どうもこんにちは飯野です。
今日のテーマはeB/L(電子船荷証券)というテーマでお話をしていきたいと思います。
9月の中旬にドイツ船会社のHapag LloydがeB/Lの提供を開始するというニュースがありました。
これまでB/Lは長らく紙ベースで取引されるものでしたが、それの電子化が始まっていくということでeB/Lについて調べてみました。
2021年9月27日 イーノさんの物流ラジオ
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B/Lの電子化の流れ
eB/Lはブロックチェーンの技術を使い 書き換えが出来ないデータとして電子化をするのですが、eB/Lの概念自体は1990年代からありました。
しかし2021年9月になって船会社が正式に開始したというくらい導入に時間がかかっていました。
航空輸送ではeAWBを導入
一方で航空輸送に使われるAir Waybillの電子化、eAWBの導入は2010年からIATAによって開始され、世界中の空港、航空会社、フォワーダーでの運用はかなり浸透して来ました。
航空貨物の場合は輸送時間が圧倒的に船より早いので、電子化はスピード配送の為に重要でした。
航空輸送ではAir WaybillというWaybillで、有価証券ではなく運送状という位置付けであったのも理由で、電子化の浸透は早かったのかもしれません。
eB/Lの導入に時間がかかった理由
では海上輸送の船荷証券は、なぜこのように導入に時間がかかったのでしょうか?
まずは技術の問題でブロックチェーンという技術がなかったのと、有価証券として原本が重要視されていたことが理由だと思います。
船舶スピードが速くなり近海では本船の出港後2−3日で到着するケースもあります。しかし、それに対してはサレンダーB/LやSea Waybillという形で対応出来ていました。
紙のB/Lを使用するリスク
とはいえ紙ベースのB/Lでは、紛失リスクと発行の遅れによるリスクはずっとありました。
B/L = 有価証券
上述したようにB/Lは有価証券です。例えば1,000万円の貨物が入ったコンテナを運ぶ際に発行されたB/Lは、別の国の港で そのコンテナを引き取る為に必要な書類です。
そういう意味で そのB/Lは1,000万円の価値があります。もし、そのB/Lが紛失し 第三者の手に渡ってしまったら大問題になるというのは理解出来ると思います。
B/L発行の遅れの問題
またB/Lの発行の遅れは、貨物が予定通りに取り出せないだけでなく、原産地証明の発行にも影響することになります。
原産地証明はB/Lがないと発行出来ません。原産地証明がないと関税の優遇が受けられなくなり、製品の価格競争力に影響してしまいます。
コロナが進めたB/Lの電子化の流れ
しかし世界的に蔓延しているコロナウィルスの影響で、B/Lの電子化にスポットが当たるようになりました。
これまで紙ベースで発行されていたB/Lが、コロナ感染の影響で船は出港しているけれども、B/Lが発行されないという問題が発生したからです。
B/Lは人によって発行されます。B/L担当者や船会社にコロナ感染があると紙ベースの書類は発行出来なくなるのです。
法規制と関係各社の対応
このように紙のB/LからeB/Lへの移行の流れは始まってきましたが、本格的な浸透には法規制の整備と関係各社の対応も必要となります。
日本では2021年6月1日に内閣府の規制改革推進会議で「船荷証券の電子化について」の答申がありました。法規制の整備は今後も進んでいくと思います。他国でも進んでいくでしょう。
銀行のL/C
そしてeB/Lになることで、銀行や保険会社はそれに合わせた対応が必要になります。特に銀行はB/Lの原本を買い取ってL/Cを発行していました。
今後 eB/Lになることで、L/Cをどのように発行するのか、またL/Cの新しい形のものが出来るかもしれません。
まとめ
2020年代は海運業界というのは大きく変わっていくのかなと個人的には思います。現在、世界的なテーマである脱炭素、上述した電子化、その他 港の自動化も大きなテーマです。
引き続きeB/Lなどの情報をアップデートしていきたいと思います。
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