「保税の重要性」について!
貿易実務での保税の重要性について動画で解説
4分42秒の動画やで!
どうもこんにちは飯野です。
今回は貿易実務において保税が重要だという理由について説明したいと思います。
貿易初心者の人のために「保税の基礎」という内容を別の動画で解説をしました。概要欄にリンクを貼っていますので、基礎から学びたい方はそちらからご覧下さい。
輸入貨物には関税・消費税がかかる
貨物を輸入する時には、一般的に税金(関税・消費税)がかかります。しかし輸入において保税状態であるということは、税金をまだ払っていないということです。このポイントが非常に重要です。
現代の貿易においては、製品や原材料を単純に輸出入するだけではありません。各国で違った部品を作ったり、仕入れたりをして、別の国で最終製品に仕上げる加工貿易というものがあります。
加工貿易を理解する
加工貿易のポイントをもう少し詳しく説明しましょう。
製造メーカーが材料を調達する時に、国内で材料調達をするより、生産コストが安い国から調達をする方がコストメリットがある場合があります。それを最終製品に仕上げて、海外(第三国)に輸出するのが加工貿易です。
税金の優遇措置をとらない加工貿易の場合、材料を輸入する時に税金がかかります。そして更に最終製品が他の国に輸入された時にも税金がかかってしまうと、最終製品の価格は必然的に高くなります。
製品価格が高いと価格競争力がなくなり、売りにくくなってしまいますよね。
自動車での加工貿易の例
自動車の生産で例を上げましょう。
タイヤはA国、ハンドルはB国、ブレーキはC国から調達するとします。そして最終的な組み立ては日本。完成した車をアメリカに販売するとしましょう。
タイヤ、ハンドル、ブレーキなどのそれぞれのパーツの輸入で税金(関税・消費税)が日本でかかり、そして完成した車にはアメリカで輸入の税金がかかるという状態です。
アメリカの国産車と比較すると価格が高くて売りにくい!という問題が出てきます。
保税を利用した加工貿易
このような状態を避けるために加工貿易では保税を利用します。ここで登場するのが保税地域を解説する動画で登場した、保税蔵置場や保税工場です。タイではFreeZone内の工場や倉庫もこれにあたります。
輸入において保税状態であるというのは、まだ税金(関税・消費税)を払っていない状態だと最初に説明しました。この保税状態で加工をして、そのまま他国へ輸出をすると部品や材料に対しての税金がかかっていない状態で貿易を取引が出来るのです。
もちろん最終製品の関税・消費税は他国では発生しますが、保税を利用しない場合に比べると価格メリットがあり、競争力が生まれることになります。
色んな種類の加工
製品によって色んな加工があります。自動車のように大きな設備を使って加工を加えるものもあれば、衣服のタグを変えるくらいの簡単な加工もありますし、また加工でなくても 保税状態で仕分け・再梱包などをして再輸出をするケースもあります。
保税倉庫で仕分け・再梱包
例えば、色んな服が1つの袋に入った古着を カンボジアからタイに輸入して、特定のブランドだけを仕分けして、マレーシアに送るというようなビジネスだってあります。
この時にタイでの輸入税を避けるために タイの保税倉庫で仕分け・再梱包をして 輸出をすれば、タイで税金を払い、更にマレーシアで税金を二重で支払うより、安くなりますよね。
展示会貨物の保税
合わせて展示会貨物についても説明をしておきましょう。
国際展示会では各企業が自社の製品を 色んな国で展示することになります。販売ではなく、展示が目的なので展示会が終了したら元の国に戻さなければいけません。
この時に輸入の関税や消費税がかかってしまっては問題なので、保税展示場という施設を利用したり、ATAカルネという仕組みを使って課税されることなく貨物の輸入をするのが一般的です。
まとめ
このように現代の国際貿易には、保税を使った メリットのある貿易取引が出来るような仕組みがあります。
このチャンネルでは使える貿易・物流の知識を随時発信していますので、是非チャンネル登録をして学んで頂ければと思います。
今回のお話は以上です!ありがとうございました!
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