原油高で注目!排ガス洗浄装置スクラバーについて。排ガス規制へ対応。

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、「原油高によって注目される、スクラバーについて」というテーマでお話していきたいと思います。

2022年4月28日イーノさんの物流ラジオ

イーノさんイーノさん

チャンネル登録よろしくお願いします!

原油価格上昇によるスクラバー需要

先日SEA JAPANに行ってきましたが、二酸化炭素削減のゼロエミッションばかりが注目されている印象でした。

しかし、最近ではロシアのウクライナ侵攻の影響もあり原油価格が上昇しています。ここでポイントとなってくるのは船舶燃料の排ガス洗浄装置のスクラバーです。

船舶の排ガス規制

船舶の排ガス規制は、マルポール条約という、船舶の航行や事故による海洋汚染を防止することを目的として規定された国際条約です。

マルポール条約において2020年にSOx規制というのが制定されました。

船の排ガスを規制するもので、具体的にいうと、排ガスに含まれる硫黄濃度を3.5%以下にするという規定です。

排ガスを規制しないとPM2.5の発生につながって健康被害が起きてしまうためです。

A重油使用への流れ

2020年までメインで使われてきたのはC重油という硫黄濃度が高い重油でしたが、これを燃やすとPM2.5が出てしまいます。

よって2020年以降はA重油という質の高い重油を使う流れになりました。

スクラバーへの投資

しかし、A重油はC重油に比べて高く、C重油はそのままでは使えませんが、スクラバーを搭載すれば使用可能です。

では、このスクラバーを搭載する船はどれくらいかというと、全体の3割未満でした。

スクラバーは本体だけで安くても1億2千万円ほどで、船への設置費だけで3−4億円くらいかかります。これくらいの投資をするのであれば、A重油を買うという方向でした。

当時はまだA重油とC重油の値差も大きくありませんでした。

A重油からC重油使用へ

しかし、冒頭にお話ししたウクライナ情勢での原油価格の高騰でA重油とC重油の価格差が開いてきました。

1トンあたり200ー300ドル程度、C重油の方が安くなってきました。

スクラバーの搭載

コンテナ船会社は今、利益を大きく出しているので、スクラバーがこれからは注目されていくのではないかと思います。

燃料価格が今後どのように動いていくかは分からないのが現状です。

SEA Japanでスクラバー専門メーカーのPureteQという会社さんにお会いし、2年くらいで投資の回収ができるとおっしゃっていました。

排ガスの規制もしっかりとしていかないと思いますので、PureteQさんのSEA JAPANインタビュー動画は現在編集中でGW明けくらいにアップロードしたいと思っています。

お楽しみにしていてください。