どうもこんにちは、飯野です。
本日はJoc.comの記事から、「北欧の港湾混雑、物量緩和にもかかわらず悪化」についてお話していきたいと思います。
2022年5月31日イーノさんの物流ラジオ
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アジア発北欧向け大幅遅延
海運調査会社のAlphalinerによると、アジア-北ヨーロッパ間の平均往復航海日数は101日となっており、大幅な遅れが発生しています。
北欧への輸入量の減速は、ヨーロッパ地域のハブ港の混雑を緩和するには至らず、満杯のコンテナヤードと「労働力不足」がターミナル、倉庫、トラック輸送サービスの運営を妨げ、船の遅延を長期化させています。
混雑の原因
DHL の海上部門グローバルヘッドは欧州の港湾フローの悪化は、物量の増加よりも、ターミナルでのコンテナの滞留時間の延長が主な原因であると述べています。
実際、需要とはあまり関係がなく、港が混雑し、船の荷揚げが効率的に行えていません。
ヨーロッパの倉庫が満杯で、貨物量は多くないものの、労働力不足によって目詰まりが発生しています。
コロナ渦における大量離職者
アメリカでは物流関係者は2021年に退職者数が一気に増えました。
Great Resignationと呼ばれ、コロナの影響もあり、現場で働く人たちの賃金は安く、あまりに多忙なため、退職者が続出しました。
あるヨーロッパでの労働者不足について、「確かに、現在の人手不足にはさまざまな理由がある。人々は今でも新型コロナウイルスを恐れ、過労を招く低賃金の仕事に終止符を打ちたがっている。」
「そして賃金が低すぎるのも原因の一つだ」と記事は報じています
ヨーロッパでもGreat Resignationか
アメリカ、ドイツ、イギリスの大学の経済学者による最近の研究では、ドイツの低賃金労働者は、他の場所での仕事の賃金水準を過小評価していることが示されました。
ドイツのサプライチェーンに従事している人たちの給料が低賃金かはわかりませんが、記事によると、これまで低賃金の仕事に甘んじていた多くの労働者たちが、他にもできる仕事があるかもしれないと気づいたとのことです。
アメリカと似たようなことが発生しているのかもしれません。
北欧の混雑解消
Hapag-Lloydの広報担当者は、北欧の運航状況は “依然として厳しい “と述べています。
「内陸部の輸送能力が制限され、内陸部の倉庫がフルに利用されているため、積載された輸入コンテナの引き取りが鈍化しており、欧州の状況は悪化する可能性がある」と広報担当者は続けています。
アジア発欧州向け貨物は減少
ここで、コンテナの取扱量をみてみましょう。
コンテナ貿易統計(CTS)のデータによると、北東アジア、中国、東南アジアから北ヨーロッパへの輸送量は、3月に前年比5%減の130万TEUでした。
アジアからヨーロッパへの需要は減少傾向にあります。
第1四半期は合計400万TEUで、1月は4.2%伸びていましたが、1−3月合わせると、わずか1パーセント増でした。
スポット運賃の下落
アジア-欧州航路のスポット運賃の下落は、需要の減速が続いていることを示唆しています。
アジアから北欧への短期スポット運賃は1月1日以来30%下落し、TEUあたり5,939ドルとなりました。
以前はTEUあたり7,000ドルほどで、このタイミングで決まった長期契約運賃がTEU当たり5,488ドルです。
スポットレートと長期レートの差がかなり小さくなっています。
北欧向けの航路の物量の鈍化と、不安定な短期運賃を避けるために、長期運賃を固定するヨーロッパの荷主の戦略が数字にあらわれています。
今現在では運賃は落ち着いていますが、状況次第でどうなるかがポイントです。
混雑ピーク過ぎたか
とにかく人手不足でスケジュールが遅れ、目詰まりが発生しています。
欧州に拠点を置くフォワーダーの海上貨物担当は、顧客が北欧の主要港の大半で最大3週間の遅延を経験していると述べています。
「北欧の港湾の状況はここ数週間緊迫しており、一向に好転しない」とのことです。
マースクの欧州における海上顧客ロジスティクスの責任者は、「北欧のターミナルの一部は「運営上困難」であるが、混乱のピーク地点に達したと考えている」と語っています。
現時点では、影響が悪化することはないと考えているとのことです。
世界への影響
しかし、人手不足の問題は、それほどすぐに解決するものではないと思います。
現在、需要が落ち着いてきていますが、需要が復活したらどうなるのでしょうか。
物流は一か所の目詰まりの問題が全体的に目詰まりに繋がります。
1箇所の問題が世界全体に影響するので、今後のヨーロッパの問題も併せて注視をしていかなければならないと思います。
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