どうもこんにちは、飯野です。
本日は、6月12日付の海事新聞の記事から、「パナマ運河で水不足。運航制限で輸送遅延に拍車か」についてお話していきたいと思います。
2023年6月12日イーノさんの物流ラジオ
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パナマ運河、運航制限
北米西岸での労使交渉とともに、パナマ運河での運航制限も北米航路に影響を与えています。
パナマ運河では、過去にも雨が降らない渇水期に運航制限や通航料の値上げ問題が発生しています。
水不足の影響
今年は降水量が少なかった影響でパナマのガトゥン湖の水位が大幅に低下し、十分な利用可能水量を確保することが難しい状況となっています。
そのため、3月1日時点では船舶の最大喫水制限が15.09メートルだったものが、5月30日には1.68 メートル分さらに引き下げ、13.41 メートルとすることになりました。
1万5000TEU型のネオパナマックス型の船では、最大喫水が13.41メートルになると積載量が40%絞られるといわれています。
こうした状況を受け、一部コンテナ船社では積載する貨物量の調整や、パナマ運河通航のサーチャージの導入を行う方針です。
各船社の対応
独船社のハパックロイドは東アジアから北米東岸向けの3サービスについて、7月1日から1コンテナ当たり260ドルのチャージを導入すると発表。
他船社でも、同月からアジア発北米東岸ガルフ向けで1コンテナ当たり300ドル程度のチャージを適用する動きが出ています。
西岸労使交渉との関係
アジア発北米向けのコンテナ輸送では昨年以降、北米西岸での労使交渉への不安から、西岸港湾ルートから東岸・ガルフ経由ルートへのシフトも進展しています。
米国西岸港湾では6月2日から組合による争議で混乱が生じていますが、「パナマ運河の運航制限もあり、東岸向けに貨物が流れないことを見越して西岸労組は動いているのではないか」と見る関係者もいるようです。
西岸での労使交渉が難航し、代替の東岸ルートも確保が難しい状況となる中、アジア発北米向けのスポット運賃が急上昇する可能性も出てきています。
運河のコンテナ船運航
パナマ運河を通行するには、かなりの水の量が必要となります。近くの湖の水を使っており、水不足だと十分な水深を確保できなくなります。
よって、大型船は積荷量を減らして軽くしないと通行ができず、その分サーチャージを請求する形となります。
雨季で水不足は解消か
基本的にはパナマは6月が雨季のようで、水不足問題は解消に向かうと思われますが、気候変動の影響で雨が長期間十分に降らなかった場合、サプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。
本日の海事新聞の記事では、そうした場合、スポット運賃がアップする可能性があるとのことでした。
パナマ運河の水不足問題や西岸港湾の労使交渉も含めて注目をしていきたいと思います。
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