【MOLの社長インタビュー記事】非海運事業を強化する方針を発表

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、5月24日付の海事新聞から、商船三井社長の橋本 剛氏へのインタビュー記事についてお話していきたいと思います。

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MOL社長へのインタビュー

商船三井は2022年3月期の連結経常利益は7,217億円となり、過去最高を更新しました。

商船三井の橋本社長のインタビューをもとに、僕の考えなどをお伝えしていきます。

連携経常利益過去最高の好業績について

私自身の受け止め方としては、功罪相半ばしている。

2012年度以降の一連の構造改革で自己資本を毀損減らしてしまったしたが、一気に取り戻せたことは良かった。環境対策や地域戦略を推進していくための体力をつけることができたことも非常に喜ばしいことではある。

一方で、約7,200億円の利益のうち6,000億円強をコンテナ船事業が稼ぐなど、事業ポートフォリオがいびつなことは否めない。

今年の経常利益予想、5,250億円について

物流混乱の最悪期は脱した。混乱は徐々に収束に向かうだろう。コンテナ船の運賃市況も軟化していくだろう。

一方で、船舶の稼働率が改善することで輸送量は増えるので、プラスとマイナスの効果が打ち消し合い、業績的には昨年期の過去最高益に次ぐ、高い利益を維持できる見込みだ。

社長のおっしゃるように、他の船会社や大手フォワーダーも今年の業績も引き続き良いでしょう。大切なのは今後で、多くの業界関係者さんも2023年以降はどうなっていくのか、注目しています。

船会社のトップがどのように考えているのか?

懸念材料はインフレの高進や中国経済の減速、ウクライナ紛争に起因する欧米経済の冷え込み、食料不足などだ。

これらがボディーブローのように効いてきて、世界経済が変調を来すシナリオも排除できない。下期から現実化するシナリオも考えておく必要がある。

ONEに対してはどうか?

ONEはこれまでライトアセットでやってきたが、将来のことを考えれば船隊整備を含め積極的に投資していく必要がある。システム投資も必要だ。

コンテナも保有とリースがあると思うが、もっと踏み込んで考えた方がいいと思う手元にある潤沢なキャッシュを有効活用する手だてを考えてほしい。

MOLの3つの事業の柱

そしてここからが、個人的な注目ポイントです。

商船三井は、非海運事業を事業の柱の一つとして強化するとしています。

MOLが考えている事業の柱は3つあります。

・在来型の海運事業(コンテナ船、一般不定期船、自動車船など)
・非海運事業(海洋・洋上風力発電・物流・不動産)
・LNG船

個人的に気になっているのが、非海運事業の「物流」です。MOLロジスティクスに何か大きな変化があるのかと思ったりもします。

柱の一つに入っているわけなので、ロジスティックスの分野でも何かをしようと考えてらっしゃるかもしれません。

MOLの投資

MOLはM&Aに今後6年間で最大3000億円を投じる計画です。

「新規事業を一から立ち上げるには、膨大な時間と手間がかかる。海運業を中心に当社と親和性のある事業で、ある程度目利きができる事業を対象に、M&Aの機会を追求していきたい」と社長は述べています。

そして、「具体的な案件はまだないが、洋上風力発電関連などがターゲットになる。地域としては、インドやアフリカ、東南アジアなどを視野に入れている」と続けています。

LNGについて

最後にLNGの話で「仮にロシアからのLNG輸出がストップすれば、欧州とアジアのLNG不足は深刻で争奪戦が起きるだろう。LNG価格がさらに上昇し、各国のエネルギー安全保障上の大きな問題になる可能性がある。中国やインドはロシアのLNGへの依存を強めるのではないか」と記事は締めくくっています。

本当に、どうなるか分からないのが現状ですので、日頃から情報をとって、自分で考えていくことがとても大切だと思います。

船会社や大手荷主、大手フォワーダーなどのトップは情報を持っているので、その方針などは、情報を反映しています。

今後、どのような流れが出来ていくのか、注目していきたいと思います。