インコタームズの基礎!最も頻度の高い6つの取引条件 – EXW / FOB / CFR / CIF / DAP /DDP
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動画で学ぶインコタームズの基礎!

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今回はインコタームズ についてとにかく分かりやすく、簡単に理解できるように解説していきたいと思います。
インコタームズはCFRやFOB など英単語3文字で表現される貿易の取引条件なんですが何と11種類もあります。

11 種類のインコタームズ を覚えるのって大変ですよね。

でも安心して下さい。初心者の方はまず頻繁に使う6個だけを覚えましょう。他のものは基本の6個を覚えてからでも大丈夫です。

インコタームズとは?

まず インコタームズ とは何でしょうか?これを理解しないといけません。

インコタームズ とは貿易取引において「売り手」と「買い手」で誰がどこからどこまでの「運賃を支払うのか」、「貨物の責任を取るのか」この2点を明確にした取り決めだと理解してください。

国際貿易においては様々な工程を経て貨物が輸送されます。

この各工程においてのお金の支払いの範囲や、貨物の引き渡しのタイミングは、インコタームズによって取り決められているのです。

もし貨物トラブルがあった時に、誰がどこからどこまでの責任を取るのかが明確でないと、他国との貿易取引が難しくなります。

その為には国際的なルールに基づいて、売り手と買い手が取引をしなければいけません。

6つの主要インコタームズ

今回ご説明するのは、貿易取引で頻繁に使われる6個のインコタームズです。

・EXW
・FOB
・CFR
・CIF
・DAP
・DDP

この6個です。

それでは1つずつ解説していきましょう。

Ex-Works(EXW)

まず最初はEXWです。

EXWは エクスワークスとも呼ばれ、日本語では「出荷工場渡し」という意味です。

輸出先の工場で売り手から書いてに貨物が引き渡されます。輸送費用の支払いも、工場から送り先まで、買い手である輸入者が支払う事になります。

工場で生産し終わった貨物をコンテナに積み込み完了した時点で、貨物の責任は買い手移ります。なので売り手からしたらもっとも楽な取引条件と言えるでしょう。

FOB (Free on Board)

次にFOBです。

FOBはフリーオンボードの略で日本語では「本船甲板渡し」という意味です。

FOBでは輸出側で貨物が船に乗ってから、貨物の責任が売り手から買い手に渡る取引条件になります。輸出側の国内費用は売り手が負担します。

そして買い手は海上運賃から、貨物を輸入して配送先までにかかる諸々の費用を負担する取引条件です。

CFR (Cost and Freight)

次にCFRです。CFRはかねてより、Cost & Freight(C&F)と呼ばれておりましたが、CFRが正しい表現になります。

CFRでは、運賃は売り手が工場から輸入先の港につけるまで全ての費用負担します。
そして輸入した港から配送先の費用は輸入者が負担することになります。


CFRの貨物の責任の移動について説明する前に、CIFについても説明をしておきましょう。

CIFは先程のCFRと同じで、輸出する工場から、輸入先の港につけるまでの全ての費用を売り手が負担します。

CFRとCIFの違いは保険です。CIFのIはInsuranceのIの事です。売り手は輸送における貨物保険も手配しなければいけません。

ここでCFRとCIFの費用と貨物の責任について説明します。CFRとCIFの費用負担は輸出者が工場から貨物の輸入先までの費用を負担します。

しかし貨物の責任・引き渡しについてはFOBと同じで輸出国の港で、船の甲板に貨物が乗った時点で輸入者に移ることになります。

ここは間違いやすいので注意しましょう。

保険についても少しお話をしておきましょう。国際輸送においてはコンテナに乗った貨物がクレーンにつられ、船で揺られ、長い航海を経て輸入先まで届けられます。

またコンテナ船では、他のコンテナで危険品も運ばれています。危険品が燃えて他のコンテナに火が燃え移るという話は稀に聞きます。

貨物保険に入っていないと残念ですが誰も保証をしてくれません。

保険に入っておく事で安心感が全く違います。本当に何が起こるか分からないのが国際物流です。
私たちとしてはお客様には毎回貨物保険に入る事を強くお勧めしています。

DAP(Delivery At Place)

それではインコタームズに戻りましょう。

5つ目はDAPです。

DAPは「売り手」が、買い手の指定した届け先までの運賃と責任を負担する取引条件です。

いわゆるDoor to Doorでの取引条件の事です。

Delivery Duty Paid

合わせてDDPも見てみましょう。

DDPもDAPと同様で「売り手」が輸出する工場から輸入先の指定された届け先までの物流を手配します。
貨物の責任や輸送費用も指定先へ届けられるまで、輸出者である「売り手」にあるのが特徴です。

DAPとDDPの違いは、輸入する時の税金の支払いを輸出者か輸入者のどちらで払うかの違いになります。

DAPでは輸入の関税・消費税は輸入者が支払います。

一方でDDPでは輸入の関税・消費税も輸出者である売り手が支払います。

DDPでは税金を含めた輸送の全ての手配と費用を売り手が対応してくれるのです。

コスト負担と費用負担について おさらい

ここで、インコタームズの費用と責任についておさらいをしてみましょう。

EXWでは輸入者が工場から貨物をピックアップして配送先までの全ての輸送費用と責任を負担する取引条件でした。

FOBでは輸出者が港で船に乗せるまでの国内費用と責任を負担し、そして輸入者が海上運賃を含めた輸入地までの全ての費用と責任を負担します。

そしてCFRとCIFでは、輸出者は輸入先の港までの全ての費用を負担します。輸入者は輸入してから届け先までの国内の費用を負担します。

そして注意すべきは貨物の責任の切り替わり場所です。これはFOBと同じで輸出側の港の船の甲板で売り手から買い手に引き渡される事になります。

最後にDAPとDDPでは輸出者が届け先までの全ての輸送費用を負担しました。DAPは税金は輸入者が負担しますが、DDPでは税金も輸出者が負担します。

費用負担に関して一覧にするとこのようになります。

そして貨物の責任負担に関して一覧するとこのようになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。インコタームズで頻繁に使われるのがこの6つとなります。

全ての取引条件において売り手と買い手のお互いの同意がベースにあります。

もしあなたがメーカーや商社だとしたらどの取引条件が自社の物流にとってメリットがあるのか。貿易条件の内容をしっかりと理解して相手に提案をしましょう。

もしあなたがフォワーダーだとしたら今回説明した貿易条件をしっかりと理解して、あなたのお客様に提案が出来るようになりましょう。

一度理解してしまえばそれほど難しいことではありません。頑張ってください。

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飯野飯野

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