国際物流の仕事をしているとCOCコンテナとSOCコンテナという言葉を耳にすることがあります。
COC:Carriers Own Container
SOC:Shippers Own Container
COCとSOCの違いはこちらの動画をご覧ください。
COCやSOCだけじゃ分かりにくいから、業界ではその後に「コンテナ」をつけて呼びます。
私は現在タイでフォワーダーとして8年活動をしているのですが、SOCコンテナを使ったことがありません。私の営業範囲でSOCコンテナの需要が全くありませんでした。
しかし、今回 日本のSOCコンテナの売買をされているEF Internatinalの担当者さんとお話をさせて頂くことで、色々と学びがあったので情報共有をしたいと思います。
SOCコンテナっていつ使うの?
上述したように、私はタイでは100%COCコンテナしか使ったことがありません。弊社のお客さんは主に日系企業。タイで作った製品を主に日本、中国、東南アジア、インド、欧州、北米に向けて輸送します。
船会社が普通にコンテナを手配してくれているので、SOCコンテナを使う理由がほとんど見つかりませんでした。
SOCのメリットってディテンションがないくらいとちゃうの?
※ディテンション:輸入地で輸入者に配送完了し終わったコンテナを港に期限以内(7日〜14日)に戻すこと。この期限を超えると罰金が発生する。
しかし、SOCのプロとのお話で「なるほど!」と思える使用用途を教えてもらいました。
コンテナの返却義務がない
SOCのメリットとしてディテンションがないことを上述しましたが、コンテナの返却義務がないので、貨物の配送完了後もそのコンテナを使えます。
これが条件が合えば大きなメリットになります。
配送後に倉庫として使用する
タイでフォワーダーとして活動をしていると、倉庫に関してはあまり不自由をしません。
タイでは一般、冷蔵・冷凍、危険品、保税倉庫が各港(バンコク、レムチャバン、ラッカバン(ICD)、スワナプーム空港)の近くにあります。
タイでは倉庫は供給過多のイメージ(レムチャバン地域)。
またタイの各工業団地にも物流倉庫は大体あるので、わざわざコンテナを買ってまで倉庫にする必要がありません。
イベントでSOCコンテナを使用する
しかし、同社の担当者さんはこのように言いました。
イベントで貨物を送った後に、イベント中も含めて倉庫が必要になる時があるんですよ。
なるほど!
確かに何かのイベントの時に、倉庫をいちいち手配するのではなく、そのイベントの現地で倉庫として使う方が効率的です。
音楽のライブイベントとかでも使いそうだと思いました。
中古車をSOCで中東に輸送する
また中東に日本の中古車を送る時も重宝されるとのこと。
現地に届いた車が、港とかでずっと「野ざらし」になる時があります。
なるほど。。
物流のインフラが整っていない地域に貨物を送ると、確かに「貨物の野ざらし」は発生することもあるでしょう。
ちなみに、コンテナ輸送に脚光が浴びるきっかけとなったベトナム戦争では、コンテナを使わずに輸送した物資が 長期間 野ざらしにされたり、盗難が絶えなかったという歴史もあります。
詳しくはこちらの動画をご覧下さい。
またカーレースのイベントの時でもRORO船でなくて、コンテナを使って輸送するケースもあります。
レースに使用する超大切な車をコンテナに入れて管理するというのも、確かにありそうと思いました。
工業品の輸送でも使用する
タイでは工業品を輸送するサプライチェーンがあって、各企業がコストを厳しく管理しています。
なのでワンウェイでコンテナも一緒に購入して貨物を送るSOCコンテナの輸送はどうしても合わないなと思っていました。
ですが同社によると工業品の輸送でもSOCコンテナを使うケースはあるとのこと。
そうなの!?
詳しい製品内容については質問しませんでしたが、物流インフラが発達していない国に機械とかをコンテナに入れて送る時などは結構ありそうだなと思いました。
EF Internatnonalについて
この記事は特に同社に依頼された案件とかではなく、個人的に純粋に面白いなと思った内容を共有させて頂きました。担当の方や上司の方もとても良い人たちで楽しくお話をさせて頂きました。
もし本日にご説明させて頂きました用途や、その他の用途(コンテナハウスとか)でSOCコンテナに興味がある場合はEF International様にお問い合わせ下さい。
まとめ
物流には本当に色んな種類があるなととても勉強になりました。
国際物流では貨物内容だけでなく、送り先のインフラの状況によっても「貨物を安全に、また荷主さんの都合に合わせて運ぶ工夫」は色々あるんだなと思いました。
今後はSOCコンテナにもアンテナを張って物流活動をしていこうと思います。
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