どうもこんにちは飯野です。
今日のテーマは、エジプトのACIという新しい輸入通関の事前申告制度についてお話をしていきたいと思います。
ACIとはAdvance Cargo Informationの略で、エジプトの関税法の改正により導入された新制度です。導入は2021年4月で、運用は2021年7月1日に予定されていましたが、延期となって2021年10月1日からとなりました。
2021年9月24日 イーノさんの物流ラジオ
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ACIに必要な二つのプラットフォーム
この新制度の運用にあたりポイントとなる2つのプラットフォームをご紹介します。
CargoX Platform
このプラットフォームはブロックチェーンの仕組みを使った書類転送ツールです。ブロックチェーンとは簡単に言えば書き換え不可能なデータのことで、情報セキュリティが重視されるこれからの時代において必要な技術です。
このCargoX Platformに、B/LやInvoice, Packing Listなどをアップロードし書類の転送、管理をします。輸出者、輸入者、フォワーダーが登録しなければいけないとされていますが、実際のところはまだ登録は進んでいないようです。
NAFEZA Platform (the Egyptian Single Window System for foreign trade)
ACIを実際に申告するにあたり、このNAFEZAのプラットフォームは必ず使用しなければいけません。
エジプトの輸入者はNAFEZAに登録し、貨物情報を都度 このプラットフォームに入力します。そしてACID Numberという19桁の番号を入手し、輸出者に送ります。
ACI 事前申告に必要な情報
エジプトの輸入事前申告に必要な情報は以下になります。
1. ACID Number(19桁)
2. 輸入者のVAT登録番号 (9桁)
3. 輸出者登録番号
4. 輸出者登録国
これらの情報をShipping Instruction(S.I)含めて、船会社に送る必要があります。
ACI 事前申告のタイミング
船会社が法律に沿って申告するのが船積みの24時間前なので、荷主やフォワーダーはそれよりも早い時間に提出する必要があります。CMA、CGMはETDの48時間前、MaerskはCYカットの36時間前と発表していますので、それぞれの船会社に確認をしましょう。
もし上記の情報がない、もしくは情報に誤りがあると
* 船に積めない
* 積み戻しの可能性がある
* ペナルティの可能性がある
とのことです。
エジプト政府によるACI導入の目的
エジプト政府がブロックチェーンの技術まで使って、このACI(輸入通関の事前申告制度)を導入した理由は、通関のスピードをアップする為です。
World Bankが発表している、エジプトの輸入通関はなんと240時間もの時間がかかっているとのことです。1件の輸入通関に10日もの日数がかかっているとなると、エジプトと他国による貿易の足枷になりますよね。
エジプト政府としては新しい仕組みで通関の日数を1日以内にすると目標を掲げています。
まとめ
国際物流の規制は常にアップデートされていきます。今回のエジプトのACIはエジプト政府をあげての貿易活性化の取り組みです。新制度の導入当初はちょっとした混乱もあるかもしれませんが、将来的により良い貿易活動に繋がっていきます。
今回のエジプト政府のブロックチェーンを使った新しい取り組みが、国際貿易に今後どのように影響していくのかが個人的には楽しみです。
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