今回はAir Waybill(エアウェイビル)について見ていきましょう。
Air Waybillとは航空貨物の輸送の際に発行するものですが、しっかりと見てみると色々な役割があり情報が記載されています。
これから航空貨物の輸送を手がける方にぜひ知っておいて欲しいAir Waybillの知識を紹介してきたいと思います。
Air Waybillについて動画で解説
動画で一緒に学んでみよう!
Air Waybill(AWB)とは
Air Waybillとは航空貨物を輸送するときに必要な書類です。航空貨物の運送契約書のことです。
航空貨物を運送する際、荷送人と運送人との間で貨物の運送契約が締結されたことを示している書類です。
船荷証券(Bill of Lading、以下B/L)と同じ働きをするよ!
書くときにはAir WaybillではなくAWBと省略して書くが一般的な。
有価証券ではない
Air WaybillはB/Lとは違い有価証券ではありません。なので貨物を引き取る際に必要ありません。また貨物を譲渡する際に使用したり、担保にすることも出来ません。
有価証券でないので輸入で税関に申告する際はオリジナルではなくコピーを使用します。
フォームは決まっており、IATA(国際航空運送協会)の規定フォームを使いますので、どこの業者でも同じものになります。
AWB 番号について
貨物の問い合わせなどは全てAWBナンバーで管理されています。AWBナンバーはAWBの左上の端と右下の端に記載されています。
フォワーダーに貨物状況など問い合わせる際には、AWBナンバーがわかれば話が早いので覚えておきましょう。
AWBの役割
Air Waybillは航空貨物にとって必要な書類と紹介しましたが、運送契約だけでなく色々な書類を兼ねています。
以下にどのような用途で使われているのか列挙していきます。
・運送契約の証拠
・貨物の受領書
・運賃の請求書
・航空会社への貨物取扱の指示書
・貨物引き渡しの指示書
このように、実は沢山の役割があります。
航空貨物では、タイムリーに貨物を動かすことが優先され、1つの書類で色々な用途に使えるように記載するのです。
AWBの種類
次にAir Waybillの種類について説明します。Air Waybillには2種類あります。
MAWB(Master Air Waybill)とHAWB(House Air Waybill)です。マスターとハウスについては海上輸送のB/Lにもあり、より深く理解する為にリンクを貼っておきます。
海上輸出を手配するときに一般的にフォワーダーにBookingをします。 その取り扱いの際にB/L(船積証券)を発行することになるのですが、お客様はハウスB/LかマスターB/Lのどちらか使用する事を選ぶことが出来ます。 ハ …
MAWBとは
MAWBは航空会社が発行するものです。一般的にはお客様がこのMAWBを目にする機会はありません。
輸出側と輸入側のフォワーダーがShipper/Consigneeとして航空会社から発行されます。
HAWBとは
一方でHAWBはフォワーダーや混載業者が発行するものです。普段お客様が目にしているAWBは主にこのHAWBです。
HAWBはMAWBとセットになってるよ!
フォワーダーが貨物のお客様ごとにHAWBを発行しそれをまとめてフォワーダーの貨物として航空会社に予約し、MAWBとして発行されるのです。
ストレートAWB
MAWBだけを発行することも可能です。それをストレートAWBと呼んでいます。またシングルAWBともよばれ、直接航空会社に予約してHAWBを発行しない場合に使用されます。
そやけどHAWBを発行するものがほとんどやけどな。
航空運賃を安くするためには、いろいろな貨物をうまく組みあわせて、運賃効率を上げることがフォワーダーの役目だからです。
AWBの注意事項
航空貨物の貨物引き渡しにおけるリスク管理についてもみてみましょう。
海上輸送でのリスク管理の例
まず海上輸送での例でご説明します。
B/Lではオリジナルが3部発行され、輸出地でサレンダーされたり、輸入地で回収されると貨物が引き取れるようになります。
それではないSea WaybillはAir Waybillのようにオリジナルが必要なく、コピーで貨物の引き取りなどが可能になっています。
信用状取引や取引の入金後に貨物を引き渡す場合は、輸出者と輸入者が親子会社の関係であったり、取引実績が長い場合を除いて一般的にSea Waybillは使用しません。
オリジナルを使用し、取引状況にあわせてB/Lを引き渡しします。
海上輸送のB/Lに関する記事も併せて読んでね!
貿易事務や実務で覚えなければいけない書類の代名詞である「B/L」。貿易においてB/L(船荷証券)は非常に重要な役割を持ちます。今回はB/Lの役割について出来るだけ分かりやすく解説をしていきたいと思います。
航空貨物のリスク管理
航空貨物では、信用状取引の場合などはどうするのでしょうか?
Air Waybillのオリジナルを持っていても、B/Lのように拘束力がないため貨物は引き取りが出来てしまいます。
そやし荷受人に銀行を記載するのが一般的なんや!
実際に銀行に配達されるわけではありませんので、航空輸送の場合の信用状取引ではこのような方法となります。
航空貨物の流れ
フォワーダーからみた貨物の流れを見てみましょう。
HAWBとMAWBが発行され、到着地まで行く流れとなっています。
①シッパーが貨物をフォワーダーに渡す
②フォワーダーが検量、梱包などをする
③フォワーダーが航空会社にブッキング
④輸出通関
⑤HAWBが発行される
⑥MAWBが発行される
⑦他の混載貨物とULD(航空機に載せる箱のような機材です)に組まれる
⑧航空会社に貨物とともにMAWBを渡し、HAWBを預ける
⑨フライト
⑩到着
⑪航空会社から貨物とともにMAWB、HAWBを貰う
⑫他の混載貨物とブレークされる
⑬輸入通関
⑭配達
多少都合により前後する場合がありますが、一般的にはこのような流れになります。
AWBの記載事項、見方について
最後にAirWaybillには具体的にどのようなことが書かれているのか、実際に取引に使われたAWBをもとに記載内容をご紹介します。
・HAWB番号
・MAWB番号
・シッパーの氏名、住所
・コンサイニーの氏名、住所、電話番号
・運送状発行会社名と住所
・発地空港
・経由地空港、航空会社名、便名
・宛先都市名、空港名、便名
・貨物取扱上の注意事項、危険品の場合は所定の文言
・通貨、運賃支払い元
・個数、重量、運賃適用重量、適用運賃KG当たり
・貨物の明細、原産国
・元払い運賃合計、着払い運賃合計
・その他の料金
・AWB発行年月日、発行場所
まとめ
いかがでしたでしょうか。
海上輸送のB/Lと合わせて学ぶ方が理解もしやすいと思いますので合わせて記事を読んでみて下さい。
航空貨物の流れとAir Waybillの記載内容を理解すると、お客様に対して的確にアドバイスをすることが出来るのでしっかりと内容を抑えましょう。
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