画でも説明をしましたが、コンテナは、アメリカやヨーロッパの内陸、港、そして海の上にあります。

なぜそんな所にあって、コンテナが戻ってこないのかは、以前の動画で詳しく解説していまして概要欄にリンクを貼っておきますので是非みて見てください。

海上輸送の市況

では前回からの進捗はないのか?と思われる方のために、市況をもう少し詳しく解説します。

まず海上運賃ですが、昨年の11月以降からものすごい勢いで上がっていました。

統計がこのように出ているので見ていただきたいのですが、今年の1月時点ではまだ上昇しています。

気になる方は動画を止めてじっくりと見てください。

しかし、中国の旧正月が明けた3月現在。

まだ統計データは出ていなくって、弊社がとっている海上運賃の情報になりますが
タイからアメリカの西海岸、東海岸向けは少し下がっております。

一旦はピークを超えたという感じでしょうか。

ではアジア・東南アジアではどうかというと、タイにある弊社の数字ですが、まだ海上運賃は少しずつ上がっています。

これはなぜか?というと、タイに限定的な話になるんですが

3月、4月はドリアンの輸送シーズンなのです。
更に4月中旬はタイの旧正月です。

毎年本当に沢山のドリアンがタイから中国にリーファーコンテナで送られます。

船会社もドリアンの輸送にコンテナや船のスペースを優先させますし、旧正月前という長期連休の駆け込み輸出の増加もあるので
タイからの輸出は相変わらずスペースが取りにくい状況です。

ここで改めてなのですが、このコンテナ不足の問題で 、具体的にどのように物流が混乱しているかも説明させてください。

スケジュールの乱れ

現在の問題のポイントは、海上運賃の上昇も、もちろん大きな問題なのですが

「スケジュールが全く読めない」というのも実は大きな問題なのです。

なぜスケジュールが全く読めないのか??この要因はコンテナ船の

・ディレイ
・オミット
・ロールオーバー

です。

一つずつ解説していきます。

ディレイについて

まずディレイこれは船が予定しているスケジュールから遅れていることを表します。

なぜ船が遅れるのか?それは港の混雑が影響しています。

現在、各港では沢山の船が貨物を積んだまま、積み降ろす順番を待っている状況です。

この沖待ちの期間はアメリカのロングビーチだと1週間以上であったり、アジアのハブであるシンガポールでも5日以上待つこともあります。

なんで港が混雑しているかは以前の動画で解説しているのでそちらをご確認ください。

この港の混雑が原因で船の2−3日の遅れは当たり前で、1週間近く遅れるケースもあります。

オミットについて

では船会社はこの遅れを解消するために何をするのでしょうか?

次のキーワードのオミット抜港です。

コンテナ船は決められた航路に複数の寄港する港があって、そこでコンテナを積み込み、積み下ろしをして航海をしていきます。

そしてスケジュールを早めるためにこの港には寄らないで、次の港にいこうと抜港がいきなり決定されます。

現場で対応している私たちからすると、抜港の連絡が来て、お客様に「抜港になりました。。次の週の船に乗せることなります」とお伝えしなければいけません。

貨物のローディングの1、2週間前に連絡があればまだマシですが、貨物が積み終わって港に入ってから抜港の連絡もあったりします。

ロールオーバーについて

そして最後にロールオーバー。日本語でいうとコンテナの積み残しです。

現在、船会社はオーバーブッキングをしています。

オーバーブッキングというのは100%でフルスペースの状態だけれども、ブッキングを受け付ける時に例えば120%くらいまで予約を受けます。

そこから荷主がキャンセルをしていって、これがもし110%くらいにしかならないと、オーバーした10%分はロールオーバーとして予定していた船に積み込まれません。

翌週の船に回されることになります。

そしてそれは混雑しまくった経由港だと更に大変なことになっています。

現在 どれくらいロールオーバーされているかというと

シンガポールやマレーシアのポートクランのような経由港だと40〜50%。
韓国のBusanや中国のShanghai港でも30%くらいです。

このように港によっては、半分から3分の1のコンテナが港に積み残しをされるということです。

このディレイ、オミット、ロールオーバーですが単発で発生する分にはまだマシです。

実際のところはロールオーバーされて、翌週の船がオミットというコンボを受けたりします。

それが経由便であれば、経由地で次の接続船でのロールオーバーも普通にありえます。

こうなると荷主にとっては2週も3週も遅れてしまうわけです。

現場でできる対応

私もたまに「工場が止まってしまうから何とかしてくれ!」と強烈なプレッシャーを受ける時がありますが、出来ることは船会社の営業マンに「頼むからこのコンテナだけはロールオーバーしないで!」と依頼することだけです。

オミット(抜港)は船会社の営業マンがコントロール出来ることではありませんし。

ロールオーバーもどこまでコントロールできるかは船のキャパシティーもありますので、必ず何とかなるというものではありません。

このように海上輸送のスケジュールが正常な状態ではないので、私たちがお客様にお願いしたいことは、可能な限り在庫を持って頂くことです。

もちろん保管スペースや倉庫費用などの問題があるというのは十分に理解しております。

ですがこのようにスケジュールが安定していない、またコントロールすることが難しい状況なので、何を優先するかだと個人的には思います。

コンテナ不足はいつまで?

では、イーノさん、状況は分かったと。

そしたら今度はいつになったらこの状況は改善されるの?という質問が飛んでくると思います。

これが分かれば苦労しないのですが、コロナのワクチンが流通して、アメリカやヨーロッパの港が正常に動き始めるのは早くて6月末くらいでしょうか。

地域によってはそれ以上かかる可能性も十分にあります。

ある機関によると今年いっぱいかかるという見方もあります。

例えば、先日 アメリカのバイデン政権で約200兆円の経済対策法案が可決されました。

これにより高所得者以外の国民に約15万円が給付されます。

これがサービスではなく商品の消費につながると、また中国からアメリカに貨物がドーンと渡ることになり、西海岸のロサンゼルスやロングビーチ港にコンテナが滞留する可能性がありますし、更なるコンテナ不足になる可能性もあります。

「本当にどうなるか読めない」というのが私の個人的な感想です。

まとめ

では今回のお話をまとめましょう。

中国の旧正月明けにはコンテナ不足の問題は解消するのでは?という見通しは外れて、今もまだ国際物流の混乱は解消していません。

旧正月明けの海上運賃の統計はまだ出ていないのですが、タイにある弊社の数字では、アメリカ向けの運賃は収まってきてピークを超えた感じですが、アジア向けはまだ微妙に上がっています。

タイからだと3月、4月はドリアンやソンクラーン前ということもあり、更にスペースが取りにくい状況が続いております。

アジアでは船のディレイ、オミット、ロールオーバーが多発しており、スケジュールが全く読めない状況が続いています。

私たちフォワーダーや船会社のいち営業マンがコントロール出来ることではないので

出来ることとしたら、お客様に現状を理解してもらうことと、可能であれば在庫を持ってもらうことです。

この状況がいつまで続くかは正直分かりません。早くて6月末かもしれませんし、何か他の要因で今年の年末まで続くかもしれません。

現在 私に出来ることは国際物流の現状をお伝えして、お客様に理解をして頂き、

コントール出来ないことばかりに目を向けるのではなく、自社のコントロール出来ることに注力を注いで頂きたいと思っております。

引き続き情報を更新していきますので、何卒宜しくお願い致します。

今回のお話は以上です。ありがとうございました!


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飯野飯野

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