現在、世界中を震撼させる新型コロナウィルス(以下:新型コロナ)ですがタイの物流業界で働く私たちの間でも色んな形で影響が出始めてきています。
色んな業界の貨物を運んでいる筆者としましてはお客様を訪問した時にコロナの影響について物流の観点から色々と質問を受けます。
本日は現時点(3月7日時点)で筆者が確認している範囲で新型コロナが物流にどのような影響を与えているかについてご説明をしていきたいと思います。
新型コロナによる中国物流の影響
現時点では新型コロナは世界中に広がっておりますが、新型コロナが中国武漢から広まった当時では中国の物流はどのようになっているのか頻繁に問い合わせを受けました。
武漢地域での物流はもちろん止まっています。それ以外のお客様の関心事項は上海や寧波などの中国の主要港です。
港は止まりませんか!?という問い合わせをいっぱい受けたよ。
船社や弊社の中国の代理店に確認したところ、現時点では港が止まると言う事にはなっていません。武漢地域以外では通常通りとの事です。
上海近郊ではトラックが南に行ってくれないから、トラックが手配出来ないという事は頻繁に聞きました。最近では南方面はさておきトラック手配は可能との事です。
中国からタイ向けの輸入貨物
弊社のお客様には中国から原材料を輸入してタイで加工して日本などに輸出している工場が多いです。お客様からよく聞くのは中国からの原材料が入ってこないから生産量が落ちているとのこと。
なので中国からの輸入は減ってはいるのですが、中国以外からの輸入に切り替えているお客様もいます。
中国からタイに生産変更する
中国に工場を構えていて中国から日本などに輸出をしていた会社様で、生産をタイに移すという動きが出ています。
現在ある生産ラインでは出来ない製品は、生産ラインごと中国からタイに持ってくるという案件もあります。
中国の会社さんには悪いけど、うちとしてはラッキーな件。。
中国で貨物が動かないからコンテナが滞留中
特にヨーロッパの話を聞くのですが、中国から貨物がヨーロッパに行かないのでコンテナがヨーロッパに行かずコンテナが中国に滞留しています。
空コンテナを動かすにも費用がかかりますので、現在ではヨーロッパから諸外国への海上運賃に反映されております。
うちもヨーロッパからの海上運賃がUSD200/20’くらい上がったって連絡きたな。
コロナの影響で日本で商品が売れない
日本向けに最終製品を製造販売しているお客様ですが、過去5年で最も貨物が動かないとのこと。
外出の自粛は旅行業・飲食業・サービス業以外にも消費が冷え込む事で製造業へも影響しています。物が売れないと原材料の動きにも徐々に鈍りが出てきます。
この流れは徐々に大きくなってくるだろうね。仕事が減っちゃうよ。。
航空便が減便して航空運賃にも影響か
タイでは特定の11カ国への出国を規制しており、各航空会社も減便をすることになっています。まだインドのように外国人に対して新規ビザを発行しないなどはありませんが、日本人の入国禁止も義務化されるかもしれません。
日本人だけでなく世界的に人が動かないので航空便数も減ります。飛行機は人だけじゃなく同時に荷物も運んでいるので供給量が減るために航空輸送費用が上がるかもしれません。
生産量が減り出荷量も同時に減れば影響はないかもしれませんが、輸送費用が上がる可能性はあります。
タイからの輸出海上運賃
これは船会社によりけりですが、弊社に対しては据え置きしている船会社やLSSを値上げしてきた船会社があります。
現在はソンクラーンも控えているので船社のサービスが減ったと言う話は聞きませんが、海上輸送にも運賃やサービスなどで影響は出てくる可能性は十分にあります。
船社とフォワーダーの関係もあるから、会社にもよるって話ね。
まとめ
新型コロナウィルスがもたらす影響ですが、現時点で筆者が把握しているのは上述したものになります。
マスクなどの必需品などの動きは大きいですが、人が動かないという影響は消費の冷え込みから物を動かす国際物流業にも影響しています。
それでも各お客様は対策を取っておられ、今でこそできる事をやっているお客様もいらっしゃいます。事態の早期収縮を祈りながら出来ることをやっていきたいと思います。
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