どうもこんにちは、飯野です。
本日は海事新聞のニュースから、「日本向け木質ペレット、今年6割増で480万トンに。近海船、復航船のタイトが持続」についてお話していきたいと思います。
2022年2月18日イーノさんの物流ラジオ
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バイオマス発電燃料、輸送拡大
日本向けバイオマス発電燃料荷動きが拡大しています。
一部の邦船社の予測によると、今年の日本向け木質ペレットは前年比6割増の480万トン、PKS(パームヤシ殻)は5%増の420万トンに伸長する見通しとのことです。
FIT制度によりプロジェクト活性化
日本ではFIT制度があり、それを背景に全国各地でバイオマス発電プロジェクトが活発化しています。
FIT制度は2012年からスタートし、再生エネルギー発電業社に対して固定価格で電力会社が電力を買い取る制度です。
電力安定供給の重要性
日本は2050年にカーボンニュートラルを目指しており、色んな業界で脱炭素の取り組みが進んでいます。
特に自動車業界が注目で、最初はトヨタ以外がEVへシフトし、最近、トヨタも最終的にEVにシフトし始めました。
電気自動車にシフトしていくので、電力の安定供給が重要で、その電力も再生可能エネルギーにしたいということです。
FIT制度、FIP制度
2022年4月からFITに加えて、FIPという制度がスタートします。
FIT:Feed in Tariff
FIP:Feed in Premium
FITは固定価格買取の制度で、需要が高い時でも低い時でも同じ価格で買取する制度です。再生エネルギー発電業社を増やすための取り組みです。
FIPは電力市場の需給バランスに合わせて買取価格が変動し、それにプレミアム価格が上乗せされて買い取る制度です。電力市場のバランスを考えてFIP制度が導入されます。
こういう制度が作られるというのは、カーボンニュートラルを目指して動いているということです。
大型発電所の運転開始相次ぐ
特に今年から来年にかけて木質ペレットを主燃料とする大型発電所の運転開始が相次ぐ予定です。
北米や東南アジアからの燃料の輸入拡大が期待されています。
この国内の大型バイオマス発電所の相次ぐ稼働が追い風となり、近海貨物船と日本-北米ルートでのバルク船のタイト感が続きそうと報じられています。
さらに来年以降もバイオマス発電所の拡大基調の持続が見込まれています。
これからのバイオマス燃料
2023年の日本向け木質ペレットは650万トン、PKSは470万トンへの増大が期待されています。
PKSはパームヤシからパームオイルを取ったあとの殻を乾燥させて作るもので、インドネシアが世界一の産地です。
邦船オペレーター各社の最近の近海貨物船では、バイオマス燃料が増えており、「数年後には復航トレードが配船の中心になってくる」との声が高まっています。
復航トレードとは
日本から東南アジアへ鉄鋼などを運び、東南アジアからパームなどを積んで、日本などに戻ってくる便のことで、帰り便と考えていただければ大丈夫です。
10年の長期契約
FIT制度における発電燃料は長期の安定供給が最重要課題です。そのため近海貨物船では異例の契約期間10年以上の長期契約の成約が増えています。
邦船関係者は「バイオマス燃料がベースカーゴとして計算できるため、これからの近海貨物船やハンディサイズの新造整備計画が立てやすくなる」と発言しています。
投資へのプラス効果を期待していると指摘しています。日本の脱炭素の動きがバイオマス発電原料の荷動きに影響しています。
長期契約の利点
10年の長期契約というのが大きいと思います。
長期契約になると、船会社も価格競争になりにくく、投資の回収の見通しがつき、経営も安定するようになります。
脱炭素
他には脱炭素の取り組みでCCUSというものがあり、排出したCO2の輸送船の投資も始まり、商船三井などが始めています。
国際物流では現在はコンテナ船が大きく影響していますが、環境対策で運ぶものや船も変わってきており、とても面白いと思います。
利益を上げた船会社が、こういった投資が進んでいき、環境に優しい、未来に向けての輸送形態ができていくのではないでしょうか。
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