米国の西岸港湾、混乱が続く。カナダ西岸港湾はストライキの投票へ

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、6月7日付海事新聞の記事から、「米国の西岸港湾、コンテナターミナルの混乱が続く。カナダ西岸港湾はストライキの投票へ」についてお話していきたいと思います。

2023年6月8日イーノさんの物流ラジオ

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北米西岸、混乱続く

米国西岸港湾では現地時間の6月5日時点でも、幾つかのコンテナターミナル(CT)で閉鎖や混乱が続いている模様です。

作業員が出勤しているターミナルでも、通常の作業スピードよりかなりスローダウンするなど滞っているとのことです。

物流の混乱を懸念し、全米小売業協会はバイデン大統領に対し、労使交渉を調停するよう要請しました。

カナダ西岸港湾の動き

一方、カナダ西岸港湾の労働組合であるカナダILWUは8-9日に、ストライキの可否を決める組合員投票を行うと発表。

西岸港湾の混乱はさらに拡大する可能性があります。

労働者側の賃上げ要求が発端

6月5日の西岸港湾各ターミナルの状況は、2日に比べてやや正常化したようです。それでも一部では閉鎖や作業遅延、作業員派遣拒否などのトラブルが発生しています。

今回の争議は、組合側が提案した賃上げに対して使用者側が拒否したことが発端といわれています。

組合側の賃上げ要求額は、時給7.5ドル増。

これは次の労働協約の6年間の期間中、毎年実施するもので、計算すると6年で賃金は倍となります。

使用者側であるPMA(太平洋海事協会)によると、過去20年間の賃上げ幅は時給0.5ドルから1.5ドルの範囲とのことです。

カナダILWU、スト突入か

カナダ西岸港湾の労使交渉では、政府調停の下で順調に交渉しているものと見られていました。

しかし、今回のカナダILWUの行動が、米国西岸のILWUを支援するための動きかどうかは不明です。

ただ、これまでカナダ西岸と米西岸の港湾が同時期にストライキに突入したことはありません。

カナダの動きと北米西岸への影響

カナダの西海岸でストをやるかどうかの投票が今日か明日に行われます。

これがLA、LBの方にも波及してくるかどうかが注目です。

港湾労働者の賃上げ

今回の港湾ストップの強行策は賃上げがテーマです。

ILWUの港湾労働者たちの年収は2,000万円以上あるとされており、さすがにちょっと高すぎではないかと個人的には感じたりもします。

しかし、コロナ禍でもしっかり仕事をしていたり、船会社はかなりの売り上げをあげていたりと、この賃上げの権利は主張してくるのも自然な気がします。

とはいえ、6年で賃金が倍になる交渉をするというのはかなり強気の交渉ではないでしょうか。

どうなっていくのか、今後も目が離せません。