「保税輸送」について!
保税輸送について動画で解説
4分23秒の動画やで!
どうもこんにちは。飯野です。
今回は保税輸送について解説をしていきたいと思います。
これまで保税の基礎、保税地域、貿易における保税の重要性と 数回にわたり保税に関して説明をしてきましたが、今回説明する保税輸送もこれらの全てに関連することなので、抑えておかなければいけない知識です。
それではいってみましょう。
保税輸送とは
保税輸送とは 指定保税地域から保税蔵置場などへ輸送する時に、外国貨物のまま運送することです。これだとちょっと分かりにくいですよね。もう少し詳しく解説します。
外国貨物とは通関で輸出許可得たあとで船や飛行機にまだ積みこんでいないもの、そして輸入地の港や空港に到着して、まだ輸入申告の許可を受けていないものを指します。
貨物自体は国内にあるけれども、外国の貨物という保税状態の扱いとなります。またこの外国貨物は保税地域に置く必要があります。
この保税地域には港(指定保税地域)、保税倉庫(保税蔵置場)などがあります。輸入の場合ですが、まだ輸入通関が完了していない外国貨物を、港から指定の保税倉庫に輸送する場合は、保税の状態のまま移動させる保税輸送が必要になります。
OLT(OVER LAND TRANSPORT)とは
保税輸送は専門用語ではOLT(OVER LAND TRANSPORT)と呼ばれます。これは陸送による保税輸送を指していて、トラックやドレージによる輸送です。
ILT(INTER CORST TRANSPORT)とは
また内航船などを使い船による保税輸送をILT(INTER CORST TRANSPORT)といいます。コンテナのフィーダーや原料の輸送などに使われます。
タイのOLT輸送
タイの場合だと、ラッカバンというICD(内陸のコンテナデポ)に貨物を積んだ輸出コンテナを搬入し、OLTでレムチャバン港に運んでから船に乗せたり、
タイのILT輸送
輸入ではレムチャバン港に本船が到着し、コンテナを積み下ろしてバンコク港にフィーダー船でコンテナを輸送するILTがあります。
フォワーダーにとっての保税輸送
保税輸送はフォワーダーにとっては非常に身近なものです。例えば時間がかかる税関検査の場合。港に貨物を長期間置いておくとフリータイムが切れて、デマレージという超過保管料金が発生します。
このデマレージを避けるために、近くの保税倉庫に貨物を保税状態で移動させて、検査が完了してから輸入通関をすることになります。
またLCL(混載貨物)の場合は、CFS(コンテナ・フレート・ステーション)という保税蔵置場に貨物を搬入し、コンテナに詰め込んでから港(指定保税地域)に保税輸送します。
タイ・ミャンマー・第三国の国際複合輸送
タイで活動している私として 最近多く対応しているのが、ミャンマーが絡んだ保税輸送です。タイとミャンマーは隣同士の国で、タイをハブとした輸送が可能です。
昨今のミャンマーでは政情不安や、世界的なコンテナ不足という問題も重なり、ミャンマーのヤンゴン港を使用するより タイのレムチャバン港を使用する方が安定して貨物の輸出入が出来ます。
そのため輸出の場合だと、ミャンマーのMyawaddy、タイのMaesortという国境をトラックの保税輸送(OLT)で超えて レムチャバン港まで外国貨物として輸送し、レムチャバン港からアメリカや日本に海上輸送するケースが最近は増えています。
こういった複合輸送を手配できるのがフォワーダーの仕事の醍醐味だなとも思いますし、保税の知識は貿易・国際物流に携わる人であれば必ず抑えておきたいところです。
まとめ
今回の保税輸送について、ご理解頂けましたでしょうか。これまで制作した保税に関する動画のリンクを全て概要欄に貼っておきますので、合わせてみて下さい。
チャンネル登録がまだという方は是非ともよろしくお願いします。
今回のお話は以上になります。また次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました!
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