どうもこんにちは、飯野です。
本日は、海事新聞のニュースから、「上海市のロックダウンが当初の期限より延長される方向で、物流の混乱も長期化しそう」についてお話していきたいと思います。
2022年4月5日イーノさんの物流ラジオ
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輸入貨物の滞留
上海市のロックダウンの中、上海港自体の運営は続いていますが、陸上輸送の制限でコンテナ搬出入に支障が出ており、輸入貨物が港で滞留しています。
荷主・フォワーダーは代替ルートの確保に追われています。
作業率の低下
上海港のコンテナターミナルが稼働を継続していますが、作業員などは外部から隔離された状態で港湾地区にとどまり、泊まり込みで、荷役作業に当たっています。
しかし作業者に感染者が出るなど、作業効率は低下しているようです。
リーファーコンテナのプラグなど、ヤード内設備の問題などから、日中航路を運航する船社の一部では上海向けリーファー貨物と危険品のブッキングの一時停止を決めました。
港にある電源プラグ、コンセントの数には限りがあり、貨物が搬出されないため、供給できるプラグがありません。
ドライバーへの負荷
また、コンテナを搬出するドライバーが上海港での仕事を嫌がっているとのことです。
上海港のコンテナ搬出入では、ドライバーが専用アプリに登録し、48時間以内のコロナの陰性証明などを提出しなければいけません。さらに、省をまたいでの陸上輸送では、戻ってきた後の隔離期間も必要となります。
緊急貨物などでドライバーに特別手当を払って運ぶというような対応はできますが、全ての貨物で行うのは不可能です。
上海市外の貨物については事実上、上海港との搬出入ができない状態です。
食料品など必需品の輸送に対しては、行政から「通行証」が発行されますが、この通行証の目的外利用など悪用する動きも出ているとのことです。
CFS、閉鎖状態
また、上海市内のCFSは人手が集まらず、実質上「閉鎖状態」です。
CFSは混載貨物を集めて一つのコンテナに仕立てる場所で、混載貨物(LCL)は業務を停止しています。
港以外のところに制限があるため、港だけを稼働させたらいいという訳ではありません。
代替ルート
上海市内・市外の移動が難しいため、荷主は上海港に近い太倉港(たいそう)、寧波港、などへのシフトを検討しています。
太倉港は上海市中心部から車で1時間程度の距離にありますが、ここでもコロナが出てドライバーが嫌がっているようです。寧波港は欧米など長距離航路の代替サービスは多いですが、日中航路など近海航路の寄港便は限られています。
日本向けの輸入を手掛ける、あるフォワーダーは「荷主手配で、青島や石島(せきとう)など華北港まで転送してもらい、そこから代替輸送している」と発言しています。
ただ、長距離の陸上輸送そのものが厳しい状況に変わりはなく、代替ルートの開発には手詰まり感も出てきたと記事は報じています。
難しい代替手配の対応
急な代替え手配ほど対応が困難になります。
今回は上海ロックダウンの突然の延長のため、他の港へ手配するとしても、翌週の船のスペースがないことも多いです。
すでに上海向けのコンテナを港に入れてしまった場合は、コンテナを取り出して、別の船会社にスペースを確保し直さなければなりません。場合によってはコンテナから貨物を取り出し、開梱し、エアーに切り替えて運ぶこともあります。
今回のような急な場合は、運がよければ、代替えが手配できるような状態です。
混乱続く
短期間での代替えの提案は、通常時ならまだしも、コロナ禍での手配なのでかなり難しいです。
教訓として、これまで中国は何度も港を閉鎖してきたため、こういうのは、ありきで考えないといけなかったのかもしれません。
しかし、アクシデント的なところもあるので、予想することは大変難しいです。
引き続き情報をアップデートしていきたいと思います。
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