フォワーダーの大切な仕事を解説!海上貿易ではコンテナ本船のスペース確保ほど重要な仕事はない。

国際物流を担うフレイトフォワーダーの仕事で重要な一つはコンテナ本船のスペースをいかに確保出来るかという事です。

タイからだとソンクラーン(タイの旧正月)やチャイニーズニューイヤー(春節)、エンドオブイヤー(年末年始)などの長期連休前にはどの工場も貨物を出したいという傾向がありますので、必然的に本船スペースは少なくなります。

また製造現場やオペレーションミスによっての緊急対応の場合も本船スペースが必要だけども取りにくい状態です。

筆者もタイでフォワーダーをするまではこのスペースの重要性についてそれ程まで認識をしていませんでした。

ネコ先輩ネコ先輩

輸出が多い国では超重要なんだ。

今回はフォワーダーの仕事としてのスペース確保に焦点を当てて説明していきたいと思います。

なぜフォワーダーの仕事でスペースが重要なのか?

日本国内の宅配や、DHLやFedexなどのクーリエサービスを利用するときに「スペースが取れない」という話を聞く機会はまずないので、本船のスペースの問題は一般的ではありません。

しかしコンテナで送る程の量の貨物は主に商業用貨物です。

商業用の貨物で納期トラブルが発生した場合・・・

・小売:店頭に商品が並ばない
・飲食:材料がない、提供する商品がない
・工場:製造ラインがストップする

という大問題が発生してしまいます。

ネコ・トリネコ・トリ

特に工場の生産ラインがストップしたら何百万円〜何千万円という損害が出るんだ。

その為、納期トラブルが出たらエアーで飛ばすなどの対応をして、とてつもなく高い輸送費用を払ってでも対応するのが一般的です

なぜ本船のスペースがなくなるのか?

上述もしていますが、長期休暇の前はどの工場も貨物を出したいという思いがあります。休暇中はもちろん生産がストップしますし、また通関業務もストップするからです。

ネコ先輩ネコ先輩

流れているものが止まるというのは何らかの影響が出るんだ。

貿易ではとにかく遅れてはいけない

貨物が止まらずに常に流れていればこのような問題はないのですが、休暇のために流れが止まってしまうとその動きを取り戻す為に時間がかかり遅れにつながります

カモメ先輩カモメ先輩

止まると溜まるからな。。

製造業の場合は生産スケジュールに基づいて商品が作られます。スケジュールに遅れがあると、またその先の工程や取引先でも遅れが発生してしまうのでとにかく遅れには敏感なのです

これらの遅れを避ける為に多くの製造業が休み前には一斉に貨物を送るので本船スペースがなくなりがちになります。

船社のサービス(航路)が少ない

船会社もビジネスです。利益が見込めない航路のサービスをずっと続けている訳にはいきません。少ない航路では当然ながら貨物が集中しがちです。そうなったときにスペースは取りにくくなります。

カモメ先輩カモメ先輩

選択肢が少なくなるとそうなるわな。。

CYカットオフの直前

お客様の都合でカットオフの直前にスペースを取って欲しいという依頼がたまにあるのですが、この時もスペースがない場合が多いです。

弊社では2週間前にBookingを頂ければ基本的には問題なくスペース確保ができますが、2日前の直前などでは船社のCS担当者ではなく、営業担当者に掛け合わないといけません

ネコ先輩ネコ先輩

緊急対応に追われるのがフォワーダーの営業マンです。

なぜスペースが取れないのか?

これは業界の風習のようなものがありまして、タイでは船会社とフォワーダーとの人間関係が結構大きな要因でもあります。

船会社にも営業担当者がいて、この営業担当者も自分のお得意先には融通を効かせるところがあります。

このように船会社の営業担当者と良い関係があればスペースは取りやすいですし、営業ではなくCS担当者のみとのやり取りをしている場合 スペース確保に融通が効かない場合があります。

弊社がスペースを取りやすい理由

弊社ではグループ会社各社を含めて毎月2,500本以上のコンテナの輸出入の取り扱いがあります。

特にアジア、東南アジア、中東、ヨーロッパに集中しておりこれらの地域では複数の船会社の協力の元でお客様の貨物を運んでおります。

ネコ先輩ネコ先輩

大手じゃないのに月間2,500本の取り扱いって結構多いんだよ。

ですので複数の船会社の営業担当者やタイ支店の代表者たちと良い関係が構築出来ております。

カモメ先輩カモメ先輩

緊急時に「コンテナ1−2本差し込んでくれー!」ってお願いが結構 通るのよ。

日系フォワーダーの下請けもやってます

タイに進出したばかりの日系企業で大手企業を除いて、それほど貨物を集められる会社は多くありません。

なのでその日系企業が船社にBookingをするよりフォワーダーだけども弊社を利用した方が選択肢も多くコストメリットもあるので現在4社程の下請けをさせて頂いております。

ネコ先輩ネコ先輩

タイでフォワーダー歴6年のイーノさんに日本語で物流の相談できるのもメリット。

とはいえあまり同業者の取引先を増やすとやりにくくもなりますので、あまり積極的に増やす予定はございません。

まとめ

フォワーダーはサービス業で自社のアセット(設備)をもっておりません。船会社のスペースも代理店であるフォワーダーの営業力で取りやすい状況を作っております。

フォワーダーにとってはどれだけ多くの貨物を集められるかはやはり大切なポイントです。多くの仕事があるからこそ船会社からもメリットのある価格や待遇を受ける事が出来るのです。

スペースにお困りの荷主様は是非お問い合わせください。