どうもこんにちは、飯野です。
本日は9月15日付の海事新聞の記事から、「コンテナ船の市況、コロナ前には下がらず」についてお話していきたいと思います。
2022年9月16日イーノさんの物流ラジオ
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コンテナ運賃、コロナ前に戻らず
国際海運団体のBIMCOはコンテナ運賃市況の今後について、足元で軟化しているものの新型コロナウイルス感染前の非常に低い水準には戻らないと予想しています。
これは荷主さんや僕らフォワーダーにとってかなり注目したい内容です。
需給バランス緩和
BIMCOでは世界経済の不透明感や世界的な港湾混雑の解消で、需給バランスは徐々に緩和するものの、コロナ禍前よりは高い運賃水準を維持するとみています。
数字で表すと、上海航運交易所(SSE)がまとめた足元のコンテナ運賃市況(SCFI)は2,000ポイント後半と、年初の5,000ポイントから約50%減。
それでも、コロナ禍前の700~1,000ポイントと比べれば高い水準を維持しています。
コンテナ船用船料
では、コンテナ船の用船料はどうでしょうか。
現在SCFIなどコンテナ運賃指数と用船料はほぼ同じ傾向となっており、2022年6-12カ月の短期用船料は今年4月をピークに6%減となりました。
用船料金とコンテナ運賃指数が連動している形となり、ともに下がっています。
新造船への意欲
ただし、船の年齢が5年の用船料は、今後竣工する新造船に比べて34・7%割高となっています。
BIMCOでは、プレミアム料金を払ってでも、今すぐ船を調達する意欲が市場に残っている証拠では、とみているとのことです。
需要は落ち着いてはいますが、キャリアは「今」船を必要としているようです。
コロナ禍以降、旺盛だった貨物需要ですが、2022年7―9月は通常の繁忙期とは異なり、盛り上がりに欠けた展開となっています。
米国では大手小売りが在庫過剰に陥るなど調整局面となっています。
2023年の海運市況
こうしたこともあり、2022年の世界の貿易量は前年比1―2%減となりますが、来年2023年は3―4%増のプラスを見込んでいます。
今年は在庫過多で需要が低いですが、来年は今年と比較したらまだ伸び、よって船が必要になっていくのではないでしょうか。
ただ、ユーロ安は欧州の購買力にとって懸念材料としています。
コンテナ船の供給面では、新造船発注は2022年に入って減速傾向にあるものの、2022年第3四半期までの発注残は700万TEUと、船腹量の27・6%に相当します。
これから市場に約30%のコンテナ供給が入ってくることになります。
2023年以降の潜伏需要
船腹量増加率は2022年が2.9%、2023年が8%と予想されています。
来年移行に竣工される船は本当に多いです。
船が増え、コンテナの供給が増えすぎると、価格が落ちるのでは?と思うかもしれません。
しかし、EEXIという既存船の燃費性能規制や減速航行に伴って船腹の需要が、10%増加するとBIMCOは見込んでいます。
船舶の排ガス規制の観点から、船のエンジンの燃費性能の規制と格付けがあり、運航スピードが落とさなければいけません。
更に、船主がEEXIへの適用を断念し、船をスクラップにすると決断した場合、解撤量は年間20万―30万TEUになると計算しています。
よって、コンテナ船の海上運賃はコロナ前には戻らないだろうという見立てがあるという記事でした。
価格競争よりもサービス向上へ
コンテナ船が増えるからと言って、供給量が増えて単純に海上運賃が下がるということではありません。
あの安い価格に戻っては、船会社が倒産をしてしまいますので、さすがにあそこまで下がることはないでしょう。
そうなると、価格だけでの勝負にはなっていきません。
貨物手配をちゃんとするサービス品質や、ルートの提案、フレキシブルな対応などが引き続き求められていくと思います。
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