どうもこんにちは飯野です。今日もイーノさんの物流ラジオを始めていきたいと思います。
今日のテーマは韓国の船会社HMMの賃金交渉が妥結したというニュースについてのお話です。
韓国のHMMで労働組合が労働環境の改善と賃金アップを訴え、ストライキの賛否投票をしたところ組合員から92%の賛成投票がありました。
もし要求が受け入れられなかったら組合側では船員が釜山港で全員降りてストをするとのことでした。
しかし、9月1日の午後から始まった交渉は18時間もの時間を要し、会社側と労働組合で交渉を妥結することになります。
2021年9月3日イーノさんの物流ラジオ
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当初の提案と要求
【会社側の提案】
・賃金アップ:8%
・激励金+生産報奨金:5ヶ月分
【労働組合側の要求】
・賃金アップ:25%
・成果金:12ヶ月
【交渉の妥結内容】
・賃金アップ:7.9%
・成果金:6.5ヶ月
これを見る限りはかなり会社の提案よりな妥結です。
HMM会社の提案に近い妥結
この労働交渉に関連して、MSCというスイスの船会社が労働者側に2.5倍の賃金でオファーをしていて、8月22日時点で317人が離職したという情報がありました。
そういう状況にもあるにも関わらず、会社の当初の提示に近い形でまとめたHMMは凄いなという印象です。とにかくストを回避できたということで、これ以上の物流混乱にならなくて安心をしております。
Kアライアンス発足
そして関連ニュースです。9月1日に韓国の船会社5社で「Kアライアンス」を組むというニュースがありました。この5社の船会社は、HMM、SM商船、チャングム商船、パンオーシャン、フアン海運。全て韓国の船会社です。
アライアンスとは
そして船会社のアライアンスとは、簡単にいうと複数の船社による共同配船です。コンテナ船1隻を作るのには莫大な費用がかかり、1社だけで世界各地への航路網を広げるのは非常に困難です。
特に大型船の運行がポイントです。1隻で2万TEUものコンテナを輸送出来る大型船では、複数の船会社がコンテナスペースを共有する方が、効率的にスペースが埋められます。
更に重複航路がある場合、各社での出血競争を避けることが出来きます。
長距離航路でもメリットがあります。中堅船会社では長距離航路に対しては充実したサービスが提供が難しいですが、HMMは世界第8位の船会社です。
HMMと共同運行をすることで、その他の4社も各社顧客に長距離航路への安定サービスが提供出来るというメリットがあるのです。
このKアライアンスの実施日は2022年の第2四半期からになります。
まとめ
HMMは労働組合をまとめたり、来年以降の戦略も組み立てました。
船員の補充やアライアンスの調整などはあるかもしれませんが、今後のHMMの躍進が始まるかもしれません。同社の今後の動きに注目です。
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