色々な貿易取引について!
色々な貿易取引について動画で解説
7分59秒の動画やで!
どうもこんにちは、飯野です。
今回は色々な種類の貿易取引についてお話をしていきたいと思います。
海外に商品を売る、海外から商品を仕入れるという貿易取引ですが、実際には色んな形での取引が存在しています。
私も日頃の実務では今回ご説明するような色んな貿易の物流に携わることがあります。また過去に商社としてでも複数の貿易取引を経験してきましたので、それらも交えてご説明をしていきたいと思います。
ではいってみましょう。
直接貿易
まず最初にご紹介するのは直接貿易です。
直接貿易とは輸出入国の両方の流通業者・小売業者・製造業者が直接 取引をすることです。商社などを使わずに生産国側の会社と価格や条件などを交渉し、直接取引をするので中間マージンが入っていない取引になります。
中間マージンが乗っていないから、一番いいじゃないか!と思われるかもしれませんが、貿易経験のない人や会社が直接貿易をするとリスクが高いです。
別の動画でも説明したように、代金の支払い、商品の発送などの信用リスクや、言葉、商習慣による違いで間違いが起きる可能性も高いので注意が必要です。
D2Cについて
ちなみにですが、最近の流行りのビジネスモデルの一つで、D2Cというものがあります。
D2CはDirect to Consumerのことで、自ら企画した商品を 商社や広告代理店などを使わずに消費者に直接届けるものです。
私も個人的にこのD2Cをしている会社さんのお手伝いをしていて、タイのマンゴーを日本に輸送し、日本各地の実店舗でマンゴージュースを提供しています。
私がタイでマンゴーの加工工場との取引と、日本までの国際輸送をお手伝いしているので、日本にいながらも圧倒的にリーズナブルな価格で本場のフレッシュマンゴージュースを飲むことが出来ます。
そのマンゴージュース屋さんの詳細は概要欄にリンクを貼っておきますので、ご興味がありましたら一度 見てみて下さい。
間接貿易
続きまして、間接貿易をご紹介しましょう。
間接貿易とは商社など、間に仲介者を使って取引をする方法です。
商社は各国にネットワークを持ち、貿易取引に精通しているので商社が入る分のコストは上がりますが、貿易の専門家が間に入ることのメリットもあります。
間接貿易のメリットにはこれらのようなものがあります。
・外国の商習慣や貿易制度に関して詳しい
・交渉に必要な語学力がある
・小規模の取引の場合は価格メリットがある
・小ロットからも仕入れることが出来る
・納期や品質も商社を通すと調整をしてくれる
・物流も上手くコントロールしてくれる
貿易に精通している商社を使うことでリスクを下げるだけでなく、小ロットでも対応可能というのは条件によっては大きなメリットだと思います。
これらのメリットと自社で出来ることをしっかりと検討をして、商社を上手く活用することも重要だと思います。
並行輸入
次に並行輸入です。
既に国内で販売代理店契約がされている海外のブランドであったとしても、そのブランドの名声、信用、商標を損なわず、不利益を与えないことを条件に代理店の権利者を通さずに輸入販売することです。
この平行輸入で大切なのは、商品が模造品(コピー品)でなく、真正品ということです。
私自身も約15年前に並行輸入をしていた経験があります。
アメリカやカナダのブランドの商品で、日本に正規代理店がありましたが、現地から直接買い付けて、インターネットを使って販売をしていました。
既にブランドの知名度があり、売りやすいというのが並行輸入のメリットです。
並行輸入をする場合に気をつけないといけないのがコピー品の取り扱いです。
特にアパレルなどの場合は、取り扱うブランドが本物か偽物かの真偽が分かりにくく、税関で本物であることの証明を要求されることがあります。
この点についてはノウハウがないと、知らずにコピー品を扱うことになり、税関で止められて通関が通らないこともありますので、ご注意ください。
仲介貿易・3国間貿易
そして仲介貿易です。
仲介貿易は海外の輸出者と輸入者を第三国である国の会社が仲介する取引です。これは3国間貿易とも呼ばれます。
取引自体は仲介者が生産国の会社から仕入れをして、販売先の国に仲介者が販売します。しかし、製品自体は生産国から直接 販売国に送られることで、余計な輸送コストを抑えることが出来ます。
この仲介貿易、3国間貿易ではInvoice, Packing list、B/Lの書き方が少し複雑になります。これらについては別の動画で詳しく解説していますので、そちらをご確認下さい。
委託加工貿易
他には委託加工貿易というものもあります。
委託加工貿易は海外の工場に原材料や部品などを提供し、加工や組み立てさせて、完成した商品を輸入する形態のことをいいます。
わざわざ原材料を送って、他国で加工・組み立てをする理由は主に人件費です。高い輸送費を払ってでも他国で加工・組み立てをする方が安い場合があるのです。
委託加工貿易で重要なのは工場が保税地域にあることや、タイだとBOIという制度を使ったり、輸入税の還付制度を使ったりして、原材料に輸入関税がかからないようにしている事です。
原材料に関税がかかってしまうと、それだけでコストアップにつながり、他国で加工するメリットが薄くなってしまうので、注意しなければいけないポイントです。
OEM輸入
そしてOEM輸入も忘れてはいけません。
OEMとは海外のメーカーが独自の仕様に基づいて製造した製品に、外見に少し変更を加えたり、自社のブランドやロゴをつけたりして自社製品として輸入するものです。
海外にはこのようなOEM製造をしてくれるメーカーは沢山あります。
中国だと精算ロットは数百、数千からと多いことが一般的ですが、タイだと精算ロットが小さくても対応してくれる会社もあります。
自分のブランドの商品をもって販売をしていきたい場合に、割と簡単に始められるのが特徴です。
開発輸入
最後に開発輸入です。
開発輸入には2つあり、1つが鉱業資源や農水産資源の開発輸入です。これは先進国が資本や技術を開発途上国に投下して、鉱業資源や農水産資源を開発しそれを輸入するものです。
そしてもう一つが、流通業者による委託生産としての開発輸入です。
外国製品をそのまま輸入すると、サイズや規格、デザインテイスト、趣味趣向が違う場合がありますよね。それを輸入する国に合う形に仕様や規格を変えたりしてから輸入します。
OEMとの違いは、OEMは製品の主な仕様は海外のメーカーのものを使い、主にロゴやブランド名だけを変えますが、開発輸入では主たる仕様を考案し、別の商品として開発輸入をするものです。
まとめ
それでは本日のお話をまとめましょう。
貿易取引には様々なものがあります。直接貿易、間接貿易、並行輸入、仲介貿易、委託加工貿易、OEM輸入、開発輸入など。
それぞれの貿易にはメリットと注意点がありました。
勉強して貿易に詳しくなると、どの形の貿易取引スタイルが自社に合っているかを理解し、それぞれの貿易取引のメリットを使いこなせるようになります。
今流行りのD2Cは少しレベルが高いものになりますが、その分ライバルも少なくなり高い収益が見込めるものになります。
これからも貿易について学び、実践をしていきましょう。
今回のお話は以上になります。ありがとうございました!
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