海上輸送のSOCコンテナについて
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「海上輸送のSOCコンテナについて」!

海上輸送のSOCコンテナについて動画で解説

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6分45秒の動画やで!!

SOCコンテナとは

どうもこんにちは。飯野です。

今回はSOCコンテナについて解説をしていきたいと思います。

まずSOC(Shipper’s Own Container)コンテナとは、フォワーダーや一般荷主などがコンテナ所有・管理している物の総称です。

他方、COC(Carrier’s Own Container)コンテナは、船を運行する船会社が所有・管理しているコンテナです。

これらには 具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!

コンテナの所有者は?

そもそもコンテナの所有とはどういうことでしょうか?

ある一定規模以上で輸出入をする個人や会社が20’feetや40feetのコンテナの中に貨物を積めて国際輸送しています。

ところで、このコンテナは誰の物なのでしょうか? 

輸出者や輸入者が購入するのでしょうか?
それとも別の第三者の持ち物なのでしょうか?

このコンテナの「所有者」の部分が今回のテーマです。

COCコンテナとSOCコンテナ

コンテナは、大きく分けると次の2つの所有形態があります。

1. 船を運航する船会社(= リース会社)
2. 実際に荷物の輸送を依頼する依頼者(荷主)

実際はこの他にも いくつかの形態があるんですけれども、話を簡単にするために、ここでは主に2つの形態しかないとします。

そしてこの1番と2番のそれぞれの事を

1. COCコンテナ
2. SOCコンテナ

と言います。

なぜこのようにCOCやSCOコンテナがあるのでしょうか? 
これらにはどういったメリットがあるのでしょうか?

まず先に結論をお伝えします。

一般荷主であり通常の状況であれば、SOCコンテナを使うメリットはほぼない
これが結論です。それでは、それぞれを詳しく確認していきます。

COCコンテナについて

まずCOCコンテナです。

COCコンテナは先程ご説明したように船会社が管理・所有するコンテナです。
一般の荷主における貿易取引はこのCOCコンテナを使い行われています。

メリットとデメリットは次の通りです。

COCコンテナのメリット

COCコンテナのメリット

1. 空コンテナの扱いに困らない。
2. コンテナが余っているときは、輸送費を値下げしてくれる場合がある

主にこれらのメリットがあります。

COCコンテナの費用は通常の運送費の中に含まれています。

そのため貨物を輸送し、中身を取り出したら、あとは空コンテナを返却するだけです。
デバン後の空のコンテナの保管には悩みません。

また需給バランスにより、港にコンテナが余っている場合は、輸送費の削減を受けられることがあります。

実は世界中のコンテナは、諸外国を行ったり来たりしているため、常に需給バランスが変わります。

コンテナが不足している場所では料金が高くなり逆にコンテナが余っている場所は少しでもコンテナの稼働率を上げるために送料を値下げして提供します。

昨今のコンテナ不足でご経験されている方も多いと思いますが、コンテナがないと海上運賃が3倍になったり、向け地によって10倍以上になっているところもあります。

COCコンテナのデメリット

次にCOCコンテナのデメリットです

1. コンテナの数に不均衡が発生すると そのまま輸送コストupにつながる。
2. ディテンションチャージに注意する必要がある。

などがあります。

メリットでもご紹介した通り何らかの理由で、コンテナの需給バランスが崩れるとそれがそのまま輸送コストとして反映され、○○サーチャージ等で請求されることがあります。

また船会社のコンテナなので返却が必要な為、常にディテンションチャージ注意をしなければいけません。

SOCコンテナについて

次にSOCコンテナについてお話しします。

SCOコンテナは、NVOCC(フォワーダー)や一般荷主などが、コンテナを管理、所有している物です。船会社が所有していないため、イレギュラー時の費用負担が最小になるのが特徴です。

しかし、結論の通り平常時はCOCコンテナよりも優れているとは言い難いです。
メリットとデメリットは、次の通りです。

SOCコンテナのメリット

SOCコンテナのメリット

1. コンテナのまま移動、保管ができる。
2. 質の悪いコンテナによる貨物事故を防げる。

これがあげられます。詳しく見てみましょう。

SOCコンテナは自社で所有する場合が多いため、輸入コンテナのまま長期間 保管できます。
返却する必要がないのでディテンションチャージ等が発生しないからです。

また使用するコンテナを自社で管理できる点も魅力です。

COCコンテナの場合、予約時においては どのような空コンテナがくるのかは分かりません。中には穴が開いているコンテナが来ることもあります。

本当に質の悪いコンテナを割り当てられるケースもありますので、これが常に自社でコントロール出来るのは魅力的だと思います。

SOCコンテナのデメリット

次にSOCコンテナのデメリットです

1. 初期投資が必要
2. 管理をするために費用と時間がかかる。

SOCのデメリットとして最初にコンテナを購入する資金がいることです。
コンテナに資金が固定されるためキャッシュフローが悪くなります。

また自社でコンテナを所有するゆえの「管理コスト」も必要です。

例えば空のコンテナを保管するためのスペース、棚卸費用、管理、保守などの費用や手間が発生するということです。

以上がSOCとCOCコンテナの違いになります。

まとめ

それでは今回の話をまとめてみましょう。

海上輸送で使用するコンテナは大きく分けて2種類あります。

それが船会社が所有するCOCコンテナと
フォワーダーや一般荷主などが所有するSOCコンテナ
です。

この2つのタイプのコンテナにはそれぞれメリット・デメリットがあって

COCコンテナのメリットは
・空コンテナの扱いに困らない。
・コンテナが余っているときは、輸送費を値下げしてくれる場合がある

デメリットは
・コンテナの数に不均衡が発生すると そのまま輸送コストupにつながる。
・ディテンションチャージに注意する必要がある。

一方で
SOCコンテナのメリットは
・コンテナのまま移動、保管ができる。
・質の悪いコンテナによる貨物事故を防げる。

デメリットは
・初期投資が必要
・管理をするために費用と時間がかかる。

という話でした。

昨今のコンテナ不足の問題で、コンテナがないからSOCコンテナを導入すれば良いのか?と考えられる荷主さんもいるかも知れませんが

海上輸送はコンテナだけでなく、船のスペースも関係しています。

これについてはまた別の機会にお話をしていきたいと思います。

今回の内容は以上となります。ありがとうございました!


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飯野飯野

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