インドネシア石炭輸出禁止!海運市況への影響、中国への影響は?

どうもこんにちは、飯野です。

今日は、「インドネシアの石炭輸出禁止が与える海運への影響」というテーマでお話していきたいと思います。

2022年1月7日イーノさんの物流ラジオ

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インドネシア「石炭禁輸」

今、インドネシアで石炭の輸出禁止が発表されて話題になっていますが、これは1月1日から31日までの約1カ月間の輸出禁止です。

今回の「石炭禁輸」の背景には、インドネシア国内の電力事情がひっ迫しており、深刻な停電が引き起こされかねない状況があります。このため政府は石炭会社に対して、輸出用の石炭を国内に回すことを求め、輸出禁止へとつながりました。

インドネシア大統領は今回の輸出禁止に従わない石炭会社に対しては、事業許可取り消しを含む厳しい強制的措置を取っています。

世界最大石炭輸出国インドネシア、最大輸出相手国は中国

インドネシアは世界最大の石炭輸出国で、年間4億5,000万トンの石炭生産量のうち、2,900万トンを輸出しています。最大の輸出相手国は中国で約32%を輸出、他には、インド、フィリピン、マレーシア、韓国、日本に輸出しています。

インドネシアの石炭会社協会は「事前に業界との協議なしでいきなり決められたもの」とし、「輸出禁止措置の即時撤回」を求めています。

昨日の報道で、生産者団体と政府が1月5日に予定していた会合が延期されたと伝えています。

インドネシアの沖合では、既に石炭を積み込んだ何隻かの船が、輸出禁止措置が解除されるかどうかを待ちながら停泊を続けている状態です。延期の理由や、新たな会合の日時は明らかにされていないと記事にあります。

中国への影響は?

個人的には、この輸出禁止が中国にどう影響を与えるかが注目ポイントかと思います。

今日の海事新聞ではバルカー船の市況が上がっていると報道がありました。

コンテナ船に関して言えば、去年の10月国慶節前に中国の電力不足でスポット運賃が急落。この急落は休み前に製造が追いつけず、事前のキャンセルが続出したため引き起こされました。

この時は中国国内でも石炭の採掘量を絞っていましたが、国内で電力不足が続くと問題ということで、石炭の確保を再開して11月くらいに電力不足は落ち着きました。

しかし今、冬になり、暖房で電力需要が伸びています。

電力不足のため工場を止め、休み前に生産が終わらずにBookingをキャンセルして、海上運賃が急落する可能性もゼロではないと思います。

インドネシアの石炭輸出禁止、それに伴う中国の電力事情は、旧正月前に向けてチェックポイントかと思いますので、引き続き情報を発信していきます。