貿易の仕事をする場合、全ての業務を1人ですることは出来ません。多くの人や会社が関わり、得意分野を分業して国際物流を進めていくことが一般的です。
またフォワーダーだけでも貿易は出来ません。フォワーダーは輸出入をする方の意向に沿って、貨物を手配するのが仕事です。
貿易業界には色々な仕事をする人がいますが、仕事内容よって分類すると大きく分けて次の通りになります。
①メーカー・商社などの輸出入者
②フォワーダー
③船会社・航空会社
④通関業者
⑤銀行
これらの5つの分類でどれもが国際物流をする上で必要な役割があります。
今回の記事では今までスポットを当てていなかった、メーカー・商社などの貿易の仕事について説明していきます。
同じ貿易でも、メーカー・商社とフォワーダーの貿易は全く違うからね!
メーカー・商社の仕事内容について
メーカー・商社の仕事はどのようなものなのでしょか。輸出入者であるメーカー・商社は海外から品物の売買をしている当事者です。
自社で使用するための品物の輸入や、国内・国外で販売するための買い付けをしています。売買の取引が成立したら、その取引先まで責任を持って届けることが仕事です。
メーカー・商社は品物の売買をするんや。
フォワーダーはその品物を輸送するんだ!
簡単に説明するとこのような仕事ですが、更に詳しく見ていきましょう。
メーカー・商社の仕事内容
メーカー・商社の輸出入ビジネスでは、海外顧客の開拓、交渉などが一番重要な仕事になります。
一昔前は、メーカーの輸出入では商社が手配することが当たり前で、日本の輸出入の発展には商社の力によるものと言われていました。
もちろん今では、メーカー直接で貿易を行うこともありますが、それでも商社の活躍は大きく、商社による日本の主要産業の輸出や原材料の輸入は長年の日本の発展を支えてきました。
今ではメーカーが独自で展示会に出たり、インターネットの普及もあるからな。
メーカーの貿易内容
メーカーでは、原材料を輸入して、日本で生産することもありますし、海外に生産を委託した品物を国内に輸入する場合もあります。
日本の工場自体が海外進出していることが増えてきており、そこで生産するために、日本から部品を輸出したりと色々な貿易形態があります。
他にも日本が他の2国間の輸送に介入する3国間貿易もあります。
海外顧客との価格交渉では売買する品物の価格に輸送料金を含めた金額が必要で、それらを含めた金額の契約を交わします。
自社の商品の知識や買い付ける商品の知識はもちろん必要ですが、国際輸送にかかわる知識を持たないと、交渉を優位に進めることが出来ません。
メーカーも貿易に携わるようになったから、貿易知識が必要になったんだ!
輸送業者、通関業者への手配
さて、買い付けや販売などの売買が成立すると、輸送手配が必要になります。
国際輸送には国と国とをまたぐため、法律や規制が色々と異なり、自国だけの知識では通用しないところがあります。
その現地からの輸送をフォワーダーなどが手配することになりますが、具体的な輸送方法や納期などは、メーカーや商社の方がフォワーダーに指示することにより希望に沿った料金や到着日を選ぶことできます。
最適な物流を目指す場合はイケてるフォワーダーに相談した方がええで。
国際物流業者として色んなお客様から色んな物流案件のお問い合わせを頂きます。フォワーダーの仕事としてどのようなお客様・案件であれ物流の手配をするのが大切です。 今回は仕事の姿勢によって変わる、売れるフォワーダーの営業マンと売れない営業マンについてお話をしていこうと思います。
フォワーダーは貨物を引き取り、港や空港に運び、船会社や航空会社に依頼して貨物を輸入地まで運び、通関業者が通関をし、国内運送会社が配送するという流れになります。
その流れをフォワーダー任せにすることも出来ますし、メーカー・商社自ら、船会社や航空会社への運賃の交渉、予約を行い、より競争力のある価格を引き出すことも出来ます。
ボリュームが少ないと船社に依頼しても相手をしてもらえないけどね。。
船積書類の作成
次に船積み書類の作成になります。こちらは実際の商取引にあった書面でなくてはなりません。
メーカー・商社が作成します。書類の例としては、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書などがあります。
関連記事も読んでみて!
今回のテーマは貿易におけるINVOICEとPACKING LISTの書き方について分かりやすく解説していきたいと思います。 まず、そもそもINVOICEとPACKING LISTとは何でしょうか? 貨物を輸出するときには …
税務上の証明書になりますし、各国の規制にあった書面を作成しなければなりません。また輸送上でも正確な書類でないとトラブルの原因となります。
またそれらの書類と共に、海上輸送をする場合は船会社と輸送契約を交わします。
フォワーダーが代行することが多いですが、ドックレシートやコンテナロードプランなどを作成し、B/L(輸送契約書)を発行してもらいます。
航空輸送であれば、AWBを航空会社に発行してもらいます。
今回はAir Waybill(エアウェイビル)について見ていきましょう。 Air Waybillとは航空貨物の輸送の際に発行するものですが、しっかりと見てみると色々な役割があり情報が記載されています。 これから航空貨物の …
納期調整、在庫管理
貿易となると、輸入であれば必要な商品がいつ届くのか、国内到着した後の商品をいつ使うか、在庫はどのぐらいあるのかという納期調整などの付随した業務が必要になります。
輸出であれば、貨物の出荷具合によって生産調整など管理が必要になります。
L/Cを含めた銀行との調整
貿易では国をまたいだ決済となりますので、信用問題(お金の回収)がつきまといます。
貨物を送ったけれども、代金が未収になるようなことが無いように、銀行の保証をつけたり、事前入金をしてもらったりして、お金の問題を防ぐことを忘れてはなりません。
ここで登場するのがL/Cやねん。
貿易取引の中で「L/C=信用状」という書類を使い、銀行を介して輸出入と支払いの一連の手続きが行われることがあります。 L/C案件では、お金の流れと物や各書類の受け渡しの流れが、他の支払い方法による貿易取引とは少々異なりま …
まとめ
メーカーや商社の貿易の仕事をまとめてみました。貿易には様々な形態があり、輸送方法も複数の選択肢から選べます。メーカーや商社は輸出入業者として、フォワーダーに自社の希望を伝えることは重要です。
一方でフォワーダーは実務経験上、色々な案件を見ています。よりスムーズな物流手配をする為に、より良いアドバイスや専門家ならではの方法を提案してくれたり、相談に乗ってくれるフォワーダーと付き合うことをお勧めします。
貿易特化の転職サービス
もし現在 貿易の勉強をしている、貿易業界でお仕事をされているのであれば、是非 ご自身の市場価値を確認するために貿易特化の転職エージェントHPS Linkのコンサルタントご相談ください。ご登録・ご相談は無料です。