通関業者の関税立替は独禁法に抵触?悪しき商習慣の打破へ。

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、5月30日付の海事新聞の記事から、「関税立て替え問題、公正取引委員会が問題視」についてお話していきたいと思います。

2022年5月30日イーノさんの物流ラジオ

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通関業社の関税立替

公正取引委員会は先週公表した荷主と物流事業者との取引に関する調査結果で、荷主が通関業者に関税や消費税などを立て替えさせる行為を独占禁止法上の問題につながる恐れがあると注意喚起しました。

関税などの立て替えは通関業者の経営を長年圧迫してきました。

関係者の間では公正取引委員会の文書を荷主との交渉に活用し、悪習を払拭する機運が高まっています。

通関業者の負担

通関業者にとって、輸入者に代わって関税などを立て替える負担はとても大きいです。

立て替えから回収までの期間は数週間から長い場合で数カ月かかり、企業によっては月間の立て替え金額が数千万―数億円に上るとのことです。

立替からのシフト

最近でこそ大手荷主―大手通関業者間を中心に改善が進んでいるものの、日本通関業連合会の昨年の調査によると、関税などを立て替えている通関業者の割合は89%に達しました。

立て替え払いは通関業者にとって、他社との競争上取らざるを得ない営業手段ですが、ある大手通関業者は時間をかけて荷主に働き掛けを行ってきたそうです。

同社はあらかじめ指定した一般口座から、自動的に関税などを納付するリアルタイム口座振替などの利用を促してきました。

関係者は「顧客層に恵まれて幸いだった。しかし、商材や顧客によって難しいことは想像に難くない」と話します。

中堅通関業者の担当者は「他業界では税金を立て替えさせるなどという話は聞いたことがない。古く悪しき慣習をなくす運動を広げたい」と意気込んでいます。

立替の問題

政府が昨年12月、エネルギーコストや原材料費、労務費などの上昇分の転嫁に向けて策定した「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」の下、公取委は独禁法や下請法違反に対して監視を強めています。

公取委によると、荷主と物流事業者が立て替えに合意した上で、例えば物流事業者が立て替え分を回収するまでの期間の金利を荷主から得るなど、取引を客観的に見て物流事業者に「直接の利益」がなければ問題につながる可能性があるとのことです。

通関業務は差別化をしにくいものなので、業者によっては立替をして仕事をとることもあります。しかし、それでは経営状態がよくありません。

変化の必要性

個人的には、本来であれば、まずここにDXが入らないといけないと思っています。

一般的な通関業務はコモディティだと考えます。

HS Codeを割り当てて、申告する、こういった業務は差別化がとても難しいです。

以前にイスラエルのスタートアップ企業から、AIでHS Codeの割り当てをする通関システムを作ったとの連絡がありました。

今後、こういった流れが主流となっていくのではないでしょうか。

記事にもありましたが、本来輸入者が支払うもので、通関業者は銀行ではありません。

税金の立替を最初から考慮し、そのキャッシュフローを生かして商売をすることがそもそも間違っており、商売として成り立たっていません。

価値を生んでないからです。

物流業界というのは古い業界なのでこういった面があるので、改善をしていって欲しいと思います。