国際物流において貨物の安全性は当然ながら大切です。海上輸送や航空輸送では輸送中に船や機体が大きく揺れる事があります。
その時に貨物に十分な梱包やラッシングがない場合、貨物ダメージのリスクが高くなってしまいます。
今回のお客様はランプ(ランタン)をタイから日本に輸入されるとの事で物流を手配する事になりました。ガラスを使っているランプは当然ながら壊れやすい貨物です。
タイの梱包業者に仕事を依頼して安全な梱包をするのですが、今回はこの作業風景をご紹介していきたいと思います。
タイで割れ物を梱包する
タイで製造販売されているランプはとてもデザイン性が高く、筆者としてもこれまで3回コンテナで日本まで輸送しています。
お客様曰く、かなり安いとの事。
意外とタイの家具ってセンス良いんだよね。
そしてこれらの割れ物を運ぶためにしっかりと梱包します。
梱包業者に貨物を送る
トラックいっぱいのランプが倉庫に届きました。タイは人件費が安いのでとにかくマンパワーで積み下ろしをしていきます。
色んなサイズのランプがあります。流石にこれらをコンテナに直積み(バラ積み)するのは危険だと判断しました。総額で300万円くらいありますから。
梱包費用は必要経費として考えないとリスクが高すぎる。
貨物の量が多いので、購入したものが全て送られてきているかを確認します。日本に到着してから届いていない商品を見つけてしまうと追加でエアーやLCLで送る事になります。
この一手間は絶対に必要なんだよね。
梱包方法を検討する
梱包業者の偉い人が出てきてくれました。この時点では2.3m x 1.1mのパレットを作って梱包しようかという話になっていました。
パレットを作ると高くつくから、ありモノで対応しれくれー。
結局はプラスチックパレットでいけると判断。パレットにぴったりと乗るように乗せ方を考えなければいけません。
意外と地味なんだよ。。
パレットに貨物を乗せたらラップをします。これで安心度が少しアップ。
二段積みをします。あまり高くなりすぎると重心が高くなり不安定になるので荷崩れの可能性が上がります。
現場で高さの指示をちゃんとします。
業者に丸投げするとアカン理由がここにあるねん。
貨物が二段積みできるかどうかも事前に確認する必要があります。重たい貨物の場合は無理に高く積んではいけません。
ラップで全部グルグルに巻いて、コーナーにサポートを当てます。そしてバンドで縛って荷崩れを防ぎます。
最後に「Fragile(割れ物)」のステッカーを貼って完成。
これで安心だ!
ケースマークとパッキングリストを作る
最後にそれぞれ梱包したパレットごとにケースマークを貼ります。ケースマークの仕様は会社によってそれぞれです。
ケースマークの目的はどの番号に何の貨物が入っているか分かりやすくする為です。LCL(混載)の時などはどこ行きの貨物か分かるように向け地が書かれることもあります。
まとめ
お客様の貨物を安全に運ぶのがフォワーダーの仕事です。バラ積みするかパレットに乗せるかはお客様の判断にもより事前に打ち合わせをしなければいけません。
日本では積み下ろしであまり作業員を使えないからパレットに乗せる事の方が多いですが、バラ積みの方が積載量が多く物流コストを最小限に抑える事が出来ます。
安全に運ぶのは勿論のことなのですが安全を考えすぎてオーバースペックの梱包をするとコストが無駄に上がります。
お客様と話しながら安全とコストのバランスを取るのが大切だと思います。
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