どうもこんにちは、飯野です。
本日は6月5日付の海事新聞の記事から、二つの記事についてお話していきたいと思います。
まず一つ目は、「物流改善、政府が荷主に義務付け」です。
2023年6月5日イーノさんの物流ラジオ
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荷主に物流改善義務付け
政府は6月2日、第2回「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」を開催し、物流革新に向けた政策パッケージを承認しました。
荷主企業の物流改善への取り組みを促進するため、特に大手企業に対して役員層での物流管理責任者の配置、勧告などを伴う物流負荷軽減計画作成など規制的措置を含む法案を、2024年 通常国会への提出を視野に具体化していきます。
ドライバーの時間外労働問題
国土交通大臣は同日会見し、「物流は国民生活を支える重要な社会インフラであり、ドライバーの時間外労働の上限規制が強化される2024年問題への対応は喫緊の課題だ。対策を何もしなければ、2024年には14%の輸送力不足に陥るという試算もある。」と語っています。
また、「政策パッケージに盛り込まれた対策で、可能な取り組みから速やかに実施し、規制的措置などの枠組みも確実に整備する」としています。
政策パッケージの内容
その政策パッケージは
1.商慣行の見直し
2.物流効率化
3.荷主・消費者の行動変容
の三つの柱で、荷主・物流事業者の物流改善を評価・公表する仕組みの創設など、具体的施策を打ち出しました。
通関業者の関税立替について
二つ目の記事は、「公正取引委員会、2年連続で関税立て替え 注意喚起」です。
公正取引委員会は荷主が関税や消費税などを直接支払わず、通関業者に立て替えさせる行為を独占禁止法上の問題につながる恐れがある事例に2年連続で取り上げました。
併せて、「参考」の形で、立て替え払いの解消事例を掲載し、荷主と通関業者に改善を促すとともに、「引き続き注視していく」としました。
公取委は独禁法などの違反への監視を強めています。
荷主への注意喚起
実際には荷主に立ち入り調査をしたり、注意喚起文章を送ったりと対応をとっています。
こうした動きは、立て替え払いの改善を着実に後押ししています。
ある大手通関業者では直近の数カ月間だけでも複数荷主の立て替え払いが解消しました。
ただし、一部の荷主は「違反しても、すぐに罰則があるわけではない」とし、全く聞く耳を持たず、先の関係者は「報復行為が予想されるため、通報しようにもできない。公取委、そして関税局にも、もう一段と踏み込んだ対応を期待する」と語っています。
依然荷主の立場が強い日本
日本では荷主あっての物流事業者のようなところがあり、荷主の立場がかなり強くなっています。
2つ目の記事の通関会社の関税・消費税の立替がその最たる例で、通関業者が数千万円という関税・消費税を立替える場合もあるほどです。
更に、通関業者が金利などをとっていないケースが大半です。
関税立替の負担
今はリアルタイム口座というものがあり、荷主がリアルタイム口座から税金が引き落とされるケースもあります。
本来、通関会社は通関をする会社であって、金融機関ではありません。
トラックドライバーの荷訳
また、トラックドライバーが荷物を積み下ろしすることも商習慣的に決まっています。
それに対し疑問もありますし、ドライバーの待機時間の長期化の問題もあります。
商習慣の撤廃
物流業者なんていくらでもいる、いくらでも替えられる存在だと思っている人は一定数でいます。
その為、買い叩かれることも良くあります。
しかし、そろそろ、この昭和からの流れの悪しき商習慣を終わらした方がよいのではないでしょうか。
製造業にとってみれば、製品単価にそこまで影響しないレベルでコストを叩き、物流会社が疲弊するという、そんなことをしている場合ではありません。
この業界が良い方向に1日でも早く、良い状態になっていけばと願っております。
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