6月の上海のロックダウン解除で運賃が高騰?世界一の港稼働でスペース不足再来か。

どうもこんにちは、飯野です。

本日は5月17日付の海事新聞の記事から、「上海発のコンテナ運賃がロックダウン解除で反発か」についてお話していきたいと思います。

2022年5月17日イーノさんの物流ラジオ

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上海ロックダウン解除

中国・上海市は16日に6月中に企業・住民の活動を正常化すると発表しました。

上海のロックダウンは、3月末からスタートし、2ヶ月ほど経っています。

現在の運賃レベルはどうかというと、上海航運交易所によると、13日付の上海発北米西岸向けコンテナ運賃(スポット)は、40フィートコンテナ当たり7,900ドルと前週比12ドルの上昇です。

微増とはいえ4月末以来の値上がりとなりました。

北米東岸向けは1万560ドルとこちらは4週連続の微減です。

海上運賃への影響

ただ、西岸東岸向けとも4月上旬に比べて小幅な減少にとどまっているとのことです。

スポット運賃の下げ止まりにブレーキがかかる一方、もう一つの運賃総合指数(CCFI)は3,088ポイントと、前週に比べて21ポイント上昇しています。

CCFIは短期運賃だけでなく契約運賃も含まれているため、2022年度運賃交渉による値上げ効果が反映された可能性があります。

6月中のロックダウン解除が発表されたことで、ここから再びコンテナ運賃が全般的に上昇に転じる可能性がありそうです。

上海のフル稼働

すでに上海の企業の生産活動は5割が再開したとの情報もあります。しかし完全な輸送需要の回復には、ロックダウン解除から最低1カ月は必要と言われています。

例えば、田舎の労働者を上海へ戻さないといけない、などの問題があり、すぐにフル稼働で生産できるわけではありません。

また、ターミナルも貨物が滞留しているため、目詰まりを解消しなければいけません。

昨日コメントを頂きましたが、日本から上海に送られた貨物が日本にシップバックされたとのことです。

再び需要逼迫か

記事の最後に、仮に6月上旬に解除となれば、7月から荷動きが盛り上がり、再び需給逼迫による混乱が起こるのではとの指摘もあります。

北米向けのピークシーズンは一般的には7月−9月なので、そのタイミングで正常化し、上海はフル稼働となるかもしれません。

上海港は世界一のコンテナ取扱港のため、急にフル稼働となったら物流は大きく乱れるでしょう。

更に連日お伝えしていますが、北米西岸の労使交渉があり、ストライキがあります。

スポット運賃が高騰する可能性、北米に向かった船が沖待ちとなり、スペースがまたなくなる可能性が高くなります。

実務者としてもやばいなという感覚があります。

引き続き情報をお届けします。