インコタームズのFOB/FCAについて
動画でFOBとFCAを解説!
4分26秒の動画解説やで!
今回は輸出者、輸入者のそれぞれの立場からインコタームズのFOBについて見ていく事にしましょう。
FOBのリスク・費用負担について
貿易取引において重要なのはリスク管理とコストです。
例えば、もし貿易に慣れている弊社が輸入をする場合、頻繁に貨物手配をしている国からだとFOB、そうでない場合はCFRを使います。
なぜなら貿易の実務では経験則に基づいての使い分けが非常に大切だからです。
今回は得意・不得意という観点からもFOBについて説明をしていきたいと思います。
まず用語の解説です。FOBは日本語では本船渡し条件、または甲板渡し条件とも言います。
輸出地の港に停泊する船の甲板において費用や危険負担の責任が移転する取引条件のことです。
FOBは英語のFree On Board の略称でこの場合のBoardは船の甲板を指します。なのでFOBとは船の甲板において、輸出者が責任から自由になる、責任が輸入者に移転する、という意味になります。
そしてInvoiceなどの書類では、「FOB TOKYO」のように、FOBの後には輸出先の港の名前が表記されます。
「FOB TOKYO」であれば、「輸出港において、東京港に向かう船の甲板を隔たりに、責任が輸出者から輸入者に移転しますよ」という意味になります。
輸出者側からみたFOB
輸出港の船上で責任が輸入者へと移転するので、輸出者にとってはリスクが比較的少なくなり、
輸入者にとってはEXWよりは責任範囲が狭いものの、一定以上の取引経験やリスクヘッジが求められる条件と言えるでしょう。
そして輸出者側から見たFOBですが FOBは輸出者側の物流手配については、国内のトラックや通関手配のみになります。
自国の港までの責任を持てば, その後の船や飛行機での輸送や, 輸入地での輸送は輸入者に委ねることができるので、輸出者側から見たら比較的責任負担の軽い取引条件だと言えます。
輸入者側からみたFOB
そして輸入者側から見たFOBは 特定の輸入国から頻繁に輸入しているのであれば、海上運賃の値下げ交渉をフォワーダーにする事が出来るのでFOB取引のメリットがあるでしょう。
一方で大量の貨物をCFRで輸出しているような会社との取引であれば、FOBではなくCFRなど取引条件を使う方が良いでしょう。
何事も取扱量が多く、慣れている方による手配の方がスムーズですしコストメリットもあります。
取引するフォワーダーの得意・不得意
ここで取引するフォワーダーがその輸出国からの物流に強いかどうかもポイントです。
先ほども説明しましたが、特定の国から頻繁に輸入をしているフォワーダーであれば選択肢も多いでしょうしスムーズな取引が出来ます。
そうでなければフォワーダーを変更したり、他の取引条件での交渉も検討した方が良いかもしれません。
例えば、弊社の場合。日本や中国からのタイへの輸入の取り扱いは多いので、それなりのメリットを持っています。しかしアフリカや南米からの輸入はほとんどないので、費用も安くなく 取り扱いも慣れていません。
この場合は弊社のお客様にはFOBではなく、輸出地側でCFRの方がメリットがあるかもしれないという事で、お客様によりメリットのある方を提案しています。
FOBとFCAの違い
ここでFOBと合わせて覚えておきたい、FCAについてもご説明をしておきます。
FOBは説明してきたように費用負担とリスク負担が本船に乗った時に売り手から買い手に移ります。
そしてFCAでは、費用負担やリスク負担は貨物が本船に乗る前の、指定された場所で売り手から買い手に移ります。これはCYであったり、特定の倉庫であったりします。
FOBに比べて、FCAでは港などでのリスク負担がポイントと言えるでしょう。
コンテナターミナルでの荷役やターミナルで事故や災害があった時、FCAであればリスクは輸入者に移っていますので輸出側にとっては、よりリスクが少ない条件になります。
まとめ
今回はFOBについて詳しく見てきました。FOB条件は輸出港に停泊する船の甲板上で責任が移転します。
輸出者、輸入者どちらの立場の場合でも、見積もりや取引にあたってFOB条件について正確に理解しておくことは重要です。
FOB条件での取引を考える際はそのメリットやリスクについて十分に検討した上で契約を結びましょう。
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