どうもこんにちは、飯野です。
今日は海事新聞から「LA・LB港で超過料金の制度が3回目の延期」というニュースをお届けします。
2021年12月1日イーノさんの物流ラジオ
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滞留コンテナの超過料金、徴収開始を延期
北米ロサンゼルス(LA)・ロングビーチ(LB)両港は、11月29日に、滞留コンテナに対する超過料金の徴収開始を12月6日まで延期すると発表しました。
実際、滞留コンテナの減少が進んでおり、今回3度目の延期を決定しました。これについての私の考察を踏まえてお話ししていきたいと思います。
北米西岸での滞留コンテナに罰金を課するという規制は、ターミナルにコンテナが搬入してから
トラック引き取りの場合で9日以上
鉄道での引き取りの場合は6日以上
の滞留コンテナが対象となり、1日あたり100ドル/コンテナの罰金が発生します。
1日目が100ドル、2日目が200ドル、3日目が300ドルといったように、一日ごとに100ドルアップしていきます。
3日目で合計600ドルと、結構な額になります。
11月1日からスタート予定が延期となり、11月15日からスタートし、11月15日から月末にかけて多くの滞留コンテナが搬出されました。
輸入の滞留コンテナ本数が
11月1日:2万8,358本
11月24日:1万6,157本
約28,000本 から16,000本と40%程減っています。
罰金が積み重なると?
今回は、実際の罰金の徴収を少し先にするということになり、12月6日に延期をしました。減っているとはいえ、実際にはかなりの多くのコンテナが罰金対象になっています。
港全体で1日あたり1億円の罰金が発生する可能性もありますが、あくまで、罰金が目的ではなく、早期搬出が目的です。
荷主さんとしては、実際にはシャーシ不足、トラックドライバ不足のため、引き取りたくても、引き取れないという状況もあります。
制度の実施で、罰金が積み重なるとどうなるかというと、企業の業績悪化にもつながる可能性があります。せっかく景気が良くなってきたところで、製品の単価アップにつながるかもしれません。
日系企業はこういう時には自社でカバーする傾向がありますが、アメリカ企業は製品に転嫁するイメージがありますよね。
現在、アメリカはインフレになっています。通常だと2%くらいの物価上昇が適切とされていますが、10月時点で6.2%も上昇してしまっています。
これにともなって、アメリカFRBのパウエル議長が、現在行われている量的緩和を引き締めようとしており、それをさらに早める方向だと今日のニュースであったほどです。
そういうインフレの状況も関係しているかもしれません。
とはいえ、LA,LB港の混雑解消の兆しはなんとなく見えてきました。しかし、物流の目詰まりは、内陸の目詰まりの状態、コロナによるマンパワーの不足など、他の要素もあります。
今後も注目していきたいと思います。
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