どうもこんにちは、飯野です。
本日は、9月20日付の海事新聞の記事から、「米鉄道労使、暫定合意。政府仲裁、スト回避へ」についてお話していきたいと思います。
2022年9月20日イーノさんの物流ラジオ
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米鉄道労使交渉、暫定合意
米鉄道会社と労働組合による労使交渉は9月15日、米政府の仲裁により暫定合意に達しました。
米バイデン大統領も同日に声明を発表し、今回の暫定合意について感謝の意を示し、「この合意はわれわれにとって偉大な勝利である」とコメントしています。
それほど鉄道のスト回避は重要でした。
ストライキの回避
鉄道労使交渉を巡っては、多数の従業員を擁する組合の強硬姿勢により、9月16日からのストライキ突入は避けられないのではとの懸念が高まっていました。
僕もこれまでラジオで紹介していましたが、普通にストに入って北米のサプライチェーンがまた乱れるかもと思っていたくらいです。
今回の暫定合意により、米サプライチェーンにとって重要な鉄道輸送の混乱はひとまず回避されたことになります。
合意までの経緯
これまでの経緯は、ユニオン・パシフィック(UP)やBNSFなど米鉄道会社と労働組合はこれまで、バイデン大統領が創設した大統領緊急委員会(PEB)が仲裁をして、賃上げを巡って労使交渉を行ってきました。
12の鉄道組合のうち10組合はほぼ合意に達したものの、最大人数を擁する2組合との交渉が難航。
この2組合は9日までにPEBの提言を受け入れないことを決定しました。
2組合との交渉難航
互いの提示は、下記のとおりです。
組合側の求める賃上げ額:31・3%
鉄道会社側の提示額:17%程度
現行法ではPEBが大統領に提言してから30日間は「クーリング・オフ」期間に設定され、その間のストライキは禁止されています。
このため米政府のウォルシュ労働長官が9月14日から労使交渉の仲介に動き、15日未明にようやく暫定合意に達することができました。
今回の記事には具体的な着地点は書いてはいませんでしたが、以前は組合と鉄道会社の中間くらいの24%の賃上げと報じられています。
何はともあれ、労働組合側が合意をして北米の鉄道でストが回避となりました。
西岸労使交渉は
鉄道の方は政府の介入で早々に解決をし、ストには突入しませんでした。
そして注目の西岸港湾の労使交渉の影響はというと、西海岸の沖まちには引き続き繋がっておらず、割とスムーズな印象を受けます。
このまま無事に何も起こらず落ち着いていくのではないでしょうか。
コロナ禍以降のサプライチェーンの乱れ、運賃の上昇、そして船会社や大手フォワーダーの投資等、国際物流は次のフェーズに入ってきているような気がします。
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