西濃シェンカー、LCLで差別化!日本-ドイツで名古屋発着の直行便を開始。自社サービスで迅速対応

どうもこんにちは、飯野です。

本日は10月19日付の海事新聞の記事から、「西濃シェンカー、海上混載を強化。日独間で名古屋発着の輸出入直行便を開始」についてお話していきたいと思います。

2022年10月19日イーノさんの物流ラジオ

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西濃シェンカー、LCL強化

西濃シェンカーは、海上混載サービス(LCL)を強化しています。

今年の8月に独ハンブルク発日本向け自社直行LCLサービスに名古屋向けを追加しました。

そして名古屋発ハンブルク向けも年内を目途に開始し、国内主要港とドイツを直行便で結ぶ輸出入LCL輸送網を構築します。

加えてグループが展開するハブ拠点を活用し、日本発着LCLの自社便化を推進しています。

さらに、海上輸送と中国―欧州の鉄道輸送を組み合わせるシー&レールにより、新たなドイツ向けLCLサービスを始める計画です。

日独間のサービスで差別化

ハンブルク発名古屋向けの頻度は週1便です。

東京・名古屋・大阪の3大都市圏―ドイツ間で輸出入とも自社で直行LCLを提供する日系フォワーダーは多くはありません。

名古屋発着サービスの開始により、その強みを打ち出していくとのことです。

西濃シェンカーの名古屋支店長は「ドイツ発祥のフォワーダーとして、サービスのなかった名古屋のマーケットを中心にドイツ・欧州との輸出入LCLの需要を掘り起こしたい」と述べています。

更に、「特に、欧州からの輸入混載では当社はパイオニアだと自負している」と意気込んでいます。

DBシェンカーと西濃運輸とのタッグ

名古屋圏の市場開拓に当たっては、中部地区を本拠とする西濃運輸の協力も得ていくとのことです。

独デュッセルドルフの日系顧客担当部署とも連携し、DBシェンカーが欧州に張り巡らせる物流網を組み合わせ、テーラーメードのサービスを提供します。

DBシェンカーのサービス

DBシェンカーが欧州各地のCFSと全世界との間で運行する自社直行LCLの航路数は1,740以上あります。

欧州では内陸のCFSまでコンテナを開封しないインタクト輸送も行っています。

自社サービスの増加

西濃シェンカーは東京、横浜、神戸、大阪、名古屋の各港にCFSを置き、ハンブルク、ロッテルダム、ミラノ、シンガポール、香港との間で自社混載を輸出入合わせて16サービス展開しています。

それ以外は現状コ・ロードで対応していますが、自社サービスを増やして輸送品質とスピード、顧客とのコミュニケーションによる差別化を図ります。

既に5月、韓国法人と連携し、日本発釜山経由北米向けの輸送ルートを確立しています。

緊急事態への対応

背景にはリスクをコントロールし、顧客の事業継続に寄与する考えもあるとのことです。

物流の混乱は収束しつつあるものの、米国西岸港湾の労使交渉の長期化、欧州の港湾混雑やストライキなどの火種がくすぶり、事故や天災も頻発しています。

「何かあったときにコ・ロードではスピーディーな対応が難しい。緊急事態でも自社サービスで輸送し続けられるよう、ルートを増やしていきたい」とLCLマネージャーは説明しています。

大手フォワーダー、混載マーケットへ

元々、混載輸送で多くのルートを持つフォワーダーですが、名古屋発着を加えて更に力を入れています。日本発、釜山経由の北米行きもスタートしています。

大手フォワーダーが混載に力を入れるのはマーケットの流れ的にも納得がいきます。

ECが一般的になり、小規模事業者の取引が増えてきています。

また、船会社が陸に上がってきて、フォワーダーのようなサービスを開始しています。

この状況下で、大手フォワーダーが混載に力を入れ、ポジションを獲得していこうとしています。

名古屋地域の開拓は西濃運輸が協力するというのも、良いシナジーだと思います。

物流業者は、今後集約されていくと思っていますので、こういった外資とのタッグは良い方向に生きているような気もします。