どうもこんにちは、飯野です。
本日は、12月6日付の海事新聞の記事から、「コンテナ運賃、ほぼコロナ禍前の水準に」についてお話していきたいと思います。
2022年12月7日イーノさんの物流ラジオ
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海上運賃、コロナ渦前の水準に
上海航運交易所がまとめた12月2日付の上海発のコンテナ運賃指数(SCFI)は1,171ポイントとなりました。
コロナ禍前の3桁台には届いてはいないものの、このまま行けば微妙な状況となります。
北米西岸向けや北欧州・地中海向けはほぼコロナ禍前の水準となっています。
ただ、前週に比べると値下がり幅は小刻みになっており、実質的には下げ止まりの気配が強いようです。
北米向けの海上運賃
12月2日付の上海発北米西岸向けは40フィートコンテナ当たり1,437ドル、北米東岸向けは3,437ドルとなりました。
前週比では、北米西岸は59ドル、東岸向けは250ドルの値下がりです。
これまで4,000―5,000ドル近くあった西岸向けと東岸向けの値差も、ここにきて2,000ドルまで縮小。
このまま東岸向けの値下がりが続けば、コロナ禍前の1,000ドル以下の値差に縮まる可能性があります。
北米向け以外の海上運賃
北米の東西以外では、南米の東岸向けは中国・国慶節休み前直前の9月末は5,059ドル/20’でしたが、2,025ドルとなり、2カ月で半分以下まで下落しました。
また中近東向けは11月上旬に一時的に2,000ドル弱まで値上がりしたものの、現在は1,184ドルまで落ち込んでいます。
上海発シンガポール向けも237ドルとなり、こちらもほぼコロナ禍前の水準に戻しています。
北米内陸部の混雑
海上運賃がコロナ前に戻っています。
北米西岸の沖待ちは、一時期は100隻近くが海の上でコンテナの積み下ろし待ちをしていたものの、現在ではゼロになっています。
その中で西岸港湾の労使交渉は今の所は大きくは動いていません。
しかし、内陸の方は混雑がいまだに続いています。
先日、北米の鉄道労使交渉がアメリカ議会によって、強制的にスト禁止にされました。
アメリカ国内はインフレがすごく、ここに更にストが発生し、サプライチェーンを混乱させるということはアメリカ政府的にも出来なかったのです。
この動きを見る限りでは、西岸港湾の労使交渉もサプライチェーンに影響が出そうになれば、議会が普通に介入してくる可能性はあります。
海運業界はコロナ前に戻るか
では、海運業界はコロナ前の10年くらいの不景気に戻るのか?
多分、そこまでは行かないと個人的には思います。
船会社はこの2年間で得た収益を新造船に投資をしています。
スペースが沢山出来るため、運賃はもっと安くなると思うかもしれませんが、コロナ渦中は船のスクラップも少なかったです。
EEXI規制の影響
また2023年のEEXI規制も大きく影響するのではないでしょうか。
EEXI規制というのは簡単にいうと、船のCO2排出量をスコア化して成績の悪い船は改善要求が出る規制です。
改善要求というのはスクラバーのようなCO2排出抑止になる設備を入れたり、燃料を変えたりすることです。
しかし、古い船の設備に投資するくらいならスクラップにという動きも出てくると思います。
古い船で設備が行き届いていないものは、排ガスが出にくいように減速するようになるので、船のスケジュールは遅くなるものが増えてくるかもしれません。
これがスタートするのが2023年の1月1日からです。
船会社からがスケジュールがどうなるかはアップデートしていきます。
とにかく現在は「環境」に対して優しくないとダメであり、これが2010年代との大きな違いです。
全く同じ状況ではないので、運賃はそこまで下がらないのではないかと思っています。
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