北米西岸港湾の労働交渉、長期化で新たしい混乱を生み出すか?

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事から、「北米西岸の港湾労働交渉がサプライチェーンに新たな複雑さをもたらす」についてお話していきたいと思います。

2022年5月11日イーノさんの物流ラジオ

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労働交渉の長期化懸念

北米の西海岸29港の港湾労働者22,400人の新契約をめぐる交渉は、解決に数ヶ月かかる可能性があり、米国の輸出入業者にとってさらなる懸念材料となると報じられています。

交渉開始は今週から始まります。過去にもこの交渉が長期化し、物流の大規模な混乱や遅延を招いたことがあります。

記事は、今年ほどリスクが高いことはめったにない、としています。

混雑は緩和へ

コロナの大流行によって引き起こされたサプライチェーンの逼迫が工場生産に負荷をかけ、小売販売を妨げ、インフレを40年ぶりの高水準に押し上げる要因となってから2年が経過しています。

現在のタイミングは、ちょうどアメリカの港がコンテナ船の滞留を解消し、記録的な水準に達した海運運賃が安定しつつあるようにみえる時期です。

現在は上海のロックダウンもあり、LA、LBの沖まちも解消に向かっており、運賃も軟化しています。

今年のピークシーズンの輸入ラッシュ

しかし、海運関係者によれば、貨物輸送網は依然として脆弱であり、特に今夏のピーク輸送シーズンの始まりに新たな輸入ラッシュが港を襲う予定であるだけに、協議が加熱し緊張が高まる可能性があるとのことです。

一般的には7−9月が北米のピークシーズンです。10月に中国の国慶節、11月にブラックフライデーでのセールがあり、その前に貨物が大きく動きます。

家具から玩具まで、あらゆるものの輸入業者と、農産物やその他の製品の米国輸出業者は、潜在的な影響に備えているとのことです。

労働者側に有利な交渉

直近の3回の契約交渉のうち、2002年と2014年の2回で労使間の意見の相違があり、貨物の遅延が発生し、個々のメーカーや小売業者が数百万ドルの収入減を被りました。

港湾労働者は、賃金の引き上げ、福利厚生の改善、荷役設備の自動化の制限を要求するとみられています。業界関係者やオブザーバーによると、今回は、組合は通常よりも強い立場で交渉に臨むとのことです。

同組合の労働者は、パンデミックの間も操業を続け、記録的な量の貨物を扱っていました。

港の荷役施設の多くを所有する外資系海運会社は、供給が需要を上回り続ける市場で何十億ドルもの利益を得たので、お金がないと訴えることはできません。

労働者側は港が儲かっているのは分かっているのです。

ホワイトハウスは、交渉が暗礁に乗り上げた場合に介入する権限を持ちますが、労働者側にも友好的とみられています。

交渉はいつまで続くか

7月1日の現行契約期限までに交渉がまとまるという業界関係者はほとんどいませんが、交渉の焦点が絞られていることもあり、年内に合意に達するという楽観論もあります。

前回の2014年での交渉はまとまるまでに9ヶ月かかり、最終的にはホワイトハウスが介入し、年をまたいでの解決になりました。

昨日の放送でもお話しましたが、船会社は、今期は2−3割の減益を見込んでいます。前期の2−3倍の高い運賃が確定しているものの2−3割の減益というのは、貨物量が相当落ちるというのを見込んでいると考えられます。

ストライキは関係ないのかもしれませんが、実際のところは蓋を開けてみないと分かりません。

貨物量が減るから減益なのか、サプライチェーンが乱れないのか、気になるところです。

引き続き情報を確認して発信していきたいと思います。