通関士の仕事について!
通関士の仕事について動画で解説
6分7秒の動画解説やで!
今回は通関士の仕事について解説をしていきたいと思います。
通関士と聞いてどのような仕事をイメージするでしょうか?
英語を使う仕事なのか?関税を安くする仕事なのか?
など 国際物流業に携わっていないと、それほど身近ではない通関士の仕事は理解されにくいかもしれません。
今回はそんな通関士の仕事について紹介します。
通関士の業務内容
通関士は通関業務を行う専門職で、そして通関業務とは大きくわけて3つあります。
1. 他社から依頼をうけて、貨物の輸出入をする際に税関に申告をして許可を受ける
2. 関税法などの処分に対して、税関長や財務大臣への不服申し立てをする
3. 税関各署に対する主張または陳述をする
ほとんどの業務は輸出入の際に税関に申告して許可を受けるまでの1.の業務を毎日やり続けます。
2.3の業務は1の後に不服があった場合に申し立てや陳述するので、通関業務といえば主に1の申告業務を指します。
申告業務
申告業務が通関士の主な仕事ですが、申告業務がどういったものかもう少し詳しく説明しましょう。
通関士は輸出入において他社の依頼をうけて税関に申告します。
その輸入者、輸出者から輸出入に関わる商品の請求書、船積み書類などをもらって代わりに税関に申告し、必要な検査などをうけて 税関から許可をもらいます。
では実際にどのように申告をしているかを紹介します。
申告には輸出と輸入があるのですが 輸入申告は自国に入れていい貨物、武器や麻薬のように絶対に入れてはいけない貨物があり 輸入申告は輸出申告より厳しいと日常業務で感じています。
なので、今回は輸入申告について詳しく見ていくことにします。
輸入申告
必要書類
輸入申告で必要な書類はこのようなものです。
・インボイス
・パッキングリスト
・B/L
・アライバルノーティス
・商品説明書
・原産地証明書
・他法令に該当すれば他法令の許可書
貨物を輸入する為に、これらの書類を準備して通関士さんに送りましょう。
HSコードの確認
通関士はインボイスを見て商品のHSコードを実行関税率表で確認します。
この実行関税率表にはHSコードと呼ばれる税番がのっています。
すべての品物に9桁の数字の税番を決めます。
次に関税率を確認します。
例えば、タイ産のマンゴーを日本に輸入する場合、マンゴ-はEPAを使うと関税0%になり 関税額はゼロと確認をします。
実際の業務では、税関と通関業者はNACCSといわれるシステムでつながっているため、通関士はそのシステムにHSコードや金額を入力すると税額は計算されます。
輸入申告は送信のボタンを押すだけです。
また必要な書類は税関にPDFで送ることも出来るようになっており、時間の短縮につながっています。
このように説明すると通関士の仕事は意外と簡単そうと思われるかもしれません。
しかし申告書を作成するのに1件5分で仕上げられるものと、丸一日以上かかる複雑なものがあるのです。
1インボイスで商品が100アイテムあった場合、それに伴い 税番をそれぞれ振り分け、税率ごとにまとめたりします。
そして税番を振り分けるというのも一筋縄ではいかないところです。明らかに税番が決まるものありますが、該当しそうな税番がいくつもあるものは 事前に税関に相談したりする場合もあります。
それによって関税率が変わり、輸入の費用に影響がでるため重要なところです。
NACCSで申告
輸入申告では
1. 即時許可
2. 書類審査を経て許可
3. 書類審査を経て現品検査、その後許可
の3パターンがあります。
申告はNACCSで申告の送信ボタンを押すとランダムに1.2.3の数字が表示され、1だとそのまま許可です。
2.3.の場合は申告に必要な書類を添付して税関に送付し、税関の担当者からの連絡を待つことになります。
書類上問題がなければ、そのまま許可になることもあれば、貨物検査をすることになると検査の指定表が送られてきます。
貨物検査の立ち合い
貨物検査は通関士か通関従業者が立ち会うことになりますが、貨物検査の瞬間は通関士に緊張感が走ります。
指定された箱を持ち込んで税関職員と顔を見合わせながら箱を開けるのですが、それまで中身をみることはできません。
輸入したものの場合、「書類と違う物が出てきたらどうしよう。。」と通関士はいつも思いながら開けるという話を聞きます。品物が違う、数が違う。書類に書いてあるもの以外のものが出てくることもあるのです。
申告したからには、通関士が許可まで責任を持たねばなりませんので、毎回ドキドキしながら貨物検査を受けることになります。
何はともあれ、許可が出れば、貨物を引き取り国内貨物として流通できるようになります。
その許可について不服がなければ、通関士の1件の申告は終わりになります。
最後に余談ですが、身の回りのものは すべて税番を言える通関士さんもいます。
百科事典のような実行関税率表が頭にはいっているということなので、とてもすごいことなのですが、通関士以外の人に言っても、なかなか凄さが伝わりません。
これがなぜ凄いかというと、製品の材質や用途など詳細が分かり、各税番が分かっているということを意味しているのです。
例えば椅子だったら、木製なのか革貼りなのか、寝台として使えるのか、スプリングが入っているのか。これで全て税番が異なります。
なので、依頼した通関業者から商品の説明を詳しく聞かれた場合には、対応してあげてください。
まとめ
今回の解説で通関士の仕事内容がイメージ出来たでしょうか。
貨物の輸出入には通関士が影で活躍しています。
普段通関士のことを考えたことがない人も、通関士が通関した品物を毎日使っています。
通関士は納期に間に合わせよう、予定の船や航空機に載せられるように、必死に計算し、書類を照らし合わせています。
きちんとした書類、必要な書類は渋らず出してくれると 通関士の仕事に大いに役立ちますので、何卒ご協力をお願いします。
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