シアトル港を巡る2つの組合の争いで北米西岸労使交渉停滞。長期化必須

どうもこんにちは、飯野です。

本日はウォールストリートジャーナルの記事から、「北米西岸労使交渉、シアトル港を巡る2つの組合の争いで停滞」についてお話していきたいと思います。

2022年11月14日イーノさんの物流ラジオ

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シアトル港巡り2組合争議


シアトル港の荷役ターミナルで特定の仕事を得る労働者をめぐり、2つの組合が争っており、西海岸の港湾労働者とその雇用主との労働交渉が滞っています。

一部の海運業界関係者は、5月に始まったこの協議は、今頃は終了しているだろうと考えていました。

しかし、港湾労働者がシアトルでの争議が解決するまで、主要な契約問題を話し合うことを拒否したため、協議は約3カ月間停滞していると当局者は語っています。

北米西岸労使交渉への影響

関係者によると、北米西岸の労使交渉が再開されても、賃金や港湾の自動化など、残された問題を解決するにはさらに何カ月もかかるとのことです。

労使交渉でILWUは、海運会社や荷役ターミナルなど約70の使用者を代表するPMA(太平洋海事組合)と交渉しています。

両者は交渉が続いている間は協議については言及しないことで合意しており、両団体とも遅延に関するコメントは拒否しています。

マーケットに広がる懸念

全米小売業協会のサプライチェーン担当副社長ジョナサン・ゴールド氏は、西海岸に商品を搬入し、すでに鉄道による貨物輸送の遅れに悩まされている輸入業者にとって、遅延と不確実性は心配の種であると述べました。

同氏は「サプライチェーンに自業自得の混乱が生じた場合、それが何を意味するのか、経済にどのような波及効果があるのか、人々は非常に心配している」と語っています。

世界の貨物輸送の労働不安

今回の労使交渉は、世界的な貨物輸送の労働不安を背景に行われています。

英国とドイツの港湾では今年初め、港湾労働者がストライキに突入し、所々が閉鎖に見舞われました。

米国では鉄道労働者が9月にストライキに突入しそうになりました。

マーティ・ウォルシュ労働長官を含むバイデン政権幹部は一部の鉄道労働者が労働者提案を拒否したため、依然としてストライキ回避に努めています。

北米西岸の労働状況

西海岸の港湾労働者は、直近の労働協約が7月初旬に失効して以来、無契約のまま働いています。

荷役用ターミナルは、港湾労働者とその雇用主との間の労働紛争を処理する苦情処理制度がないまま運営されており、ワシントン州タコマやカリフォルニア州オークランドなどのいくつかの港で、混乱が発生しています。

この夏、ロサンゼルス港のターミナルでは、港湾労働者が安全上の懸念を理由に、数週間にわたって自動コンテナ処理装置の稼働を拒否しています。

シアトル港管轄権問題

シアトルでの争議は、労働組合側のILWUとIAM(国際機械工・航空宇宙労組)の間で行われています。

この2つの組合が、同港の主要な国際貨物取扱施設である第5ターミナルで特定の仕事を行う管轄権が双方にあると主張しています。

停泊中のコンテナ船と陸上電力をつなぐ仕事をする労働者をめぐるこの対立は、11月3日に始まった全国労働関係委員会(NLRB)の聴聞会の対象になっています。

シアトル港問題、長期化

海運業界関係者の中には、この聴聞会が速やかに終了し、組合間の問題の解決につながることを期待していた人もいましたが、NLRBの広報担当者によると、スケジュールの問題から、聴聞会は今月末まで延期されることになったとのことです。

一部の関係者は、中間選挙後にウォルシュ労働長官がもっと港湾契約交渉に関与することを期待し、交渉が早期に再開されることを望んでいると語っています。

西岸の労使交渉はまだまだ長期化しそうです。引き続き、情報をアップデートしていきます。